スキーにはまっています。


by 幸田 晋

意見陳述書−政府はなぜ子どもたちの命を守らないのか 

意見陳述書−政府はなぜ子どもたちの命を守らないのか
  大飯原発3、4号機運転差止訴訟・控訴審2017年1月30日
木田節子 (原告・福島県富岡町から茨城県水戸市に避難)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3062】
2017年4月25日(火)午後 09:53
地震と原発事故情報より一部

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┗■2.意見陳述書−政府はなぜ子どもたちの命を守らないのか
 |  大飯原発3、4号機運転差止訴訟・控訴審2017年1月30日
 |  名古屋高等裁判所金沢支部第10回口頭弁論 (上)(2回連載)
 └──── 木田節子 (原告・福島県富岡町から茨城県水戸市に避難)

(1) はじめに
◎あの忌まわしい東日本大震災から、間もなく6年になります。毎年3月になる
とテレビや新聞は、「あの日を忘れない」「被災地はいま」などのタイトルで特
集番組を始めますが、ここ2〜3年は順調に進む復興の話題が多いように感じま
す。
 福島に関しては避けて通れない原発事故の未収束については取り上げますが、
放射能汚染や事故を起こした東京電力が「因果関係はない」と主張する、子ども
の甲状腺がんなど、健康被害について伝えるのは一部の新聞社やテレビ局だけで
す。
 事業を再開したり風評被害払拭に挑戦する農家の方の「泣いてばかりはいられ
ない」「前向きに生きる」と話す姿で締め括られ、それが復興だと言われている
ような気がします。

◎除染の結果もはっきりせず、健康被害には触れず、汚染廃棄物の入ったフレコ
ンバッグだらけの町に帰還することだけが福島の復興なのでしょうか。復興の掛
け声に消され、あまり公にはされていない「福島の今」を、避難住民の一時帰宅
に同行し被災地の写真を撮り続けてきたカメラマンと、私と同じ双葉郡からの避
難者の証言、私の家族の体験から紹介させていただきます。

(2) 福島の今
◎原発災害で避難していた福島県の避難者数は最近のデータでは、9万人を下回
り約8万9000人となりました。
 内訳は県内避難が4万8000人で県外避難者は4万1400人となっています。一番
多かったのは2012年の16万5000人でしたから約7万人が県内に戻ったことになり
ます。
 この中には強制避難ではない自主避難者が含まれ3月には、避難先の住宅支援
が打ち切られてしまうため、仕方がなく戻るという人が今後さらに増えるかもし
れません。また、震災前は200万人だった福島県の人口は現在190万人に減少して
しまった。

◎仮設住宅やみなし仮設住宅(民間の賃貸住宅を県が借り上げたもの)を出たらど
うするかの問題があります。公営復興住宅は家賃が必要となり、山間部の村から
大きな町に避難した70代80代の方の中には年金が月に3〜4万という人も多く、
家賃を払うと暮らせなくなるため仕方なく未修理の家に戻るという人もいます。
 元々、農家をしながら現金収入のために原発で働くようになった人も多く、社
会保険加入のない非正規労働であった人ほど現状は厳しいようです。
 その仮設住宅では、自治会長さんがNPO法人を立ち上げお米や食料品の支援
を呼びかけています。現金収入を得るために除染の仕事に通う人もいます。

◎避難区域は帰還困難区域、居住制限区域、帰還準備区域に分けられていますが、
これは放射線量で決められた訳ではなく行政区で線引きされています。川や道路
を一本挟んで向かいは警戒区域のまま、こちらは帰還できる町という訳です。そ
の場合、精神的慰謝料がもらえる、もらえないの差が生じ住民間の分断が起きて
います。

◎私の住んでいた富岡町には県内でも有名な桜のトンネルがありますが、その桜
通りの右側は警戒区域のまま、左側は帰還解除となっています。放射線量にさほ
ど違いはないようです。

◎原発避難者は金がもらえる、億万長者が何人もいるなどと言われることも多い
ようですが、賠償は土地面積や家屋の築年数、暮らし向きによってまちまちです。
 住み替えをするにも、帰還が決まれば町に残した自宅と転居先の家にも課税さ
れ、知らずに家を建てた人たちは、持ちたくもないのに別荘を持たされたような
もんだと嘆いています。土地と家の賠償にはローンの補償は入っておらず、震災
以降も返済義務があります。

◎置き場のない除染ゴミや震災ガレキ処分のためにあちこちに焼却炉が建設され、
焼却灰は1キロ8000ベクレル以下のものをフレコンバッグに詰めてにコンクリー
トを流したプールの中に直置きです。シートをかけて保管の最終処分場扱いです。
 最近では焼却灰は公共工事で再利用できることになりました。1キロ8000ベク
レルでも1トン入りのフレコンバッグになれば800万ベクレル。そういった事業に
は大手ゼネコンが参入。仮設扱いで建設から稼働、事業終了までで何百億の大判
振る舞い。住民への説明会を開くときにはすでに建設が決まっています。

◎昨年、帰還に伴い助成金制度を利用して農業を始めた若夫婦が2人で自死しま
した。苦労してイチゴ栽培を始めたものの、県内のスーパーでもまだまだ遠方野
菜のほうから売れていくのが実情で、売り場に残された見切りの値段のあまりの
安さに将来を悲観したのではと言われています。
 子や孫が県外避難したなどで、独り暮らしになった年配者の孤独死が多く、死
因は急性心筋梗塞や脳溢血。不明の場合は突然死とされる。突然死は年配者だけ
ではなく60代にも多発している。

◎三春町の高台に住む知人が、「カラスが鳴かない日はあっても救急車のサイレ
ンが鳴らない日はない。三春町を東西に走る国道288号線は原発被災地の双葉町と
郡山市を結ぶ道。イチエフ収束現場の排気塔は、以前は2箇所だった亀裂や腐食
が10箇所に増えた。頻繁に起きる地震のたびに大丈夫か?と心配になる。
 (下)につづく

 (「−若狭の原発を考える−はとぽっぽ通信」2017年4月第216号・「原発設置
反対小浜市民の会」発行より許可を得て転載)

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by kuroki_kazuya | 2017-04-26 06:15 | 東電 出鱈目 資本 | Comments(0)