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by 幸田 晋

経済効果150兆円!? 五輪がもたらす光と影

経済効果
150兆円!? 
五輪がもたらす
光と影


東洋経済オンライン
9月22日(日)8時0分配信より一部

「政界、財界、スポーツ団体、すべてが一丸となったことが今回の結果につながった」。
9月10日に開かれた東京五輪招致委員会関係者の帰国会見。
東京都の猪瀬直樹知事の興奮はまだ収まらないようだった。






・・・・(中略)






■ 株式市場も五輪に熱狂

 五輪開催に沸き返る日本。「9日朝から問い合わせの電話が鳴りやまなかった」と、証券会社の広報担当者は悲鳴を上げる。日経平均株価は東京五輪決定後の3日間で564円(4%強、終値ベース)上昇した。東京五輪の焦点は、それが経済的にどういう影響を与えていくか、ということに移り始めた。

 新国立競技場、水泳会場、バスケットボール会場など、臨海部を中心に五輪関連施設は20カ所整備される。東京都は20年までの7年間で直接的な経済波及効果が約3兆円になると試算した。

日本の国内総生産(GDP)が
500兆円規模であることを考えると、

3兆円の経済効果は
限定的にも見えるが、
実際はどうなのか。


 
7年間で150兆円以上と見込んだのが大和証券だ。

「道路整備など国土強靱化で55兆円、

観光業で95兆円の効果が出る。

特に観光はアベノミクスの成長戦略とも重なって伸びていくはず」(投資戦略部の近藤慶幸・上席課長代理)。

 
政府は現在年間1000万人の訪日観光客を

3000万人に引き上げる計画を進めているが、

同社はこうした動きが加速すると見ている。
アベノミクスでいえば、五輪の経済効果は第2の矢、第3の矢を補完する役割になるという。

 150兆円こそ突出しているが、「間違いなく3兆円以上にはなる」(第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミスト)、「都の試算はとてつもなく小さな数字。真に受けるとがっかりする」(野村証券の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジスト)など、それなりの効果を期待する声は多い。

 東京五輪決定に沸くのは、株式市場だけではない。

 「五輪が決まったから、買うことに決めた」

 三菱地所レジデンスが東京湾岸で販売しているタワーマンションには、東京開催が決まった直後、日本時間の8日早朝から問い合わせが急増した。これまで様子見を続けていたが、一転して購入を決断した客もいたという。この日のモデルルーム来場者数は前週末の2倍。販売員の数が足りず、案内なしで見学する客まで出る盛況ぶりだった。

 何しろ、このマンションが建設される場所は、選手村が作られる中央区晴海の都有地から目と鼻の先。ここに住めば、大会期間中、五輪の空気を間近に感じられることは間違いない。だが、それ以上に購入検討客の背中を押しているのは、五輪開催をきっかけにして周辺のインフラ整備が一段と進むという期待感だ。



■ 臨海部の整備が再起動

 
1964年の前回東京大会時、
競技施設の建設など五輪の運営に直接関係した費用は
295億円。

これに対し、道路や新幹線など周辺の整備に費やされた金額は
9578億円だった。


20年大会は「コンパクトな五輪」を標榜しており、前回ほどのインフラ整備は必要ないとされるが、
それでも関連施設建設費の4554億円を上回る額が
周辺整備に使われる可能性は高い。

 
すでに東京都は、
五輪開催を念頭に
「2020年の東京」という
長期ビジョンをまとめており、

13~15年度は
22の施策に
2.7兆円を投じる
計画を組んでいる。


環状道路の整備や空港の発着枠拡大などは、その一例だ。

 しかし、建設や不動産などの関連業界では、22の施策に加えて、何年も前から計画されていながら実現していない、いくつもの開発計画が日の目を見るのではないか、とささやかれている。東京カンテイの中山登志朗・上席主任研究員は「五輪という大義名分がないと実現できなかった公共工事が進む公算は大きい」と指摘する。

 たとえば、墨田区押上と港区の泉岳寺を結ぶ全長11キロメートルの鉄道路線。成田空港─羽田空港間の移動を現状の92分から50分台に短縮し、五輪に際して増加が見込まれる観光客の利便性を高めることを狙う。

 ほかにも、東京急行電鉄の蒲田駅と京浜急行電鉄の京急蒲田駅を連絡する「蒲蒲線」、東京都心を囲む環状8号線の地下を利用した鉄道「エイトライナー」など、鉄道路線だけでも五輪に便乗した複数の整備計画が口の端に上っている。

 ただ、インフラ整備の本丸は何といっても、競技会場全体の6割が集積する湾岸エリアだ。

 同エリアの中核を成す台場・有明・青海地区は、鈴木俊一知事時代の80年代半ばに開発計画がスタートした。職住近接の新しい副都心として巨額の事業費が投じられたが、90年代のバブル崩壊によって当初の事業計画は頓挫。「ゆりかもめは空気を運ぶのか」と揶揄された。

 96年の街開きから17年が経ち、今でこそ用地全体の7割が利用されるに至ったが、都心からのアクセスはゆりかもめとりんかい線(東京臨海高速鉄道)という、湾岸部を迂回する2路線が中心。不動産業界からは「脆弱な交通インフラが今も同地区のネックになっている」という声も聞かれる。

 北側に位置する豊洲や晴海も状況は似ている。たとえば、晴海の大型オフィスビルは今年初めに大口テナントが退去したが、現在も埋め戻しに苦労している。鉄道路線は都営大江戸線のみ。通勤ラッシュ時は混雑のために歩道が大渋滞になることも多く、テナント誘致に悪影響を及ぼしている。


■ 状況は一変する可能性

 しかし、五輪開催をきっかけにして、こうした状況が一変するかもしれない。湾岸エリアには、競技会場のほかにも選手村やメディアセンターが置かれる計画だ。輸送力の確保は避けて通れない問題であり、それだけに優先的に国や都の予算が投下されるという見方は強い。開発を担当する東京都港湾局は「五輪を契機に、開発の総仕上げにかかる」と意気込む。

 すでに道路では、15年度に首都高速10号線の晴海─豊洲間が、また16年に環状2号線の新豊洲─虎ノ門区間が開通する予定。銀座と晴海の間には、中央区が中心となってバス高速輸送システム(BRT)の開設を計画している。また鉄道では、東京メトロ有楽町線を豊洲から江東区住吉まで延伸し、同半蔵門線と接続させる構想が浮上している。

 湾岸エリアで整備が進みそうなのは、交通インフラだけではない。東京都は青海北地区を国際会議場やホテル、エンターテインメント施設が集積する複合型MICE拠点に設定。関連法案が可決されれば、カジノを含めた統合型リゾートの開設も視野に入る。五輪開催による外国人観光客の増加を当て込んだ、新規の観光事業にも追い風が吹きそうだ。

 
みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは
「今後は湾岸エリアのポテンシャルが顕在化していきそうだ」と分析する。

そのうえで、

現在は
1坪当たり250万円前後
という豊洲周辺の新築マンション価格は、

4~5年のうちに
同300万円までハネ上がる、
とそろばんをはじく。








・・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2013-09-23 06:18 | 土建 赤字 無責任