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by 幸田 晋

小池知事「核武装容認」サイトから削除? 検証ツールで確認してみた 消えた「核武装」は発見、でも…

小池知事「核武装容認」
サイトから削除? 

検証ツールで確認してみた 

消えた「核武装」は発見、でも…


withnews  10/8(日) 7:00配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171006-00000004-withnews-sci

 小池百合子・東京都知事が、希望の党の立ち上げのタイミングで、公式サイトから核武装の容認論を含む過去の主張を削除した、と先月末、ネットで話題になりました。一部ネットメディアは「選挙に向けて過去の主張をリセット」と疑い、「 #希望の党 を反原発に見せかけるため」というツイートを紹介した記事もありました。でも、そもそもこれ、本当ですか? コアなネットユーザーに人気のツール「Wayback Machine」で検証しました。

世界中のサイトの「過去」が分かる

 「Wayback Machine」は、全世界のウェブサイト情報を自動収集、保存しているデータベースを持っており、調べたいサイトのURLを入力すると、そのサイトの過去の姿が見られる、というサイトです。全部英語ですが、使い方は簡単です。

 ではまず、小池さんのサイトが本当に「希望の党」立ち上げとともに過去の主張を削除したのか、調べてみます。まず、今の小池さんサイトを見ると…

 10月5日現在、確かにサイトにはほとんど情報がありません。トップページからリンクされている先はほぼ、外部サイトです。でも、「2016.10.11ホームページを公開いたしました」と書いてあります。

「希望の党設立で削除」は間違い

 え、去年じゃん。「希望の党立ち上げとともに一新し、過去の主張を削除」の一部ネットメディア情報はウソでしょうか? いやいや、日付を書くだけなら後からでもできますから… まずは、小池さんのサイトの過去の姿を見てみます。

 「Wayback Machine」の検索欄に、小池さんサイトのURL「https://www.yuriko.or.jp/」を入力し、「BROWSE HISTORY」(なんか格好いいですね)ボタンをクリック! すると、何やら年代ごとのグラフのようなものが出てきました。

 これ、「Wayback Machine」が過去、小池さんのサイトをアーカイブした回数の1カ月ごとのグラフです。遅くとも1999年から、小池さんはサイトを持っていたようですね。さらに下にあるカレンダーで「○」の付いた日をクリックすると、その日にアーカイブされたサイトの姿が表示されます。

 今年の3月14日をクリックすると…いや、今日(10月5日)とほとんど変わりません。フェイスブックの更新情報が少し、入っているだけですね。

 ここで、「希望の党立ち上げとともに削除」という一部ネットメディアの情報は、間違いだと分かりました。いやはやです。


更新は昨年10月でした

 試しに昨年10月26日のアーカイブを見ると、今とは別の写真と自民党公式ページへのリンクはあるものの、ほかは今と変わりません。その前にアーカイブされた10月2日は「リニューアル中、乞うご期待」とのみ、書かれていました。

 アーカイブされた日付のサイトの姿しか分かりませんが、昨年10月11日にリニューアルオープンした、という現在のサイトの記述は、「Wayback Machine」に残る記録とは矛盾していませんでした。

消えた「核武装」は発見

 さて、今度は「核武装」です。本当に小池さんは昔、そんな主張を自分のサイトに載せていたのでしょうか?

 ネットメディア掲載の情報によれば、これは「日本有事3つのシナリオ」と題され、雑誌掲載された小池さんの対談記事のようです。掲載は2003年3月号。では、当時の小池さんサイトに行ってみます。

 今度は… あ、ありますね。「日本有事3つのシナリオ」。このリンクをクリックすると… きちんと中身が表示されます。

<小池 軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうるのですが、>(Wayback Machineにより2003年にアーカイブされた小池都知事のサイト)

お、ちゃんと「核武装」語っておられました! 
過去にアーカイブされたページでリンクをクリックすれば、
ちゃんと当時のままのリンク先に飛べるのも、
「Wayback Machine」の便利なところです


 さて、そろそろ「Wayback Machine」の操作の一挙一動をお読み頂くのは申し訳ないので、結論だけお伝えします。

 この「日本有事3つのシナリオ」の掲載ページはその後、URLが多少変わりながらも存続し、最後に私が小池さんのサイト上で確認できたのは、昨年7月でした。少なくとも、その後の都知事当選、サイトのリニューアルを経て、削除されたということが分かりました。

 削除の理由を聞こうとここ数日、小池さんの事務所に何度か、電話を入れたのですが、誰も出ません。と、いうわけで、「なぜ削除したのか」は聞けませんでした。


Wayback Machine「米で裁判証拠」の信頼性

 とはいえ、10月22日投開票を控えた衆院選の台風の目になっている「希望の党」代表もつとめる都知事が、1年前とはいえ、「核武装容認」を含む過去の主張をサイトから消していた、というのは気になりますよね。これだけでも議論のタネにはなりそうです。

 が、その前に、「そのWayback Machineというのは、本当に信頼できるのか?」とおっしゃる方もいるかもしれません。

 そこで、ネット情報の保存を社会的観点から研究する元愛知大教授、東京大学高等客員研究員の時実象一さんに伺いました。時実さんは「Wayback Machine」を運営する米国の非営利団体「Internet Archive」創設者にインタビューし、専門誌に報告するなど、このサイトにはかなり前から注目しています。

 さて、信頼性はどうなのでしょうか?

「Wayback Machineは、
過去のウェブページが検索できる世界で唯一のサイトです。
米国ではすでに、
検索した過去のサイト情報が、
裁判の証拠としても使われています」

ネット網羅、3千億ページを保存


 「Internet Archive」のサイト内の記述によれば、1996年の設立以来、各年代の計約3千億ページを保存してきました。

 時実さんによると、データベース収容情報を都度、呼び出して作成されるページや、パスワードロックされたページ、ロボットによる情報収集を拒む設定をしているサイトを除けば、「Wayback Machine」はほぼすべてのネット情報にアクセス。ロボットとの相性で保存できてないページもありますが、Twitterなど一部を除く世界中の全ウェブ情報が、「Wayback Machine」で検索できる状況になっているそうです。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2017-10-09 06:45 | オンブズマン