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by 幸田 晋

<原発耐性試験>米が相互評価を拒否 IAEA提案に

<原発耐性試験>
米が相互評価を拒否 
IAEA提案に

毎日新聞
7月2日(土)2時30分配信より


【ブリュッセル斎藤義彦】

米原子力規制委員会(NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長は、毎日新聞に対し、欧州連合(EU)が実施している原発のストレステスト(耐性試験)について「米国には必要ない」との考えを示した。国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長はEU方式のストレステストを全世界で実施することを先週、提案したが、これを事実上、拒否した形だ。

 ヤツコ委員長は原発の安全を管理する米独立機関のトップ。

 米国は原発の安全性について、自国で独自に検査している。これに対してEU方式は、自国の検査だけでなく、他国の専門家も招いた安全性の相互評価「ピアレビュー」を行うのが特徴。EUではドイツ、イタリアなど脱原発を決めた国の専門家も含めて外部評価を受けることで透明性が高まるとされている。

 ヤツコ委員長は、このEU方式について、「それぞれの国が、その国の規制プログラムに適合した方策を取らなければならない」と述べ、米国で実施する考えがないことを明らかにした。その理由については「米国は少し違ったやり方を取っているが、欧州で行われているストレステストと同様な結果を得られる。同じ問題への違ったアプローチだ」とした。

 背景には、脱原発を掲げるなど原発利用に消極的な国々とも相互評価の関係を持つことになれば、内政干渉につながりかねないという警戒感もあるとみられる。

 IAEAの天野事務局長は先週の閣僚級会議で、IAEAの国際的な専門家による相互評価を含めたEU方式のストレステストを今後1年~1年半で全世界で実施することを提案、9月の総会で了承を得たい意向を示している。世界一の原発大国・米国がEU方式を否定したことで、提案は最初からつまずいた形となった。

 ヤツコ委員長は天野事務局長について「閣僚級会議をまとめた天野氏の指導力は評価する」とだけ話し、安全性検査を巡る提案への直接的な言及は避けた。
by kuroki_kazuya | 2011-07-02 02:52 | 核 原子力