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by 幸田 晋

政府専用機の後継機種がボーイング777に内定、日本の政府専用機とは?

政府専用機の
後継機種がボーイング777に内定、
日本の政府専用機とは?


THE PAGE 6月29日(日)13時0分配信より一部

老朽化により2019年に置き換えが予定されている
政府専用機の後継機種が、
ボーイング社のボーイング777型機に内定したと報道されています。

内閣官房の政府専用機検討委員会が
8月末までに機体と整備委託の発注先を
正式決定する見通しです。


・・・(中略)


特別輸送機の定員は約150人で、
機内は貴賓室や会議室、記者会見席
といった要人向けの設備が揃っている他、
一般エアラインのプレミアムエコノミー相当の
一般客席も用意されています。


特別輸送機は2機保有しているものの、
トラブルに備えて
任務運航の際は必ず2機で
運行されているため、
原則として別な任務運航を
同時遂行することは出来ません。


そのため、皇室や政府のスケジュールが重なった際は、
事実上の国家元首とされている天皇陛下の御召運航を最優先とした上で、
政府は国内エアラインに
チャーター機の運航を依頼する場合があります。

また、距離や目的地の条件によっては
ビジネスジェット相当の機体を持つ
航空自衛隊所属のU-4型多用途輸送機や
陸上自衛隊に配備されているEC225LP型要人輸送ヘリコプターも
使われる場合があります。

ボーイング777型機の選定された背景

ボーイング777型機は
1995年に登場した
双発エンジンのワイドボディ旅客機で、
現在のボーイング社における大型旅客機の主力となっています。

国内エアラインにおいてはJALとANAが導入しており、
ジャンボジェットに代わる
燃費効率の優れた大型機として国内外の路線で運行されています。

また、ボーイング777型機は製造段階においても
日本企業との繋がりが強く、
主要な部品の約21%が
三菱重工や川崎重工ら日本企業5社によって製造されており、
日本の航空産業にとっても重要な影響を持つ機体となっています。

日本政府は政府専用機の提案にあたって、以下の3つの要件を提示しています。

(1)アメリカ東海岸への直航が可能なこと。
(2)天皇陛下や内閣総理大臣の輸送に必要な装備(貴賓室、執務室、秘匿通信機器等)と随行員、乗務員等の座席を確保できるスペースを有すること。
(3)将来にわたって、国内で民間航空会社等による整備体制が確保される見通しがあること。

今回ボーイング社が提案した777-300ER型機は、
73.9mに及ぶ大型の胴体に長距離運航のためのエンジンを搭載しています。

同等のボディーを持つ国内線仕様の777-300型機の座席数は
ジャンボジェットに匹敵する約500席となっており、
(2)のスペース条件をクリアしています。

また、国内エアラインでの運航実績としては
2014年4月の段階でJALが13機、ANAが19機保有しており、
ともに欧米方面などの長距離国際線で運航しているため、
(1)の航続距離条件にも当てはまります。

焦点になっていたのが(3)で、
同時に募集されている機体整備委託の受注希望を出している
JAL、ANAともに将来の機材導入計画が
現状で大きく異なっている点が注目されていました。

ANAは2014年3月に
今後もボーイング777型機を中心に大型機を揃えることを発表し、
6機の777-300ER型機を発注した他、
2020年に引き渡しが開始される予定のボーイング777-9X型機も20機発注したことを明らかにしています。

一方、JALは
2013年10月にエアバス社のA350型機を発注し、
2019年より6年を目安にボーイング777型機を更新する計画を発表しており、
この機体が対抗馬になるものと見られていました。

エアバス社も
当初は政府専用機の選定には関心を示しており、
2月に政府が行った機体提案を希望する企業を対象にした事前説明会に参加するなど、
具体的な動きも見られました。

しかし、政府側としては
日米同盟や過去の運用実績、
国内航空産業への影響という背景からもボーイング社を選定したいという意向があったと見られ、
全体的にエアバス社は不利な競争条件に立たされていたと考えられています。

また、報道によると
委託整備の受注を希望するJAL、ANA両者ともに
ボーイング777型機を推薦したとされており、
その結果エアバスは辞退したと見られています。


・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2014-06-30 06:05 | 軍事