福島2号機建屋の二重扉を開放 推計放出量は18億ベクレル
2011年 06月 20日
二重扉を開放
推計放出量は
18億ベクレル
産経新聞
6月19日(日)21時11分配信より
東京電力は19日、
福島第1原発2号機の
原子炉建屋の二重扉を
開放したと発表した。
開放で建屋内の放射性物質(放射能)
が環境中に放出される懸念があるが、
事前に放射性物質濃度を下げる措置を取っており、
東電は「環境への影響はない」と判断した。
東電によると、
開放により放出される
放射性物質の推計値は18億ベクレル。
1号機の二重扉開放時に放出された
5億ベクレルを上回る。
開放について
経済産業省原子力安全・保安院は
「問題はない」と評価。
地元自治体の了承も得られたという。
2号機の原子炉建屋は屋根が残っているため、地下にたまった汚染水の蒸発などによって湿気がこもり、湿度99・9%の「スチームサウナのような状態」(東電)だった。高い湿度の中に人が立ち入ると脱水症状を引き起こす危険もあり、作業の妨げになっていた。今後、原子炉の水位計や圧力計の調整作業を行う。
一方、4号機では19日、定期検査中に原子炉機器を仮置きする「DSピット」と呼ばれるプールの水位が低下し、露出した原子炉機器から強い放射線が出ている可能性があることが判明した。東日本大震災発生時に定期検査中だった4号機では、ピットの水が燃料貯蔵プールに偶然流入したため、燃料の損傷を回避できていたことが分かった。
燃料プールには大震災発生当時、1535本の燃料が保管されていた。燃料が発する熱で水が蒸発し、燃料損傷の懸念が高まったが、水位は下がらず燃料は水面下にとどまった。
東電によると、プールの水位が予想より下がらなかったのは、ピット側の水が燃料貯蔵プールに偶然流れ込んだ可能性が高いという。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は会見で、「プールに水が流れなかったら空だきなり、非常に厳しい状態になっていた」との見方を示した。
東電は19日、ピットに約80トンの水を注入。今後、約1千トンを注水する方針。
一方、東電は同日、本格運転からわずか5時間で停止した汚染水の浄化システムで、水漏れがあったことを明らかにした。