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by 幸田 晋

廃炉作業の最難関、「デブリ」は取り出せるか

廃炉作業の最難関、
「デブリ」は取り出せるか


東洋経済オンライン 2/5(日) 6:00配信より一部

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170205-00156995-toyo-bus_all

 原子炉の炉心から溶け落ちた燃料(燃料デブリ)の取り出しは、東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所事故の廃炉作業の中でも最も困難とされている。その第一歩となる、ロボットによる原子炉格納容器内の調査が近く始まる。

 東電の廃炉作業の行程を定めた「中長期ロードマップ」では2017年度に、各号機ごとのデブリ取り出し方法を決めるとされている。それだけに今回実施される1、2号機の調査でどこまで有益な情報が得られるかが鍵を握る。
その難関を乗り越えることなしに、
2021年からとされているデブリの取り出しはできない


■台座の内側を初めて映し出す

 東電は1月に入り、福島第一原発2号機に、長さ10.5メートル、直径11センチメートルのさお状の「ガイドパイプ」を、作業に用いられる貫通口から格納容器内部に投入。その先端に付けたカメラを動かすことで、さらにその先にある「ペデスタル」と呼ばれる原子炉圧力容器を支えている台座の内側の状態が初めて映像として映し出された。

 圧力容器の下部からしたたり落ちる水滴は、圧力容器そのものに亀裂がある事実を物語っている。格納容器内の作業エリアの床の一部が抜け落ちている一方、残った部分ではこんもりとした堆積物が見つかった。

 「グレーチング」と呼ばれる格子状の床の脱落や、大きくくぼんでいたりしている映像からは、燃料デブリが落下して鉄製のグレーチングを溶かして格納容器の底に落下した可能性をうかがわせる。

サソリ型ロボットを投入

 ただ、これまでの調査は、新たに開発したロボットを投入するうえでの事前調査の位置づけにとどまる。そのため東電では燃料デブリが溶け落ちた可能性について「現時点では確たることは言えない。ロボット調査による検証が必要だ」(岡村祐一・原子力・立地本部長代理)としている。2号機では今後、新たに開発されたサソリのような姿形のロボットの投入でデブリの存在を確認できるかが焦点になる。

 もっとも、本番となるロボット投入には困難が待ち受けている。というのは当初の計画では、直径5メートルのグレーチング上を走り回り、さまざまな場所で圧力容器下部やグレーチングの真下の状態を撮影してデブリのありかを特定するはずだった。しかし、走行ルートに穴が空いていることが判明。走行計画の大幅な縮小を余儀なくされる可能性が高まっているのである。

・・・(中略)

 格納容器内部の放射線量はケタ違いに高い。2号機の事前調査では、画像からの解析データではあるが毎時530シーベルトという値が報告された。
実測しなければ正しい値はわからないが、
毎時500シーベルト以上というレベルは
人間が数分で死に至る線量だ。

いずれにしても、
格納容器内に作業員が入ることはできず、
ロボットによる遠隔操作にならざるをえない。
とはいえ、ロボットを入れる際には人力が頼りだ


 デブリの存在が確認できたとしても、取り出すには相当の困難が予想される。格納容器の止水はもとより、燃料デブリの切削や容器への収納、取り出したデブリの保管や処分など、いずれの技術も未確立だ。誤って格納容器内の閉じ込め機能を喪失させると、放射性物質の汚染が外部にも広がる。このことは絶対に防がなければならない。

 40年とも、それ以上とも言われる廃炉作業は、事故から6年にして重大局面を迎えている。
by kuroki_kazuya | 2017-02-06 06:45 | 東電 出鱈目 資本