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by 幸田 晋

格差拡大

格差拡大

宮崎日日新聞 社説 2014年12月31日より一部

貧困層に配慮した再分配を

 日本で貧富の差が拡大しているといわれ、経済格差をめぐる議論が活発になっている。本紙では今年1月から10部にわたって企画「だれも知らない~みやざき 子どもの貧困」を連載。教育や医療などにおいて、貧困にあえぐ子どもたちの現在を紹介し、展望をまとめた。浮き彫りになったのは、親の経済的な困窮がさらに拡大する形で子どもに引き継がれ、負の連鎖から抜け出せない実態だった。

 連載を終え、新年を迎えるに当たって、格差が拡大している原因と処方箋は何か、あらためて考えてみたい。

■社会的公正を損なう■

 折しも、資本主義と格差の問題を論じた1冊の経済書が、世界的なベストセラーとなっている。フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の「21世紀の資本」。著者は200年以上にわたるフランス、英国、米国、日本などの膨大な統計データを分析し、資本主義社会における不平等の謎に挑んだ。

 その結論は衝撃的だ。資本の収益率は、ほとんどの時代に経済成長率を上回っている。この結果、土地や株式などの資産を持つ人は、持たない人よりも豊かになり、その格差は財産の世襲を通じて拡大し続けるという。何か手を打たない限り、格差拡大は資本主義の宿命ということになる。

 ピケティ氏によると、20世紀は例外的な時代だった。2度の世界大戦や大恐慌で資産が失われた上に、経済成長率が高かったことにより、格差が縮小した。ところが、経済成長率の低下などに伴い、1980年代ごろから格差が拡大しており、21世紀はさらに拡大が進むだろうという。

 日本でも80年代以降の長い時間軸で見れば、格差拡大が進行してきたことは間違いない。一例を挙げれば、日本の子どもの貧困率は2012年時点で16・3%と、過去最悪を更新した。

 格差の拡大は社会的公正を損ない、民主主義を揺るがす。食い止めることは最重要課題の一つだ。


・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-01-01 06:15 | 超大金持ち 資本家