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by 幸田 晋

核燃料再処理 矛盾を拡大する延命策

核燃料再処理 

矛盾を拡大する延命策


毎日新聞 社説 2015年12月7日 02時30分より一部

 原発の使用済み核燃料を再処理し取り出したプルトニウムを再び原子炉で燃やす。日本が国策とする核燃料サイクルだが、さまざまな面で行き詰まっている。

 そんな中、経済産業省が再処理への国の関与を強める新方策を打ち出した。国民の意見を聴いた上で来年の通常国会に関連法改正案を提出するというが、不合理な延命策には納得できない。

 再処理事業は電力各社が出資する日本原燃が担ってきた。費用は私たちが支払う電気料金に上乗せされ、電力会社が積み立てている。これまで電気料金は投資が必ず回収できる「総括原価方式」で決められてきたため、再処理を抱える電力会社に経営上のリスクはなかった。

 しかし、来春、電力小売りが全面自由化され、この方式がなくなると、再処理に資金が回らなくなる可能性がある。今回の新方策はこれを懸念して提案されたもので、事業主体として国が監督する認可法人を新設する。電力会社にはここへの再処理費用の拠出を義務づけ、事業自体は認可法人が原燃に委託して行う。結果的に電力会社は経営が悪化しても独自の判断で再処理から撤退できなくなり、原燃も解散できなくなる

 しかし、そもそも電力自由化は競争原理の導入によって消費者の負担を軽くすることがひとつの目的だったはずだ。
自由化で再処理が維持できなくなるから国が支える、
というのでは本末転倒だ。
新方式で電力会社の撤退を妨げれば、
結局、費用負担は国民に回ることになる


 こうした措置は核燃料サイクルの行き詰まりから目をそらすことにもつながる。再処理で取り出したプルトニウムを燃やす高速増殖原型炉「もんじゅ」は、原子力規制委員会から運営主体が不適当とされ、事実上破綻している。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場は、先月、23回目の完成延期が決まり、建設費用は当初の3倍の2.2兆円まで膨れあがっている。この先も追加費用が生じることは十分に考えられる。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-12-08 06:55 | 核 原子力