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by 幸田 晋

肝心なときに役に立たなかった日本製「原発ロボット」/週刊現代

肝心なときに役に立たなかった
日本製「原発ロボット」/
週刊現代

現代ビジネス
5月15日(日)9時0分配信より



 福島第一原発事故を受けて、脚光を浴びているのがロボット産業。米アイロボット社の『パックボット』が原発建屋内部の写真撮影や放射線濃度の測定に成功するや、政府内で新たなロボット投入が検討され始めている。ただそんな外国製の活躍の陰に隠れて、忘れられた「日本製」がいたことはあまり知られていない。

 そのロボットとは、財団法人原子力安全技術センターが開発した「防災モニタリングロボット(通称モニロボ)」。同センターのHPによれば、原子力施設等で災害が発生した際に遠隔操作で迅速に情報収集を行う目的で作られ、カメラ・放射線測定機を搭載、軽作業までこなす優れ物だという。

 事故から1週間も経たないうちに福島へ派遣された時は「危険地域の測定に期待」とメディアの注目を集めたが、その後の消息が報じられていないのだ。一体、どこで何をしているのか。

「いまは福島のJヴィレッジで待機中です」と言うのは同センターの運営企画室担当者。ではいつ動き出すのかと聞けば、「東電さんに確認したところ、建屋の周囲にがれきが散乱している状況で、なかなか近づけないようです」と言う。

 キャタピラ搭載で悪路難所を走行できるのが売りだったが、想定外のがれきの山だったということか。念のために東電にも確認してみると、しかし、別の答えが返ってきた。

「モニロボはかなり重量があるので、原発から引いたケーブルを切断してしまう恐れがあり、走行させられません」(広報担当者)

 要は役に立たない代物ということ。
開発に注がれた約1億円の血税はドブへ消えたというわけだ。
 

ちなみに文科省は過去に原発事故用情報収集ロボ「RaBOT」「RESQ」なるものも開発している。いまどうしているのか聞くと、「RaBOTは開発から10年以上経過し、耐用年数を過ぎたため廃棄した」(文科省原子力課)という始末。

 3種あるRESQのうち使えそうなのは一種だけ。メンテナンスを終えて福島に送るべく「待機中」だというが、モニロボの前例があるだけに期待はできない。もちろん開発には、われらが血税が使われている。
by kuroki_kazuya | 2011-05-16 03:52 | 核 原子力