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by 幸田 晋

原発廃炉費用の転嫁で電気料金はどれだけ増えるのか

原発廃炉費用の転嫁で
電気料金はどれだけ増えるのか


JBpress 11/7(月) 6:40配信より一部

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161107-00048303-jbpressz-bus_all

 東京電力が廃炉問題をめぐって揺れている。これまで総額2兆円程度とされていた廃炉費用が大幅に膨れあがる公算が高まってきたのがその理由である。
廃炉費用をすべて東電が
負担するということになると、
同社の財務体質は
急激に悪化する可能性が高い


 今のところ政府は東電が経営努力で負担するという姿勢を崩していないが、福島第1原発以外の廃炉費用については、費用の一部を利用者に転嫁する方針がすでに提示されている。福島第1原発の廃炉費用についても、最終的に利用者負担となる可能性について指摘する報道も出ている。東電の現在の財務状況と廃炉費用について整理してみた。

■ 廃炉費用の総額は4兆円? 

 東京電力は、福島第1原発の廃炉や賠償に伴う費用として年間約4000億円程度を支出している。内訳は、廃炉費用が800億円、賠償費用が1200億円、除染などその他費用が2000億円となっている。

 福島第1原発の廃炉には30~40年の期間が必要とされているが、仮に年間800億円の廃炉費用が継続した場合、総額では2兆4000億円から3兆円2000億円の費用がかかる計算になる。

 東電と政府は現在、廃炉費用として総額2兆円程度、被災者への賠償と除染に総額9兆円程度の支出を見込んでいる。現状の支出規模が維持され、廃炉作業や除染作業が30年で済めば想定範囲に近い水準で一連の処理を実現できる。だがこの見通しは、ほぼ実現が不可能となりつつある。

 経済産業省は10月25日、「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」の会合において、福島第1原発の廃炉費用が大幅に増加するとの試算を提示した。それによると、現在、年間800億円程度となっている廃炉費用は、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しが本格化することなどから、今後、年間で数千億円程度に膨れあがる可能性があるという。

 数千億円という極めて曖昧な表現であり、この試算だけでは廃炉の総額がいくらになるのかは分からない。最終的には総額が2倍以上になるとの話も出ており、それが事実であれば廃炉費用は総額で4兆円を越えることになる。

 今のところ政府は、基本的に東電が経営努力によってこれを負担するという姿勢を崩していないが、4兆円が事実だとすると、東電にとっては現実的にかなり厳しい状況に追い込まれる。

■ 廃炉費用を会計上どう処理するか

 東電は福島第1原発事故に伴い、2011年3月期決算で約1兆2500億円、2012年3月期決算で約7800億円、2013年3月期決算で約6900億円の純損失を計上した。だが、2014年3月期以降の決算では黒字化している。これは2012年9月に実施された家庭向け電気料金の値上げの影響が大きく、電気料金の値上げという事実上の国民負担の増加によって、何とか東電の経営を維持しているというのが現状だ。その効果もあり、事故直後には5%まで低下した自己資本比率も2016年3月時点では16%を超え、事故前の水準に近づきつつある。

 だが、本当の意味で東電は黒字化を達成したとは言い難い。事故後に計上した損失の多くは災害に伴う特別損失であり、一連の決算には事故の損害賠償は反映されていないからだ。損害賠償に必要な資金は事実上政府が肩代わりし、これを東電が長期にわたって返済するというスキームがすでに確立しており、財務体質が悪化しないよう工夫されているのである。

 政府は2011年9月に「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を設立し、機構を通じて巨額の賠償費用の立て替えを行っている。東電はすでに賠償費用約6兆円を損失に計上したが、その分は機構から交付された交付金で相殺する形になっており、同社の決算に影響を与えない仕組みになっている。最終的な賠償費用は東電が長い期間をかけて負担金という形で機構に支払いを続けていくことになる。

 それだけではない。廃炉費用はこれまで費用の総額がはっきりしていなかったことから、正式な債務としては認識されておらず、同社のバランスシートには計上されていなかった。だが、ここで廃炉の費用が大幅に増大するということになると話は変わってくる。4兆円の廃炉費用の負債計上リスクが一気に高まってくるのだ。

 経済産業省は2015年に省令を施行し、廃炉会計のスキームを措置しているが、これは廃炉に伴う減損が対象であり、長期にわたって発生する廃炉費用を念頭に置いたものではない。

 このところLNG(液化天然ガス)の価格が下落していることから、電気料金は下落傾向を強めており、今後、収益が大幅に拡大するシナリオは描きにくなっている。同社の2016年3月期の純利益は1400億円しかなく、東電の経営努力だけで廃炉費用の追加原資を捻出するのは難しいだろう。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-11-08 06:25 | 東電 出鱈目 資本 | Comments(0)