(解説付き) 鼻血は、ベータ線被曝の結果 槌田敦(元理化学研究所研究員)
2014年 05月 23日
ベータ線被曝の結果
槌田敦(元理化学研究所研究員)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2177】
2014年5月22日(木)午後 08:56
その2 地震と原発事故情報より一部転載
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┗■3.(解説付き) 鼻血は、ベータ線被曝の結果
| ベータ線は鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させ
| 粘膜が破られて鼻血となる
| 広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ
└──── 槌田敦(元理化学研究所研究員)
☆『事故情報編集部より』
槌田敦さんより5月20日発信の【TMM:No2174】★1の文章について、
3点の変更が加わった文章=解説追加 表題変更 誤字訂正の文が
届きましたので掲載致します。
○ 美味しんぼの連載記事「福島の真実」(週刊ビッグコミックスピリッツ誌)が大問題になっている。石原環境大臣が「不快だ」といい、安倍首相が「根拠のない風評」としたことで政治問題となった。政府の介入は、発行元小学館を震えあがらせ、詫び状を書かせた。
放射能と鼻血の問題は、原爆症に始まる。広島で被曝治療をしてきた肥田医師は「福島の真実24」で述べていられるが、広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ。
しかし、占領軍はその因果関係の発表を許さなかった。
そして、この方針を引き継ぐ日米合作の放射線影響研究所も、
原爆と鼻血の因果関係をタブー視し、原因不明とする。
この流れをくんで、放射線防護学の御用学者たちは、1シーベルト以上被曝すると血液中の血小板が減り、鼻血が出やすくなるが、それ以下では鼻血は出ないと主張する。
福島原発事故で多数の鼻血患者が出たのは事実である。
しかし、被曝線量が少ないので、御用学者にはこの事実を説明できない。
そこで彼らは自ら説明できないことにいらだって、
事実そのものを「科学的にありえない」と否定することになる。
○ 事実を説明しなければ科学者として失格である。
ところで、これら失格御用学者のいう被曝とは、ガンマ線被曝であって、
その範囲ならば彼らの言う通りかも知れない。
しかし、矢ケ崎琉球大学名誉教授も
「福島の真実24」で述べていられるが、
物理学者ならば放射線にベータ線(電子線)があることに注目する。
セシウムなどを含む土埃が風で運ばれてこれを吸い込むと、
鼻腔に沈着しベータ線を放出する。
ベータ線は飛行距離が短く、
鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させることになり、
粘膜が破られて鼻血となる。
この症状は、
日光による紫外線被曝と似ている。
まず、皮膚が日焼け状態となり赤くなり、次にただれる。
粘膜ならば破れて鼻血になる。
この症状には個人差があり、赤くなっても回復することがある。
その場合は、耐性ができて次の被曝があっても赤くはならず、黒ずむだけである。
その人は幸福であって、その後は鼻血はない。
現在の福島県民の多くは
この状態にあると思われる。
しかし、
この事実にはふたつの重要な問題がある。
ひとつは、この耐性のない子供や福島を訪問する県外の者の危険である。
外出するときは、セシウムを含む土埃を吸わないように、
四季を問わず花粉マスクが必要である。
そして子供のいる家庭の居間、学習室、寝室には、空気清浄器が必須であろう。
その費用は東電に請求する。
ホテル滞在の場合は空気清浄器の有無を確かめるとよい。
○ もうひとつは、鼻にはいったセシウムは肺に流れ込み、血液で全身に配られ、
内部被曝の原因となる。
福島の人達は、食事だけ被曝管理しても無駄であることを理解する必要がある。
これは風評被害ではない。土壌の高汚染地域という事実の問題である。
最後に、福島と鼻血について、
武田中部大学教授のショート論評(5月10日)を全面的に支持する。
小学館は美味しんぼ連載最終打ち切りの
「福島の真実24」(5月19日発売)で、
武田教授に詳細な論評をなぜ求めなかったのか、
おおいに疑問である。
○【解説】
ガンマ線は、
原子核が崩壊するとき放出する電磁波(光)である。
X線と同じで透過力が高く、
被曝してもほとんどはそのまま通過する。
一方、ベータ線は電子線であって、
物質中の電子を弾き飛ばして止まるので透過力は低く、
身体の表面だけを激しく攻撃し、皮膚被曝の原因となる。