年金運用見直し 成長戦略に利用するな
2014年 06月 08日
年金運用見直し
成長戦略に
利用するな
毎日新聞 社説 2014年06月07日 02時32分より一部
田村憲久厚生労働相が、
公的年金の積立金を運用している
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、
国債中心の運用方針を
前倒しで改めるよう指示した。
この結果、
株式や海外資産の購入を増やす新方針が、
当初の年末から早まり、
秋に発表される見通しとなった。
政府はこれを月内にとりまとめる成長戦略に盛り込む構えだ。
公的年金の運用方針は、
国民が長期にわたり安定した給付を受けられるよう、
100年先を見据えて決めるべき重要なテーマだ。
なぜそんなに急いで見直さねばならないのか。
GPIFは
約130兆円もの資金を運用する
世界最大級の機関投資家である。
少子高齢化で年金財政が苦しくなる中、運用実績を向上させるための改革が必要なのは確かだ。
国債を中心とした
国内債券60%、
国内株式12%、
外国債券11%、
外国株式12%、
短期資産5%という、
これまでの運用の配分を変えなくてよいというつもりもない。
・・・(中略)
まず、政治からの強い独立性が担保された体制を作ることだ。
貴重な年金の積立金が、
ときどきの政治の思惑で運用されてはたまらない。
プロの運用集団を育てることも優先すべき課題である。
GPIFは、
例えばカナダの公的年金運用機関の9倍近い資金を委ねられながら、
その人員数は10分の1以下と心もとない。
わずか1%の配分変更で
1.3兆円が動く世界である。
運用能力が不十分で、
政治家の影響を受けやすい組織に、
「もっとリスクを取れ」ということほど
危険なものはない。
しかし、国債を減らし、株などリスク商品を買えば、
長期的に運用利回りが上がるという理屈で、GPIF改革の議論は進んでいる。
しかも、
その結論を数カ月でも早く発表しようと急ぐ。
これでは株価浮揚策と勘ぐられても仕方ないだろう。
成長戦略に
利用するな
毎日新聞 社説 2014年06月07日 02時32分より一部
田村憲久厚生労働相が、
公的年金の積立金を運用している
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、
国債中心の運用方針を
前倒しで改めるよう指示した。
この結果、
株式や海外資産の購入を増やす新方針が、
当初の年末から早まり、
秋に発表される見通しとなった。
政府はこれを月内にとりまとめる成長戦略に盛り込む構えだ。
公的年金の運用方針は、
国民が長期にわたり安定した給付を受けられるよう、
100年先を見据えて決めるべき重要なテーマだ。
なぜそんなに急いで見直さねばならないのか。
GPIFは
約130兆円もの資金を運用する
世界最大級の機関投資家である。
少子高齢化で年金財政が苦しくなる中、運用実績を向上させるための改革が必要なのは確かだ。
国債を中心とした
国内債券60%、
国内株式12%、
外国債券11%、
外国株式12%、
短期資産5%という、
これまでの運用の配分を変えなくてよいというつもりもない。
・・・(中略)
まず、政治からの強い独立性が担保された体制を作ることだ。
貴重な年金の積立金が、
ときどきの政治の思惑で運用されてはたまらない。
プロの運用集団を育てることも優先すべき課題である。
GPIFは、
例えばカナダの公的年金運用機関の9倍近い資金を委ねられながら、
その人員数は10分の1以下と心もとない。
わずか1%の配分変更で
1.3兆円が動く世界である。
運用能力が不十分で、
政治家の影響を受けやすい組織に、
「もっとリスクを取れ」ということほど
危険なものはない。
しかし、国債を減らし、株などリスク商品を買えば、
長期的に運用利回りが上がるという理屈で、GPIF改革の議論は進んでいる。
しかも、
その結論を数カ月でも早く発表しようと急ぐ。
これでは株価浮揚策と勘ぐられても仕方ないだろう。
by kuroki_kazuya
| 2014-06-08 06:15
| 資本