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by 幸田 晋

福島交通飯坂線 原発事故で温泉客の利用急ブレーキ

福島交通飯坂線 
原発事故で
温泉客の利用急ブレーキ


河北新報
9月9日(金)6時10分配信より


福島市の中心部と飯坂温泉を結ぶ福島交通飯坂線(通称・飯坂電車)が、福島第1原発事故で苦しんでいる。温泉街を訪れる観光客が減り、利用者数が落ち込んでいるためだ。大正時代からの歴史があり、「いいでん」と地元の人から親しまれているが、「減収が続けば、路線存続も危うい」(福島交通鉄道部)という。同社は集客を目指し、さまざまな新規サービスに取り組み始めた。


 東日本大震災で、飯坂線は停電のため2日間運転を見合わせた。3月13日午後に平常通りの運行を開始したが、原発事故の影響で観光客が激減。4月は定期券以外の一般乗車数が前年同月比で約25%減少した。
 5月以降は少しずつ回復しているものの、乗客数と運輸収入はともに前年を下回る状況だ。
 

2010年度の飯坂線の経常利益は約6500万円。
福島交通鉄道部の佐々木公一部長は「減収が続けば、上半期決算で鉄道部門としては何十年ぶりかの赤字になる可能性もある。大変苦しい」と説明する。


飯坂線は1924年の開通で、福島―飯坂温泉の9.2キロが営業区間。新幹線の主要駅と温泉地を結ぶ私鉄は全国的にも珍しい。

ピークの70年代には年間630万人が利用し、
週末の夜は温泉街へ向かう客で混雑したという。

 10年度の利用客は約214万5500人と、近年は右肩下がりの状況で、そこに震災が追い打ちをかけた。現行車両の寿命も迫っており、福島交通は「全車両を買い替えると、20億円が必要。今のままでは自力での車両更新は難しく、路線を存続できるかどうかも不透明になる」と危機感を強める。


 飯坂線は観光客だけでなく、通勤や通学で多くの地元住民も利用している。福島市のアルバイト女性(30)は「車の運転ができないので、飯坂線は欠かせない。飯坂温泉のためにも、なくなると困る」と語る。
 福島交通は少しでも乗客を増やそうと、9月に大人1人と子ども1人が800円で一日乗り放題になる「いい電1日フリーきっぷ」を発売。飯坂温泉駅で無料で自転車を貸し出す「ももりんレンタサイクル」も始めた。
 佐々木部長は「原発事故で観光客が以前の水準に回復するのは難しいが、手をこまぬいているわけにはいかない。何とか生き残るために、一人でも多く乗ってもらえるよう努めたい」と話している。
by kuroki_kazuya | 2011-09-10 02:11 | 核 原子力