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by 幸田 晋

【香港】原発監視の民間組織が発足

【香港】原発監視の民間組織が発足
週刊金曜日 6月6日(月)15時39分配信より

 福島第一原発の事故で原子力発電所の安全性に対する不安が世界的に高まるなか、グリーンピース香港などがこのほど、民間による原発監視のための独立組織を結成した。

 香港は電力需要の二五%を隣接する中国・広東省深せん市にある大亜湾原発(計五基)に頼っている。同原発は香港・九龍の繁華街から直線で五〇キロしか離れていないため、香港市民も安全性については敏感だ。

 独立組織は立法会(議会)議員や大学の教員、記者ら一三人で構成されている。同原発では昨年、軽度の放射性物質漏れが二度あったが、管理会社がすぐには公表しなかった。いずれも国際原子力機関(IAEA)が定める八段階の事故評価基準で、「レベル2」以下だったためだ。このうち昨年一〇月の事故では原子炉格納容器内のパイプに亀裂が入り、放射性物質を含む冷却水が原発内部に漏れ出していた。

 独立組織は事故が起きた際の情報公開の透明度を高めることや、香港政府による管理実現を求めてゆく考え。同原発の運営については安全諮問委員会が設けられているが、会議の結果は公表されていない。

 同原発建設の着工を目前に控えた一九八六年四月、チェルノブイリ原発で事故が起こったため建設反対の署名に一〇〇万人が集まったが、中国政府が強行した経緯がある。

 同原発は中国初の商用原子力施設で九四年に商業運転を開始。年内に発電容量を六一〇万キロワットに増強する予定だ。香港政府は二〇二〇年に同原発への依存度を五〇%に引き上げる計画がある。

 福島原発の事故を受け、香港駐在の中国政府機関は三月二四日、香港メディアに同原発の内部を公開し安全性を訴えた。また、運営会社の中国広東核電集団は四月中旬から、団体客向けに同原発の関連施設を有料で公開している。

 香港政府は来年、大亜湾原発の事故を想定した大規模な災害訓練を実施する。

 中国政府は、同原発はマグニチュード八の地震に耐えられるよう設計されており、使用しているウランの濃度が低いため事故が起きても核爆発が起きる危険性はないと説明している。

(志村宏忠・ジャーナリスト、4月22日号) .
by kuroki_kazuya | 2011-06-07 02:40 | 核 原子力