福島第1原発事故 「放射線」学ぶ動きが教育現場で広がる
2011年 07月 14日
福島第1原発事故 「放射線」学ぶ動きが教育現場で広がる 「出前授業」に注文殺到
フジテレビ系(FNN) 7月14日(木)1時7分配信より
福島第1原発の事故を受け、「放射線」を学ぶ動きが教育現場で広がっている。「脱ゆとり教育」の一環として、30年ぶりに、2012年度から中学の理科で復活予定だった「放射線」。専門家による「出前授業」に、早くも注文が殺到している。
茨城・東海村の「原子力科学館」には、福島第1原発の事故以来、関心が高まる中、栃木県の高校が見学に訪れた。
ガラスの容器の中に、アルコールの蒸気が詰められた「霧箱」と呼ばれる装置。
「霧箱」の中に現れる白い「線」は、目には見えないはずの放射線が通った跡で、頻繁に現れる細い線がβ(ベータ)線、たまに見える太く短いのがα(アルファ)線。
自然の状態でも、身の回りには放射線が飛び交っている。
見学に来た担任の先生は「学校でやるときは、たぶんドライアイスを入れて、冷やして、蒸気の中を通してるのかな? 軌跡が見える。小さいんでね、学校のやつは」と話した。
生徒が、「普段から浴びてるなんて、知らなかった」、「結構な量ありますよね」と話すと、先生は「浴びてるわけだよな。これはすごいよね」と話した。
見学に来た生徒は、「新しいこととか知れて、きょうは良かったです」、「まったく見方が変わりました」、「興味ないって言ったらあれですけど。まったく関心なくて、今まで」と話した。
見学に来た担任の先生は「授業なんかで扱っていない部分も相当あるものですから。自分なりに、いろいろと勉強してもらえればと思って、ここに来ました」と話した。
放射線への理解を深めようという授業は、13日、福島県の小学校でも行われた。
授業を受ける児童は「次は放射線に関する、いろいろな授業をする。(どんな授業をやる?)どんなことだろう? 放射線の恐ろしさかな?」と話した。
福島第1原発からおよそ31kmのところにある南相馬市立鹿島小学校では、放射線についての正しい知識を身につけてほしいと、専門家による「出前授業」を依頼した。
最初の実験は、いわば即席の「霧箱」で、子どもたちは、自分で作った装置で、放射線を「見た」。
専門家は「『放射線』と『放射能』は違うわけなんです。きょうは覚えておいてほしい」と話した。
子どもたちは、その後、外に出て線量を計測した。
体育館の外で子どもたちが計測すると、約0.5マイクロシーベルト(μSv)という数値が出た。
体育館の周辺を計測している中で、子どもたちは、あることに気づいた。
子どもたちは、「場所が10cmぐらい違うだけで、こんなに違うものなの!?」と驚きの声を上げた。
表示されたのは、周囲のおよそ16倍の数値だった。
雨水がたまりやすい場所では、線量が高いことを自分たちで発見した。
子どもたちは、「地面の方が、とっても高いかなと思いました」、「やっぱり怖かった」と話した。
5月から「出前授業」を始めた日本科学技術振興財団は、7月に入ってからは毎日、「出前」を行っている状況だという。
日本科学技術振興財団の掛布智久さんは「安心してもらう必要はなくて。『正しく怖がる』というのは、すごく重要だと思うんですよね。やっぱり、何でもかんでも怖いとなってしまうと、どう身を守ったらいいか、すべてがお手上げ状態になってしまいますので」と話した。
原発に近いからこそ、「正しい知識」で「正しく怖がる」ことが必要だという。
「出前授業」を依頼した北畑勝良先生は「小学校では、放射線・放射能について勉強しませんので。まして、先生方も授業したことがないっていうのが現状ですよね。そういうところで、専門の方に来ていただいて、そういう勉強を通して自分で確かめられたというのは、きょうは本当によかったなかと思います」と話した。
放射線についての正しい知識の重要度が増す中、2012年度から、中学校の授業で30年ぶりに「放射線授業」が復活する。
長いブランクで、教える側のノウハウもなく、手探りのスタートとなるとみられる。
フジテレビ系(FNN) 7月14日(木)1時7分配信より
福島第1原発の事故を受け、「放射線」を学ぶ動きが教育現場で広がっている。「脱ゆとり教育」の一環として、30年ぶりに、2012年度から中学の理科で復活予定だった「放射線」。専門家による「出前授業」に、早くも注文が殺到している。
茨城・東海村の「原子力科学館」には、福島第1原発の事故以来、関心が高まる中、栃木県の高校が見学に訪れた。
ガラスの容器の中に、アルコールの蒸気が詰められた「霧箱」と呼ばれる装置。
「霧箱」の中に現れる白い「線」は、目には見えないはずの放射線が通った跡で、頻繁に現れる細い線がβ(ベータ)線、たまに見える太く短いのがα(アルファ)線。
自然の状態でも、身の回りには放射線が飛び交っている。
見学に来た担任の先生は「学校でやるときは、たぶんドライアイスを入れて、冷やして、蒸気の中を通してるのかな? 軌跡が見える。小さいんでね、学校のやつは」と話した。
生徒が、「普段から浴びてるなんて、知らなかった」、「結構な量ありますよね」と話すと、先生は「浴びてるわけだよな。これはすごいよね」と話した。
見学に来た生徒は、「新しいこととか知れて、きょうは良かったです」、「まったく見方が変わりました」、「興味ないって言ったらあれですけど。まったく関心なくて、今まで」と話した。
見学に来た担任の先生は「授業なんかで扱っていない部分も相当あるものですから。自分なりに、いろいろと勉強してもらえればと思って、ここに来ました」と話した。
放射線への理解を深めようという授業は、13日、福島県の小学校でも行われた。
授業を受ける児童は「次は放射線に関する、いろいろな授業をする。(どんな授業をやる?)どんなことだろう? 放射線の恐ろしさかな?」と話した。
福島第1原発からおよそ31kmのところにある南相馬市立鹿島小学校では、放射線についての正しい知識を身につけてほしいと、専門家による「出前授業」を依頼した。
最初の実験は、いわば即席の「霧箱」で、子どもたちは、自分で作った装置で、放射線を「見た」。
専門家は「『放射線』と『放射能』は違うわけなんです。きょうは覚えておいてほしい」と話した。
子どもたちは、その後、外に出て線量を計測した。
体育館の外で子どもたちが計測すると、約0.5マイクロシーベルト(μSv)という数値が出た。
体育館の周辺を計測している中で、子どもたちは、あることに気づいた。
子どもたちは、「場所が10cmぐらい違うだけで、こんなに違うものなの!?」と驚きの声を上げた。
表示されたのは、周囲のおよそ16倍の数値だった。
雨水がたまりやすい場所では、線量が高いことを自分たちで発見した。
子どもたちは、「地面の方が、とっても高いかなと思いました」、「やっぱり怖かった」と話した。
5月から「出前授業」を始めた日本科学技術振興財団は、7月に入ってからは毎日、「出前」を行っている状況だという。
日本科学技術振興財団の掛布智久さんは「安心してもらう必要はなくて。『正しく怖がる』というのは、すごく重要だと思うんですよね。やっぱり、何でもかんでも怖いとなってしまうと、どう身を守ったらいいか、すべてがお手上げ状態になってしまいますので」と話した。
原発に近いからこそ、「正しい知識」で「正しく怖がる」ことが必要だという。
「出前授業」を依頼した北畑勝良先生は「小学校では、放射線・放射能について勉強しませんので。まして、先生方も授業したことがないっていうのが現状ですよね。そういうところで、専門の方に来ていただいて、そういう勉強を通して自分で確かめられたというのは、きょうは本当によかったなかと思います」と話した。
放射線についての正しい知識の重要度が増す中、2012年度から、中学校の授業で30年ぶりに「放射線授業」が復活する。
長いブランクで、教える側のノウハウもなく、手探りのスタートとなるとみられる。
by kuroki_kazuya
| 2011-07-14 01:01
| 核 原子力