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by 幸田 晋

浜岡原発 防潮堤が今月完成 先行き課題多く

浜岡原発 防潮堤が今月完成 
先行き課題多く


中日新聞 2016年3月14日より一部

 東日本大震災による福島第一原発事故を受け、中部電力は浜岡原発(御前崎市)でさまざまな安全対策を講じてきた。再稼働を目指し、この五年間で施設内は大きく様変わりしたが、残された課題も多い。

 浜岡原発は二〇一一年五月、津波対策が不十分だとして、原発事故に危機感を覚えた当時の菅直人首相の要請で全基停止した。1、2号機は〇八年に廃炉が決まって停止していたが、定期検査中だった3号機と、稼働していた4、5号機の原子炉が止まった。

 震災後に始めた安全対策の柱が、防潮堤の設置だった。高さ二十二メートル、総延長一・六キロは七階建てのビルに相当する。計画変更を経ながらも一五年十二月に壁部分が出来上がり、東西端を二十二~二十四メートルの盛り土で囲って今月中に完成予定だ。

 仮に津波が防潮堤を乗り越えても、原子炉建屋への海水の浸入を防ぐ強化扉と水密扉を整備した。外部電源や非常用ディーゼル発電機を失っても注水が継続できるようガスタービン発電機を高台に設置したほか、注水用のポンプ車なども複数箇所の高台に配置する。

 建設中のフィルター付きベント設備は、フィルターがない場合の千分の一に放射性物質を抑えて放出し、大規模な土壌汚染を防ぐ。金属容器に使用済み燃料を密封して空気で冷やす「乾式貯蔵施設」は、従来のプールでの貯蔵より地震や津波に強いとされ、一八年度の稼働開始を目指し原子力規制委員会に申請中だ。

 こうした中で、中電は一四年二月に4号機、一五年六月に3号機について、再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査を規制委に申請した。これまでに投じられた安全対策費は約四千億円に上る。

 その一方、トラブルもあった。5号機で一一年五月の停止作業中に細管が損傷、海水四百トンが流入し、心臓部の圧力容器内にサビが見つかった。一五年十二月には「海水混入による影響はなく、使用可能だ」とする中間報告を規制委に提出し、勝野哲社長は対策工事の計画作りに着手する方針を明らかにしたが、再稼働への道のりは遠い。

・・・(中略)

◆地震時、計画通り対応できるか

 元東芝社員で東京電力福島第一原発や浜岡原発などの基本設計を担当した渡辺敦雄さんの話

 原子炉建屋は断層のずれに耐えられる設計はしていない。立地している地盤が三十センチ以上隆起したら、正常に運転できなくなり事故を起こす。事故が起きた際、中電は最後の手段として可搬車両で直接の電源や水を送るというが、他の予備電源や給水設備が全て故障するほどの被害がある地震で、地面の隆起や地割れが起きず、津波の漂流物が道をふさぐことなく車両が通れるのか。
by kuroki_kazuya | 2016-03-15 06:43 | 核 原子力