スキーにはまっています。


by 幸田 晋

~第97回小出裕章ジャーナル  鬼気迫る小出裕章国会証言を振り返る

みなさま、時間のアル時に
是非、「HP『ラジオ・アクセス・フォーラム』」へ
お出で頂きたい。と、思います。<<KK>>

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鬼気迫る小出裕章国会証言を振り返る
「誰一人として責任を取らないまま再稼働をさせる。
新たに原子力発電所を造る。
新たに輸出までするというようなことを言ってるわけですから正気の沙汰とは思えません」

~第97回小出裕章ジャーナル 

HP「ラジオ・アクセス・フォーラム」 
2014年11月15日より転載


西谷文和:
この安倍内閣は原発の再稼働をほんとにやるつもりですよね? どう思われますか?

小出さん:
あきれたというか、ほんとに困った人達だと思います。日本で58基の原子力発電所がこれまで認可して動いてきたのですが、その58基の原子力発電所に「全て安全性を確認した」とお墨付きを与えたのは、自民党政権なのです。

もちろん、福島第一原子力発電所の原子炉についても自民党が「安全性を確認した」としてお墨付きを与えたからこそ動いてきたのです。その福島第一原子力発電所がほんとに悲惨な事故を引き起こしているわけで、ほんとであれば、自民党の人達は犯罪者と呼んで、処罰をしなければいけないと私は思うのですけれども。

西谷:
誰も責任取ってませんからねえ。

小出さん:
そうです。誰ひとりとして責任を取らないまま、また安全性を確認して再稼働をさせる。あるいは、新たに原子力発電所を造る。あるいは、新たに輸出までするというようなことを言ってるわけですから、言葉は悪いですけれども正気の沙汰とは思えません。

西谷:
それで改めて、この情勢の中でちょっと調べてみますと、2011年5月ですから事故から2か月後に小出さんは国会に行かれて、国会議員の前で「もう原発を進めてはいけない」とほんとに素晴らしい内容の証言をされてるのですが、あれYouTubeで流れてますので、リスナーの皆さんもぜひ一度ご覧頂きたいのですが、あの証言内容でちょっとお聞きしたいんです。宜しいでしょうか?

小出さん:
はい。

西谷:
小出さんは、まず国会議員さんの前で「石油や石炭が枯渇すると思っていたけど、それで私は原子力に入ったが、調べてみたら、原子力の燃料ウランはもっと少ないと。これに気が付いた」ということですが、これはもう圧倒的にウランは少ないんですか?

小出さん:
圧倒的に少ないです。石油に比べても、発生できるエネルギーに換算して、石油に比べても数分の1しかありませんし、石炭に比べれば、数10分の1しかないというまことに貧弱でバカげた資源なのです。

西谷:
小出さんはそこで原子力ムラの人々は、少ないけれどもこれをプルトニウムに変換して使うんだと。だから、濃縮して加工して、高速増殖炉で再処理をしながらサイクルで使うと。だから、やるんだと、こういうふうに言ったのですが、先生はそこで「でも、もんじゅが動いてないじゃないか」と、こういう風におっしゃったわけですよね?

小出さん:
そうです。今、聞いて頂きましたように、地球上に存在しているウラン自身は大変貧弱な資源なので、原子力を推進しようとしてきた人達は、そのウランの一部、燃えない、ほんとは役立たずのウランをプルトニウムに変えて利用する。そうすれば、原子力の資源量が60倍になるので、石炭と同じぐらいの資源にはなると言ってきたのです。
ただ、それをやる為には、高速増殖炉という原子炉が必要で、日本ではもんじゅという実験用の小ちゃな原子炉をとにかく動かしてみようとしたのですが、そのもんじゅという原子炉は、すでに1兆円ものお金をつぎ込みましたけれども、豆電球ひとつつけることができないという、そういう状態で今日まで来ている。

西谷:
1兆円を使って。

小出さん:
はい。

西谷:
小出さんは国会の中で、1億円の詐欺事件を起こしたら、少なくとも1年間は刑務所に入らないといけない。そうすると、1兆円の詐欺なので、これ1万年の罪だと。もんじゅの責任者が仮に100人いるとすれば、1人あたり100年入ってもらわなあかんと。このようにおっしゃってました。

小出さん:
要するにできないんですね。それでも。

西谷:
その話も聞きたいのですが、その後で、この国会の中で先生は「実際に起きたじゃないか」と、福島の事故はね。実際に起きた時に行政の側、つまり政府の側も非常に不適切で、防災というのは危険を大きく想定するのが鉄則なのに、政府は一貫して事故を過小評価したと、このように言ってましたが、これはどういうことでしょうか?

小出さん:
もともと、その原子力発電所というものは巨大な危険を抱えているわけで、そういうものが事故を起こした場合には、どうするかということをあらかじめキチッと防災訓練でもなんでもしておかなければいけなかったわけですが、原子力発電所だけは大きな事故を起こさないということにしてしまって。

西谷:
安全神話で?

小出さん:
はい。住民の避難訓練などもろくにやったことがなかったわけです。そして、事故が起きたわけですけれども、もう事故が起きてしまえば、そんなことを想定もしていなかったがために情報すらがキチッと流れなかったのです。

西谷:
そうですよね。隠されましたよね?

小出さん:
はい。特に、例えば、政府の側では、オフサイトセンターというのをつくって、そこが政府として情報を集めるということにしていたのですけれども、オフサイトセンターにいた政府の職員は事故が起きた途端に逃げてしまったのです。

住民をほったらかしにしたまま逃げてしまいましたし、情報をキチッと把握することすらができない。そして、把握した情報にしても、例えば、当時は民主党政権だったわけですけれども、民主党の政権には流さないというようなことを官僚たちがやったわけです。

西谷:
政権に流さなかったんですか?

小出さん:
そうです。

西谷:
あと、SPEEDIも隠しましたね?

小出さん:
はい。事故が起きた時に、どちらの方向にどれだけの放射性物質が流れて、住民がどれだけ被ばくをするかということをキチッと予測を立てるというのがSPEEDIというものの役割だったのですけれども、そのSPEEDIは実は動いていたのです。開発に100億円以上のお金をかけて、たくさんの方々がそれに従事して仕事をしていまして、事故が起きた時は、たぶん彼らは不眠不休で仕事をしていたと思います。

ただし、その結果が住民には知らせられなかった。外務省を通じて米軍だけには知らされたけれども、住民には知らされないということになってしまったのです。

西谷:
小出さんは国会証言の最後に、ガンジーの7つの社会的罪ということで、「理念なき政治」とか「労働なき富」「道徳なき商業」等を挙げておられますが、この「道徳なき商業」ってまさにこの…そのものですね?

小出さん:
まさに東京電力そのもののことだと私は思います。

西谷:
4つ目は「人格なき学識」ってあるんですが、あの事故後にたくさん東京大学の教授とか出てきて、「メルトダウンしてない」とかおしゃってましたけど、ねえ。

小出さん:
はい。ほんとにいわゆる、科学技術というのが単に何か知識さえあればいいというふうにこれまで進んできてしまったわけですけれども、知識だけ集めて、人格もなければ知恵もないという状態で国家の中枢に多くの学者達が集まってしまったのです。

西谷:
そして、残念ながらこの安倍内閣になって、また再稼働ということで、本当に「道徳なき商業」「人格なき学識」がまだ続いてるということですね?

小出さん:
はい。政治のことを言えば、「理念なき政治」と言うのですけれども、全く理念のないまま、ただただ安倍さんは経済最優先と言ってるわけで、ほんとに恥ずかしい国だと思います。

西谷:
はい。よく分かりました。小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。
by kuroki_kazuya | 2014-11-16 06:46 | 核 原子力