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by 幸田 晋

「21世紀の資本論」が問う、中間層への警告

「21世紀の資本論」が問う、
中間層への警告


東洋経済オンライン 7月21日(月)6時0分配信より一部

一匹の妖怪が世界を徘徊している。ピケティという名の妖怪が――。
マルクスの言葉をもじってそう言いたくなるようなブームが、欧米で巻き起こっている。

フランス経済学校のトマ・ピケティ教授による
『21世紀の資本論』が、
経済書としては異例の大ヒットとなっているのだ。

英語版で約700ページにも上る本格的な経済書だが、
特に米国では書店から蒸発するように売れ、出版社が増刷を急いでいる。

マルクスの『資本論』をほうふつとさせるのはタイトルだけではない。
本書は「資本主義は格差を拡大するメカニズムを内包している。
富裕層に対する資産課税で不平等を解消しなければならない。
さもなければ中間層は消滅する」と主張。

この主張が米国では、
「ウォール街を占拠せよ」運動に代表されるような格差の議論に結び付き、
一般市民を巻きこんだピケティブームが巻き起こっている。

米国の保守派は「ソフトマルキシズムだ」と反発するが、
ポール・クルーグマンやロバート・ソローなど、
ノーベル賞受賞経済学者は
ピケティの実証的な研究を高く評価している。


・・・(中略)


私立開成高校(東京都荒川区)の学費免除の試み。
2014年度から、経済困窮家庭の生徒を対象に、
入学金や授業料を全額免除する制度を始めるという。

同校ではリーマンショック後、
経済状況が厳しくなる在校生が増えており、
在校生向け奨学金の利用もじわりと増えている。

新入生向けの学費免除制度の新設は
この傾向を考慮したものだが、
同校にとっては決して慈善事業の類ではないとう。

開成高校の葛西太郎教頭は
「経済的に困難な生徒ほど、何事も一生懸命頑張るという傾向がある。
学校の中に、現実社会と同じ多様性を維持するためにも、
さまざまな生徒を受け入れたい」と話している。

資本主義社会に生きる以上、
私たちは格差や貧困とは無縁ではいられない。
それが今のところの現実だ。

であれば、この現実にいかに向き合うか。
教育界にとどまらず、すべての人に問われているのではないか。
今回の特集を進める中で、記者が何度も考えたことだ。

週刊東洋経済7月26日号(7月22日火曜発売)は
特集「『21世紀の資本論』が問う中間層への警告」です。
詳細は、同特集をご覧ください。

杉本 りうこ
by kuroki_kazuya | 2014-07-22 06:05 | 資本