スキーにはまっています。


by 幸田 晋

東京電力は経営者としての自覚も能力もない人達が経営していたことが分かった

東京電力は経営者としての自覚も能力もない人達が
  経営していたことが分かった

     冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3119】
2017年7月4日(火)午後 08:50
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.東京電力は経営者としての自覚も能力もない人達が
 |  経営していたことが分かった
 |  九電や四電・関電の経営者も同じではないかと恐ろしくなる
 |  6/30福島第一原発事故刑事訴訟初公判に思う
 └──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)

◎ 強制起訴が決定してから約1年半後にやっと開かれた刑事訴訟第1回公判の
傍聴券を得るために7時35分ころに東京地裁に着きました。
 傍聴券を得るための抽選券(リストバンド)をもらって待機所に行ってみると
すでに大勢の人がおりました。私の番号は12164番なので、164番目に来たと思い
ました。
 公判が10時から5時までという時間で設定されており、逆算して抽選券の配布
を7時半から8時20分の間と決めたらしいです。福島の多くの人達は朝4時に出
発するバスに乗って10時に地裁到着予定ですから、抽選に当たった場合は、福島
から来る人に譲ろうと考えていました。

◎ 東京地裁104号法廷の104傍聴席のうち50席はプレス用にリザーブされている
と聞きました。1社あたり2席と聞いて、25社も来るのかと思いました。
 しかし、相当数来たことは確かです。朝9時から地裁の正門前で行われた刑事
訴訟支援団の集会には、ドイツテレビ協会ARDもいました。大きなカメラを担
いで3人がかりでインタビューをしていました。NHKのインタビューに答えた
人もいました。読売新聞、テレビ朝日、フランス通信(AFP)、東京新聞、共
同通信、アワープラネットTVも来ていました。
 抽選券をもらった人は700人以上いたそうです。私の知っている人では、木幡ま
すみさんが当たりました。千葉の裁判を支援しているNさんも当たりました。彼
女は福島からバスで来た千葉の裁判の原告に譲りました。

◎ 9時からの集会の最初の挨拶は、例によって支援団団長の佐藤和良さんでし
た。「事故後7年たってやっとこの日を迎えました」と感極まった挨拶でした。
私も、本当によく刑事裁判に持ち込めた、ほとんど奇跡だと思います。相手は、
証拠が山ほどあっても起訴しない検察庁ですから(一方証拠がなくとも、無理や
り自白させて起訴するのが検察ですが)検察審査会はよく2度も(違うメンバー
の審査員で)11人中8人以上の賛成で起訴相当を出したと思います。
 「市民が明らかにした 福島原発事故の真実」という彩流社ブックレットに詳
しく述べられていますが、海渡雄一弁護士がこれまでも、東電株主代表訴訟の時
などに言っているように、検察審査会の市民が膨大な資料の中から証拠を見つけ
出して、起訴相当と結論したもので、「予見可能性」と「結果回避可能性」を十
分証明する証拠はそろっています。

◎ 15メーターを超えるような津波は予見可能だったという証拠だけでなく、東
電は一度「10メーターの敷地基盤の上に10メーターの防潮堤を建設して津波対策
を行い、すべてのバックチェックを2009年6月までに終了するという結論をだし
ていた」という証拠もそろえていますから、いまさら「予見可能性を争う」とい
う新聞の報道はおかしいと思います。
 被告東京電力は10メーターの防潮堤建設は決定したのではなく、単なる「試算
だった」といったそうですが、2007年には社内の土木グループに検討させ、
2008年には東電設計という子会社にシュミレーションによる数字をださせて、そ
の結果が南側だけでなく3方向を囲う防潮堤建設という結論に至ったわけですか
ら、「試算」にとどまったわけはありません。
 この日の証拠確認では、そうした結論に至ったことを示す多くのメールも出て
来たそうです。

◎ 勝俣元会長は、「権限がなかった、経営権がなかった、原子力部門の経験な
く専門的知識がなく、14メーターを超える津波の可能性を吉田部長から聞いた時
も理解できなかった」、と証言したそうです。
 武黒元副社長は、自分はフェローという地位で技術的問題をアドバイスする役
割だから責任はないと言ったそうです。
 武藤元副社長は、権限がなかったとは言わなかったそうです。「文科省傘下の
地震調査研究推進本部の長期評価は多くの専門家の肯定的評価を得ていなかった
ので、より信頼性のある土木学会に再評価を依頼した」という決まり文句を繰り
返したようです。
 すでに時間稼ぎの先送り策と判明している陳腐な言い訳ですが、他の2人より
はましかもしれません。

◎ 「権限がなかった、理解できなかった」などというのは、無能な経営者が重
大な結果をもたらす原発運営会社のトップにいたという恐ろしい事実を示してい
ます。
 多くの破綻会社では、能力ではなく口先三寸でトップにたどり着いた経営者が
会社を傾かせたことがわかっていますが、原発を動かしている電力会社がそのよ
うな経営者だったと思うと、ますます九電や四電・関電も同様ではないかと恐ろ
しくなります。

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by kuroki_kazuya | 2017-07-05 06:15 | 核 原子力