スキーにはまっています。


by 幸田 晋

長崎 井原さんブログ転載 「不正経理」

長崎県の職員が取引業者との間の不正な関係を暴露され、処分された事件に端を
発して、県の出先機関を含めて全庁的に広がっていた「悪しき慣習」は、県下の市や
町にまで蔓延していた事実が次々に発覚し、問題解決の見通しさえ立たない底知れぬ
深さである。

長崎市でもいろいろな手口の「不正経理」が横行していて、行政不信が拡大している。
発端は、決められた予算を残さぬよう上手に使いきってしまおうとする役人気質から、
取引先との間の小口の金品の貸し借りだった。 しかし、次第に慢性化し、私的な流用や
癒着の構造的犯罪の温床となっていて、そこにメスが入れられているものの、根絶は
困難であろうと私は考えている。

それはなぜか? 市民の皆さんにもよくよく考えてもらいたい。市政は地域に密着しており
、市民の日日の要望に出来るだけ早く応えるには、地場企業の協力が不可欠である。

また、地域の中小零細企業の健全な育成と労働者の働きの場の確保や地域経済維持と
発展に深い関わりがある以上、弱い立場の人々、大企業の陰で苦しむ中小零細
企業や農業、漁業などへの補助や援助は行政の仕事の重要な一部であり、理論的
割り切りだけで情のない政治は、ゆとりも温もりもなくなるからである。仕事の配分に
公平さが必須条件なのを前提として近所付き合い的関係は残らざるを得ないと思う。

だからといって、私的流用などの犯罪的行為は、断じて許さず厳罰に処すべきである。

こんな事件の時、巨悪は常に眠っている事を忘れてはならない。「預け」などの「不正
経理」は、まさに末端の小さな事件であり、末梢にいる小役人が無い知恵を絞った手法
だからである。

おそらくすべての上役は、知らぬ存ぜぬと逃げて形式的な監督責任で幕引きとなる。
数限りなく行われてきた入札妨害事件や談合、議員と業者の癒着、特定の議員と行政
幹部職員とののっぴきならない関係、専決を含め予算に決定的な力を持つ首長の選挙
に絡む業者業界支援と返礼、入札に当たっての業者選定や随意契約や業務委託に
関する「天の声」などは、枚挙に暇がない。いま、福島県知事、和歌山県知事、宮崎県
知事などが逮捕されている

事件は、決して他人事ではないのである。ついこの前、長崎市で逮捕された5人の議員
はすでに堂々と社会活動を行っている。巻き添え食った市の職員は、一生を棒に振った
ままである。

関係が全く無かった全議員や新しく議席を得た議員にも等しくかけられている政治倫理
条例や、電子入札、一般競争入札の拡大、抽選による最低価格の落札率決定などなど、
見積りの方式が次々に改定され、業者の設計積算の能力や努力の成果が、入札に
反映される機会は狭くなっているにもかかわらず、弱小業者のみが泣かされ不正は
収まり無く続く。 事件が表面化して、再発防止の策などが出て、その影響で泣かされる
のは、常に末端であり少数者であり、巨悪は何らの被害もないかのように笑っている。
巨額の事業、不要不急の公共工事などは何のため誰のために誰が取り仕切っている
のかを見てみよう。

諫早干拓、整備新幹線、本明川ダム、南部広域水道などを見ればすぐわかる。企業と
政治と行政の癒着の構造と仕組みが。 だから私は、「預け」などの「不正経理」は、トップ
の政治姿勢で根絶できると喝破しており、末端をいじめる所業ではないとおもっている。

いたずらに時間稼ぎをすることはない。

議員として事件が明るみに出たときだけ、かさにかかって行政責任を問うのはおこがま
しいとの自問自答がある。

さあ、今年も残りわずかだ、県、市の職員たちよ銅座に出て飲もう。町の灯を消さない
努力も仕事の内だ!
by kuroki_kazuya | 2006-12-22 10:34 | 日誌