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by 幸田 晋

一億総活躍社会 「総動員」が分かりやすい

一億総活躍社会 

「総動員」が分かりやすい


西日本新聞 社説 2015年10月03日 11時05分より一部

 安倍晋三首相が掲げた「『一億総活躍』社会」の実現という目標はいまひとつ分かりにくい。家庭で、職場で、地域で、誰もがもっと活躍できる社会をつくるというが、活躍しているか否かを、誰がどうやって判定するのだろう。安倍首相が一貫して掲げてきたのは「強い経済」「強い日本」を取り戻すことだ。
ならば老若男女を「総動員」して
日本経済再生を図ると言う方が
分かりやすくないか


 ▼全て「経済」が尺度なら

 自民党総裁に再選された安倍首相は、総活躍社会の実現に向けた新たな「三本の矢」を示した。

 それは「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の3本である。「強い経済」では「(明日への)希望を生み出す」ところに力点が置かれているようだ。

 雇用を増やし、給料を上げて消費を拡大する一方、海外からの投資や人材を積極的に呼び込む。

 具体的な目標は国内総生産(GDP)を600兆円に乗せることだ。ちなみに2014年度の名目GDPは約491兆円だった。

 子育て支援では、認可保育所などに入れない待機児童の解消や幼児教育の無償化拡大などを挙げた。子育てに優しい社会としていくことで出生率を上げ、50年後も人口1億人の維持を目指す。

 社会保障では家族の介護や看護で離職を余儀なくされる人をなくす「介護離職ゼロ」を掲げた。

 厚生労働省によると、介護・看護のために離転職した雇用者は07年10月から12年9月までで約44万人を数え、8割が女性だった。

 子育て支援の強化はいいが、その財源をどうするか。介護施設の充実でも財源確保が課題である。

 仕事と育児や介護の両立は簡単ではない。だから、多様な働き方改革を進めると安倍首相は言う。

 それで出産、子育て、介護などに十分な時間が取れるようになるか。改正労働者派遣法などを見ると、改革が労働者よりも企業の都合を優先しているようにみえる。

 安倍首相が言う「女性や高齢者がもっと活躍する社会」とは、女性や高齢者がもっと働く社会と言い換えられそうだ。「活躍」が経済に偏っている感じが気になる。

 経済成長に資するか否か。それが評価の最優先の尺度となればどうか。文部科学省が全国の国立大学に出した通知が論議を呼んだ。

 教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院の廃止や見直しを求めた通知で、「実用性のない文系分野は必要ない」と言わんばかりの内容が一方的と反発を招いた。

 「活躍」は曖昧な言葉だ。子どもがいるかいないか、仕事の有無が評価の尺度になるのか。そこに当てはまらない人間はどうなるのか。一億総活躍社会は分かったようで分からない言葉だ。政策目標として掲げるのに適切だろうか。

 新三本の矢が出たことで、これまでの三本の矢があらためて注目されることになった。三本の矢が何をもたらし、何を課題に残したか。総括が必要との声がある。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-10-04 06:35 | 政治・議会 | Comments(0)