スキーにはまっています。


by 幸田 晋

日本原子力研究開発機構(JAEA)をこき下ろす原子力規制委に騙されてはいけない

日本原子力研究開発機構(JAEA)を
  こき下ろす原子力規制委に騙されてはいけない

    木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3120】
2017年7月5日(水)午後 09:14
地震と原発事故情報
より一部

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┗■2.日本原子力研究開発機構(JAEA)を
 |  こき下ろす原子力規制委に騙されてはいけない
 |  田中俊一委員長も更田次期委員長もJAEAの中枢で活動
 |  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その139
 └──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 「もんじゅ」、常陽、大洗が日本原子力研究開発機構(JAEA)が非常にひど
い組織であることを明らかにした。
 そればかりか次の場面では、JAEAの組織としてのひどさを明らかにすると
ともに、JAEAをこき下ろす規制委が点数を稼いでいる。

・「もんじゅ」のずさん管理(点検漏れ多発)への文部科学大臣へ勧告
・高速実験炉「常陽」の定格割引申請(140メガワット→
 100メガワット)への審査保留
・大洗事故(プルトニウム杜撰管理、作業者被ばく)への立ち入り検査

 しかしながら、実は原子力規制委員会の委員たちは実は、天に唾を吐いている
のだ。
なぜなら、田中委員長も更田委員長代理(次期委員長)もJAEAの前身である日
本原子力研究所の出身者でありJAEAでも活躍してきた人なのだ。


田中俊一委員長の略歴を原子力規制委員会サイトから紹介する。
 昭和42年4月日本原子力研究所入所
 平成4年4月日本原子力研究所原子炉工学部遮蔽研究室長
 平成9年4月日本原子力研究所企画室長
 平成11年4月日本原子力研究所東海研究所副所長
 平成14年7月日本原子力研究所東海研究所長、理事
 平成16年1月日本原子力研究所副理事長
 平成17年10月(独)日本原子力研究開発機構特別顧問

また、更田委員も次のように紹介されている。
 昭和62年4月日本原子力研究所入所
 平成13年4月日本原子力研究所企画室調査役
 平成15年4月日本原子力研究所安全性試験研究センター
       原子炉安全工学部燃料安全研究室長
 平成17年10月(独)日本原子力研究開発機構安全研究センター
         原子炉安全研究ユニット長
平成22年4月(独)日本原子力研究開発機構安全研究センター
        副センター長
平成24年4月〜9月(独)日本原子力研究開発機構
           原子力基礎工学研究部門副部門長

 すなわち、日本原子力研究所(日本の原子力平和利用の推進を目的として、
1956年に設立、略称は原研)と、動力炉・核燃料開発事業団(高速増殖炉および新
型転換炉の開発を専門とする事業団として1967年発足、略称は動燃)から、2005年
に日本原子力研究開発機構(JAEA)に再編されたのだが、現・田中委員長は東
海研究所の所長や原研の副理事長やJAEAの特別顧問を歴任、次期更田委員長
も原研のユニット長やJAEAの副センター長などを歴任。二人とも現JAEA
の中枢で活動してきた人なのだ。
 更に、田中知委員は、日本原子力学会会長を務め原研やJAEAに寄与してき
たし、伴信彦委員も昭和63年4月に動力炉・核燃料開発事業団に入社(平成5年ま
でに退社)している。
 私たちは、JAEAをこき下ろす規制委に騙されてはいけない。彼らは、蛇と
同様に、おのれのしっぽを噛んでいるのだ。


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┗■3.小さな地震にも注意!地滑りが引き起こす大津波
 |  地震が津波を生まなくても地滑りの振動は長い周期を
 |  持っているので共振によって大きな津波が生まれる
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識その204
 └──── 島村英紀(地震学者)

◎小さな地震でも大きな津波を引き起こす可能性が指摘されはじめた。
 先週、グリーンランド中部の西海岸にある寒村ヌーガーツィアク村がいきなり
津波に襲われて4人の村人が津波にさらわれて行方不明になった。人口100人とい
う小さな村だったから、4人はとても大きな数字だ。家も11棟が津波で流された。
 北極圏のグリーンランドでは内陸は厚い氷河に覆われているから、海岸近くの
狭い場所にしか住めない。その村のひとつが襲われたのだった。
 この近辺はめったに地震が起きない。いままで起きた地震もマグニチュード(M)
4クラスのごく小さい地震だった。
 先週もM4.1の地震が起きていた。だが通常は、M4クラスの地震が津波を起こ
すことは、まずない。このため、地元の警察も津波の原因についてはなにも発表
しなかった。

◎津波は海底が動くことで生まれる。普通は地震を起こす「地震断層」が浅くて
海底面に顔を出していると大きな津波を生じる。地震が大きいほど、大きな津波
が生まれる。2011年に起きた東日本大震災はM9で地震断層は南北400キロ、東西
150キロにも拡がっていた。この大きな地震断層が海底を動かして大津波を生んだ。

◎だが近年、ニュージーランドで、小さな地震が地滑りの引き金を引いて津波を
起こす可能性が指摘されるようになった。
 ニュージーランド南島の中部にテカポ湖がある。約80平方キロ。十和田湖より
も大きく、日本でいえば5番目の大きな湖だ。湖底を調べたら、半分もが、かつ
て地滑りが起きた結果の堆積物で覆われていることが分かった。それほどまで地
滑りが多かったことになる。大きな地震の数よりもずっと多い地滑りが起きたの
だ。これらの地滑りはかつて数多くの津波を起こしてきたに違いない。
 テカポ湖は観光客に人気のスポットで、昼は絵のように美しく、夜は満天の星
空が素晴らしい場所だ。ユネスコの星空保護区にも指定されている。
 地滑りには、陸上から地滑りが海に流れ込むことでも、あるいは海底で地滑り
が起きることもある。どちらも津波を起こす。

◎地震による震動の周期は東日本大震災のように地震が大きければ大きいが、地
震が小さければずっと短くなる。たとえばM4の地震では5分の1秒より短い。
 他方、地滑りが起こす海水の動きは周期が数秒以上だ。たとえ地震が引き金を
引いた地滑りでも、その地震の周期には関係ない。
 このため、たとえ地震が津波を生まなくても、地滑りの振動は長い周期を持っ
ているので共振によって大きな津波が生まれることになる。
 グリーンランドの津波は、「小さな地震が起こした大きな津波」だった可能性
が強い。世界のほかのところでも起きるかもしれない。
 日本でも18世紀に地震が起こした地滑りが九州・有明海に流れ込んで大津波が
発生して15000人もが亡くなったことがある。他人事ではないのだ。

(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
 「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より2017年6月30日の記事)

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by kuroki_kazuya | 2017-07-06 06:15 | 核 原子力