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by 幸田 晋

30年超の老朽炉原発も…「浜岡だけ」に疑問 逆風かわす狙いか

30年超の老朽炉原発も…
「浜岡だけ」に疑問 
逆風かわす狙いか


産経 
2011.5.7 22:31 より


東京電力福島第1原発の事故以来、
強まる原子力への逆風下で

発表された
中部電力浜岡原発の全面停止要請。

運転開始から30年を超える「
老朽炉」など、
他原発もさまざまな問題点を抱える中、
明確な根拠が示されない要請に、
関係者からは「なぜ浜岡だけなのか。

『反原発』の逆風が他原発へ及ばぬように
するのが最大の狙いではないか」との声が漏れている。


保安院も寝耳に水

「浜岡については、法律を超える判断があった」


菅直人首相が停止要請した翌7日夕。

経済産業省原子力安全・保安院で
会見した西山英彦審議官は、
監督官庁としての戸惑いを隠せなかった。


福島第1の事故を受けて
電力各社に指示した
緊急安全対策の状況を週明けに
公表する予定だった

保安院の幹部にとっても、
発表は寝耳に水。

保安院は急(きゅう)遽(きょ)、
各原発の対策状況を
「適切に実施している」と公表したが、

浜岡原発については
「一層の信頼性が求められる」
としただけで、

京都大原子炉実験所の
宇根崎博信教授(原子力工学)は
「政府内でどんな議論をして、
浜岡原発だけ停止という結論に至ったのか分からず、
原子力安全委員会などが
どんな判断をしたのかも示されていない」と批判する。


老朽化の原発も


政府は、
予測される東海地震の震源域に
浜岡原発があることを理由に挙げた。

だが、
経産省幹部でさえ「
予測は昨日、きょう判明した話ではなく、
東日本大震災で切迫性が増したわけではない。
突然の停止要請の理由としては
根拠が薄いかもしれない」と認める。

また、
全国に54基ある商業用原発では、

福島と同様の
「想定外」の事態が発生する
不安は払拭されておらず、

営業開始から30年以上たつ原発は
19基にも上る。

名古屋大の山本章夫教授(原子力工学)は
「老朽化原発などは、
より一層の安全対策が求められてしかるべきだ」
と指摘する。


スケープゴート

原発立地を受け入れてきた
全国の自治体にも、
停止要請の波紋が広がっている。


「国策として安心安全を実感できると進めてきた。
総理の言うことには従うしかないが、
もう少し地元の意見も聞いてほしかった」

浜岡原発の地元、
静岡県御前崎市の石原茂雄市長は
こう語り、唇をかんだ。


東電柏崎刈羽原発が立地する
新潟県の泉田裕彦知事も

「福島第1の事故では、
停止中の4号機も爆発を起こしており、
単純に停止していれば安全といえるのか。
(停止要請の)前提となる
考え方や基準について、
国には責任ある説明を求めたい」とする。


政府が昨年策定した
「エネルギー基本計画」では、

平成42年までに「
原発を14基以上新設する」
シナリオだったが、見直しは必至。


宇根崎教授は
「国策の転換になるのに、
原子力政策全体を見渡した説明がなされず、
立地自治体は納得しない。
『反原発』の逆風が他原発へ向かうことをそらすため、
浜岡をスケープゴートにしたのではないか」
と疑問を投げかけている。
(原子力取材班)
by kuroki_kazuya | 2011-05-08 03:13 | 核 原子力