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by 幸田 晋

廃炉のタブーが現実味 福島第一原発事故から6年、原発ルポ

廃炉のタブーが現実味 

福島第一原発事故から6年、
原発ルポ


〈AERA〉

dot. 3/1(水) 7:00配信より一部

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170228-00000064-sasahi-soci

 原発事故から6年。溶けた燃料取り出しは困難を極め、汚染水もたまり続ける。廃炉作業における石棺化や汚染水の海洋放出などタブーへの直視が迫られている。

 晴れ間が広がった2月上旬の月曜日。日本記者クラブの取材団に参加し、東電福島第一原発の構内に入った。いくつものチェックゲートを通過すると、1~4号機の原子炉建屋を一望できる高台にバスで案内された。

「建物の中には放射性物質が充満しています」

 東電担当者が指さした先には、水素爆発で原子炉建屋上部が吹き飛んだ1号機が間近に見えた。1号機の原子炉建屋の最上階では鉄骨があめ細工のように折れ曲がり、事故当時の無残な姿をさらしていた。目線を南側にある3号機に移すと、分厚いコンクリートの壁がぼろぼろに崩れ、鉄筋がむき出しになった原子炉建屋が見えた。

 その間にある2号機の原子炉建屋。炉心溶融は起こしたが、爆発をまぬがれ、事故前の姿をかろうじてとどめていた。

 この2号機での廃炉に向けた作業が最近注目を浴びた。1月末、遠隔操作によるカメラで調査したところ、2号機の原子炉圧力容器の下にある足場で、溶けた核燃料(デブリ)のような黒い塊が確認されたからだ。

 溶けた燃料は、周辺機器のさまざまな金属などと混じりながら、圧力容器の下に流れ落ち、格納容器の底に落ちていると見られる。専門家によっては、飛び散って周辺にこびりついているのかもしれないという見方もある。

●過去最大の放射線量


 2月9日の調査では、格納容器内のカメラの画像を解析し、最大で毎時650シーベルトという推定放射線量を記録した。16日には前後に2台のカメラを設置した調査ロボット「サソリ」が格納容器内に投入されたが、堆積物に阻まれ途中で動けなくなった。
この時に毎時210シーベルト
という実測値では過去最大となる
放射線量を記録した


1999年に茨城県東海村で起こった
民間ウラン加工施設「JCO」の臨界事故では、
亡くなった2人の推定被曝(ひばく)線量は
16~20シーベルトと6~10シーベルトだった。
このレベルをはるかに超える線量だ。
デブリ近傍では
数千シーベルトに達するとの見方もある


 廃炉作業の進捗について、福島第一原発の内田俊志所長は「これまでは汚染水対策など周辺のことを一生懸命やってきた。山を登り始めたところだが、少し先が見えてきた」と話した。福島第一原発では、格納容器内にあるデブリの確認や回収という本丸になかなか切り込めないため、外堀を埋める作業に終始せざるを得なかった。

 一方で、写真に写っている堆積物や高い放射線量は、燃料デブリ由来ではないと見る専門家もいる。エネルギー総合工学研究所原子力工学センターの内藤正則副センター長は、「堆積物はアルミの保温材や電線の被覆材が高温で溶けて飛散し、それが鉄製の足場にこびりついたのではないか。高い放射線量も付近の配管内にある放射性物質がこびりついているためと考えられる」と話している。いずれにせよ、直接確認するまでは、デブリがどんな状態になっているのか、誰にもわからない。

●見え隠れする「石棺化」

 東電と国は2018年度にデブリ取り出しの方法を決め、21年に1~3号機のいずれかでデブリの取り出しを始める計画だ。こうした廃炉の方針をめぐって昨夏、議論が巻き起こった。

 国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が作成した「技術戦略プラン」で、燃料を取り出さずに覆いで囲う「石棺」に触れた。技術プランは廃炉作業のロードマップの指南書のような位置づけだ。このため自治体や県から、「廃炉断念の布石では」などと疑念や反発の声が上がり、内堀雅雄・福島県知事が経済産業大臣に対して「到底容認できるものではない」などと抗議する事態に至った。

 文案では当初、石棺について「原子炉建屋の補強などによる当面の閉じ込め確保に効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難である」などと、否定する文脈で使われていたが、最終的に削除された。

 石棺は、86年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で取られた対応だ。とりあえずの応急措置として、爆発でぼろぼろに壊れた原子炉建屋を、突貫工事でコンクリートで覆った。

 もっともチェルノブイリ原発では、近年、老朽化から、この石棺が倒壊する恐れも出てきた。日本と欧米による国際基金が作られ、石棺を覆う新たなシェルター建設が進んだ。今後、廃炉作業を進める方針だが、具体的な計画があるわけではない。同原発の担当者は13年の筆者の取材に対して「100年かかる可能性もある」と話した。当時、ようやく石棺内の放射線量や温度を常時監視するシステムが整備されたところだった。

●100年単位の核管理

 福島第一原発でチェルノブイリのような石棺は考えられていない。ただ、専門家の間には「選択肢としてあり得る」といった見方は少なくない。
吉岡斉・九州大学教授(科学技術史)は
「福島第一原発も当面石棺化するしかない。
発熱量がわずかなので、
何らかの事故があっても核物質の再燃はまず起こらない。
100~200年経過すれば、
放射線量は相当減るので、
その時点で高濃度の物質の
取り出しを考えればいい」と指摘する


 原発の推進、反対の立場を問わず聞こえてくるのは、「デブリは確認できても取り出すのは難しいのではないか」との見方だ。東電は廃炉期間を30~40年とするスケジュールを掲げるが、さらに長期化する恐れは十分ある。長期管理も含めた石棺の可能性を否定するだけでは、ふたたび疑念が生じる。正面からとらえて、議論をすべき時期を迎えている。

 福島第一原発の敷地内はもはやタンクだらけで、何か別の化学工場の中にいるような気分になる。それというのも、日々、タンクに入れる汚染水の発生が絶えないためだ。

 第一原発では、事故直後から、溶けた燃料を冷やすため、1~3号機の建屋に水を注入し続けている。注入された水は溶けた燃料にふれて汚染されるが、地下水なども流入してくるので、入れた量よりも多くの汚染水が出てくる。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2017-03-02 06:45 | 東電 出鱈目 資本 | Comments(0)