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by 幸田 晋

特定秘密保護法 制定の必要性あったか

特定秘密保護法 

制定の必要性あったか


秋田魁新報 社説 2014/11/26 付より一部

来月10日の施行が迫る
特定秘密保護法について、
政府内でも
さまざまな疑問の声が出ていたことが、
公開された公文書で明らかになった


公文書は
秘密保護法の素案などを検討した際、
政府内の意見をまとめた内部文書だ。

特に注目されるのは、
政府の「法律顧問」と言うべき内閣法制局が
根幹部分に対して疑問を呈し、
「立法事実が弱い」と
指摘していたことである。


「立法事実」とは、
法律制定の必要性を裏付ける
社会的な事実や事情を指す。
それが「弱い」ということは、
この法律はそもそも必要なのか、
と疑問視したということだ。


似たような指摘は、
昨年の法案段階で法律の専門家からも出ていた。
「立法事実がない」という批判だ。
外部の専門家と政府の内部で見方はほぼ一致していたのである。


・・・(中略)


昨年末に成立した秘密保護法は、
特定秘密の漏えいに最高で懲役10年を科す。
立法事実が不十分にもかかわらず、
罰則だけが突出していると言わざるを得ない。
法制局が重罰化に難色を示したのも当然だ。


公開された公文書では
このほか、裁判になった際の問題点が法務省から指摘された。
起訴する場合、
漏えいされた特定秘密を具体的に起訴状に
記載しなければ司法手続きが進まない、という懸念である。

政府内では最終的に、
特定秘密そのものを明示せず、
秘密指定の妥当性を立証すれば足りるということで決着した。

だが、これでは、
どんな国家機密を漏らして罪に問われたのか被告本人は知ることができず、
裁判官も秘密指定が本当に妥当だったかどうか検証することができない。
公正な刑事裁判が確保できるのか疑問だ。

「知る権利」侵害の恐れがある秘密保護法は、
強い反対の声を押し切って安倍政権が強引に成立させた。
反対の声は依然として根強い。
法律の制定をめぐり、
政府内でこれほど多くの問題点が指摘されていた事実は極めて重い。
by kuroki_kazuya | 2014-11-27 06:48 | 憲法