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by 幸田 晋

<大震災半年>先見えない苦しみ アンケートににじむ

<大震災半年>
先見えない苦しみ 
アンケートににじむ

毎日新聞
9月8日(木)2時18分配信より


毎日新聞が全国で行った
県外避難者アンケートからは、

故郷を離れた被災者の
厳しい生活実態が明らかになった。

収入を得るため家族が別れ、
二重生活が家計を圧迫する悪循環。

慣れない暮らしに募るストレス。

今も全国で6万人以上の
県外避難者が先の見えない生活に苦しんでいる。


【川口裕之、安藤龍朗】

 アンケートに回答した一人、鴨志田友紀さん(37)は福島県南相馬市原町区で被災した。現在、夫を福島に残し、山形県が借り上げた山形市のアパートで中学2年の長女、莉那(りな)さん(14)、小学3年の長男、聖斗(しょうと)君(8)と避難生活を送る。

 福島第1原発で2回目の爆発があった3月14日、一家で車に乗り福島市の避難所へ逃げ込んだ。そこで事故を報じるニュースを見て、「できるだけ遠くまで逃げよう」と山形市の避難所へ。避難所が6月末に閉鎖され、今のアパートに移った。

 自宅は緊急時避難準備区域に指定された。福島県内で働いている夫、勉さん(39)は、平日は同県相馬市の友紀さんの実家で暮らし、週末に山形へ通う。家族離れ離れの生活がまもなく半年になる。友紀さんは「生活に不満はないが、ふとした瞬間に『何でこんな生活しているんだろう』と眠れなくなる」と話す。勉さんは「今ではこれが生活のリズム」と現状を受け入れようとしている。

 子供たちは転校先で友達もできたが、莉那さんの進学に備えて来春には自宅に帰るつもりだ。しかし、放射性物質を除去する除染作業がどこまでできるのか不安という。友紀さんは「政府が緊急時避難準備区域の指定を解除する前に、東京電力が除染を済ますのが先。個人でできる除染には限界がある」と訴える。

 福島県飯舘村から秋田県内の雇用促進住宅に避難した主婦(40)も村職員の夫を残して子ども3人と暮らす。二重生活で出費はかさみ、自宅のローンも残ったままだ。雇用促進住宅の入居期限は2年間。「その後が決まらず困っている」。子どもについても「男親のように活発さや冒険心を養ってあげることができない」と悩む。

 回答者の半数以上が家族別居で、福島県を中心に夫が仕事で地元に残り、母子で避難するケースが目立つ。「別居で子どもの情緒が不安定になった」(主婦・佐賀県唐津市に避難)との声もあった。

 また、回答者の約7割が感じているストレスの原因は、「これからの生活の不安、原発さえなければ」(女性・神奈川県松田町)など見通しの不透明さを指摘する声が多かった。「自然の無さ」(女性・東京都葛飾区)、「避難先に知り合いがおらず、娘の家族以外と交流がない」(男性・兵庫県豊岡市)など環境の変化や孤立感を訴える声も目立った。



そんな避難者を支えるのは、周囲の温かさだ。

福島県南相馬市から大阪市に避難中の女性(36)は
「初めての土地で、当初は涙が出ることも多かった。
だが、商店街で娘がお菓子をもらうなど良くしてもらい、
今は町になじんできた」などと、
避難先での支援に感謝する声は少なくない。

by kuroki_kazuya | 2011-09-08 02:51 | 核 原子力