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by 幸田 晋

セシウム汚染牛、なぜ検査をすり抜けた?

セシウム汚染牛、
なぜ検査をすり抜けた?

産経新聞
7月13日(水)2時47分配信より


汚染された稲わらを食べた牛の肉は、
なぜ検査をすり抜けたのか。


農林水産省によると、

この農家のある
緊急時避難準備区域や計画的避難区域から
牛を出荷する場合、

福島県が
牛の体表に付着した放射線を
測定する全頭検査を実施する。

飼料の屋内での保管など、
管理について聞き取り調査も行う。

問題がなければ各地の食肉処理場に出荷され、
肉に含まれる放射性物質については
処理した各都道府県が抽出検査する。


体表検査は、
付着した放射性物質が
ほかの地域に運ばれるのを防ぐもの。

抽出検査数は
全国で45件と
県の出荷全体の数%にすぎず、
聞き取り調査が頼みだ。


しかし、
問題の農家は
昨秋から外に放置されていた
稲わらを与えていたのに、

「飼料は屋内で保管していた」
などと
うその申告をして出荷していた。
11頭は抽出検査で発覚したが、
ほかの6頭は検査の網にかからず流通した。
 


福島県産の肉牛は
約9割が県外で食肉処理される。

県は出荷先の都道府県にも
検査強化を依頼する方針だが、

厚生労働省は
「都道府県が検査できる量は限られる」と指摘している。


■地元検査に手がまわらず

福島県は

12日も20人体制で
緊急時避難準備区域の農家を回り、
餌の管理と放射線量の調査を進めた。

「原因が内部被曝(ひばく)と分かった以上、
餌の調査で安全性を示したい」(県幹部)と、

全510軒の肉牛農家の調査を、
今週中に終える方針だ。

しかし、
計画的避難区域と緊急時避難準備区域で
行うことになった全頭検査には難題が多い。

県内に検査機器は6台だけ。

季節の桃や夏野菜の検査も重なり、

県幹部は
「農家に出荷時期を調整してもらうしかない」。

出荷後の県外検査では、
他都道府県との調整が必要だが、
まだ手が回らない。

牛の動きを正確に追うのは難しく、
「検査に漏れが生じる懸念」(県幹部)もある。


福島牛販売促進協議会は

12日、検査済みの肉用牛に証明書を付けるよう県に要請。

庄条徳一会長は
「安心して買ってもらうには全頭検査が必要だ」と話した。


南相馬市の畜産農家は
肉用牛の出荷自粛を求められている。

農家の女性(62)は

「原発事故で福島の牛の値段は30万~50万円も落ちたのに」
と不安を隠さない。

ただ、問題の肉用牛を出荷した農家については
「頑張っている仲間。責められない」
と困惑した表情を見せた。

by kuroki_kazuya | 2011-07-13 02:52 | 核 原子力