スキーにはまっています。


by 幸田 晋

脱原発へのメッセージ -【落合恵子】

脱原発へのメッセージ -【落合恵子】
BLOGOS
2011年09月16日10時54分より


子どもの本の専門店クレヨンハウスをオープンして35年。ほぼ10年遅れて小さな出版社をスタートさせて26年になる。


この夏、絵本が主だったわたしたちの出版物に、ブックレットの刊行が加わった。

「チェルノブイリの事故について、ほとんど何も知らないわたしたちがいます。もっと学びたい」。

若いスタッフが自分たちで企画し、クレヨンハウス東京店ではじまった「朝の教室」。その講師のかたがたの講演をまとめたのが、クレヨンハウスブックレットで、既刊2冊(『食べものと放射能のはなし』安田節子・著、『原子力と原発のきほんのき』上田昌文・著)に続いて、今後続々と刊行されていく。



そのブックレットの創刊の言葉として、悔いをこめて次のような文章をわたしは書いた。

……「知らなかった、知らされなかった、知ろうとしなかったわたしたちが、ここにいる。それらすべてを丸ごと背負って、わたしたちは、いま、ここから、再びのはじめの一歩を踏みださなくはならない」

これは、チェルノブイリ原発事故の直後、わたしが書いた脱原発のメッセージの一部だと、25年たったいま、ひとから教えられた。

あの時も「そう」考えていたのだ。それにもかかわらず、「ここまで」きてしまった。


わたしたちは知っている。決して事故を起こさない機械はなく、老朽化も含めて、原子力発電所がひとたび事故を起こしたら「どう」なるのかも。

自然への畏敬を忘れ、この地震大国に54基もの原子力発電をつくってしまった責任の一端は、他でもないわたしたち大人にある。


かつてクレヨンハウスは、チェルノブイリ原発事故のあと勉強会をし、ささやかながら異議申し立てをしてきた。

しかし、それを持続してこなかった。ほかにやることがいっぱいあって、という言い分けが子どもたちに通るわけがない。責任はきわめて大きい。その反省から、このブックレットを創刊する。

この小さなメディアをつくりつづけながら、「あなた」と柔らかくつながり、共に勉強していこうと思う。もう、「知らないとは、知らされなかったとは、知ろうとしなかった」とは言えない………。
 
この9月19日には、「さようなら原発集会 集まれ五万人」が13時30分から東京・明治公園で行われる。呼びかけ人は、内橋克人、大江健三郎、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔、わたしも参加している。

ご無理のない範囲で、「あなた」も参加してみませんか? 帽子と水と、そして、未来の子どもたちへの思いを手に。(落合恵子)



落合恵子
作家。1945年、栃木県宇都宮市に生まれる。
明治大学英米文学科卒業後、1967年株式会社文化放送入社。

アナウンサーを経て、作家生活に入る。

執筆活動だけでなく、
東京・青山と大阪・江坂に、
子どもの本の専門店[クレヨンハウス]と
女性の本の専門店[ミズ・クレヨンハウス]を主宰。

具体的なスペースを1976年から提案している。

これもまた、文化を明るく拓いていく、
ひとつの方法と捉えているからである。

その一環として、
子どもから文化と教育を考える『月刊子ども論』、

育児と育自を考える『月刊クーヨン』の発行人となる。

たくさんのひとと「楽しく考える」をモットーに、
子どもや女性、高齢者、障がいのあるひとたちの声を、
あらゆる角度から追及している。

最近のもうひとつの関心事は、「食、食べること」である。

もともと「食べること大好き人間」であったが、
ここ数年は「安全なものはおいしい」というテーマで
「食」の問題に取り組んできた。

それが高じて、1992年には、
東京・大阪のクレヨンハウスに、
自然食・有機栽培農産物・無添加食品の店「野菜市場」と、
自然食レストラン「HOME」と「広場」を開設した。

書くだけでなく、行動する作家として、活動したいと考えている。
by kuroki_kazuya | 2011-09-22 03:41 | 核 原子力