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by 幸田 晋

<中国高速鉄道>通常速度で追突か 現場で体験乗車

<中国高速鉄道>
通常速度で追突か 
現場で体験乗車

毎日新聞
7月26日(火)21時53分配信より



 
【中国・高速鉄道車内で隅俊之】

中国浙江省温州市で23日起きた200人以上が死傷した高速鉄道の追突事故で、追突した列車は通常速度の時速115キロ前後で停車していた列車に激突していた可能性の高いことがわかった。ダイヤがほぼ正常に戻った26日、記者は事故現場を通る区間に乗車し、高速列車が事故現場を時速116キロで走行したのを客車内の速度表示で確認した。

また、追突した列車の乗客は激突2秒前に118キロの速度表示を見たと地元紙に証言。
自動列車制御装置が機能しなかったことを裏付けた形だ。
 ◇事故から3日 列車はほぼ満員

 記者は26日午後、事故現場を通過する雁蕩山駅から温州南駅まで上海虹橋駅発アモイ行きのD3203に乗った。16両編成の列車はほぼ満員。200人以上の死傷者を出した大惨事だったが、気に留める様子はなかった。普段からよく利用するという飲料会社の男性社員(28)は「速くて便利。運転再開を待っていた」と語った。

 
最高時速300キロの「中国版新幹線」と違い、最高時速250キロの「動車」と呼ばれるこの高速鉄道は、運賃が安く、経済発展が続く中国では庶民でも手が届く。記者が乗った区間は2等席で24元(約288円)。乗客らは「事故の責任? 大事だが、一度起きただけで乗らないわけにはいかない。仕事にも必要だ」などと話した。

 国威発揚のため、高速鉄道網の整備を急いできた中国当局は25日、追突列車の先頭車両を砕いて埋めたことから「証拠隠滅」と非難され、車両を掘り返す一方、運転を取りやめていた区間を再開。25日は事故現場付近を徐行していたが、26日からは通常のダイヤに戻した。

 記者が乗ったD3203は時速248キロまで加速した後、ダイヤ通り温州南駅の手前を通過。乗客の証言によると、普段と同じように事故現場の手前数キロで時速116キロまで減速。事故現場が見えてきた。すると、乗客が一斉に立ち上がり、「ここだ、ここだ」。高架橋の下に列車の撤去に使われた重機が見えたが、すでに列車の残骸は撤去されていた。

 事故列車が落下した付近だけは土がむき出しになっていたが、列車は徐行することもなく、速度表示は116キロのまま。事故列車が落下する際に壊れた防音壁も修復され、何事もなかったかのように現場を通り過ぎた。

 
中国の高速鉄道には列車の車間が一定距離以下になると列車を強制的に減速・停車させる制御装置が導入されているが、今回は機能しなかったとみられる。また、追突した列車の乗客は「急ブレーキは感じなかった」と証言しており、専門家も上海紙「東方早報」に対し、運転士が温州南駅に停車するために通常の減速はしたものの、緊急ブレーキは作動させなかった可能性を指摘した。

 
中国政府の事故調査班は25日深夜から掘り起こした車両の残骸を、落下現場に放置していた五つの車両とともに温州西駅に移送。既に回収した運行記録装置(ブラックボックス)の解析と合わせて事故原因の解明に乗り出すとみられる。

by kuroki_kazuya | 2011-07-27 01:39 | 学ぶ