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by 幸田 晋

<東電>実質国有化へ 政府、公的資本1兆円注入

<東電>実質国有化へ 

政府、公的資本1兆円注入

毎日新聞
12月8日(木)2時31分配信より一部

政府は、
東京電力に少なくとも
総額1兆円規模の公的資本を注入する
方向で調整に入った。

福島第1原発の事故対応費用の増加などで、

13年3月期に
東電が債務超過に陥る可能性が高まっている



ため。
来年6月の
定時株主総会で新株を発行する枠である
株式授権枠の大幅拡大について承認を得た上で、

原子力損害賠償支援機構が
東電の新株(優先株)を引き受ける形で
来夏の実施を目指す。

勝俣恒久会長ら東電の現経営陣の大半を退陣させ、
東電の一時、実質国有化に踏み切る構えだ。

 


・・・・



東電は
12年3月期で
約5763億円の最終赤字を見込み、
純資産は7088億円と
1年前の2分の1以下に減少
する見通し。

自己資本比率も6%台に低下し
資本増強が喫緊の課題だが、

格付けの低下で
市場からの資金調達は困難と見られる。



東電は既に、
損害賠償の費用として
支援機構経由で国から
計8900億円の支援を受けている

が、使途は賠償費用に限られている。

今後膨らむ除染費用や
事故炉の廃炉費用の
規模が判明していく過程で
債務超過に陥るのは確実と見られている。



 
廃炉を巡っては、
内閣府原子力委員会の部会が
7日に工程を盛り込んだ報告書を策定。

具体額は未確定だが、
政府の第三者委員会の試算では
1~4号機で1兆1510億円が必要とされ、

5~6号機を加えればさらに経費がかさむ。

政府が今春に作成した
財務試算資料によると資本注入の額は最大で2兆円。

政府関係者は
「現在の財務状況では最低で1兆円は必要」
と話す。





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 ◇優先株

 株主総会での議決権が制限される代わりに、普通株に比べて配当利回りや解散時の財産配分などで優先される株式。発行する企業にはコストがかかるが、高配当のため投資家に買ってもらいやすく、自己資本充実のための有効な手段となる。普通株への転換権を付与するケースが多い。バブル経済崩壊後に大手銀行が公的資本注入を受けた際にも用いられた。

 ◇「東電解体」にらむ

 政府が東京電力に公的資本を注入する狙いは、同社の経営改革を国が主導し、発送電分離や原発の国有化などエネルギー政策の抜本的な見直し作業を強力に推進するためだ。資本注入に加え、勝俣恒久会長ら現経営陣に代わる新しい経営者を外部から登用する方向で人選する意向で、東電の経営権を国が掌握することを狙う。

 東電は3月の福島第1原発事故以降、極めて厳しい経営状態が続く。電力の安定供給や確実な賠償の履行、市場の混乱回避などを優先するため、政府の原子力損害賠償支援機構が「実質的に経営を維持」(経済産業省幹部)してきたのが実情だ。

 それでも東電経営陣はあくまで自力再建を目指すが、今後は数兆円に達するとされる廃炉や除染の費用が重くのしかかってくる。東電は資産売却や人件費カットなどのリストラ策に加えて、電気料金の大幅な値上げと新潟・柏崎刈羽原発の再稼働で利益を捻出したい考えだが、枝野幸男経産相は料金値上げや再稼働に慎重姿勢を崩していない。

 値上げや原発再稼働がなければ営業損失を解消することはできず、東電内にも「資本注入は避けられない」との声がある。金融機関にも資本注入による経営の下支えに期待する動きがある。

 東電の経営形態を巡っては「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで、原子力部門を切り離して賠償支払いの主体となる清算会社として別会社化する案や、東電を持ち株会社に「原子力」「発電」「送電」の子会社を配置する分割案などが取りざたされている。東電はこうした事実上の「解体案」に強く抵抗しており、年明け以降は経営形態の見直しを巡って政府側との激しい綱引きが予想される。


【斉藤信宏、三沢耕平、永井大介】
by kuroki_kazuya | 2011-12-08 04:37 | 核 原子力