TPPに民主党内から強い反対論噴出
2011年 10月 05日
民主党内から
強い反対論噴出
TBS系(JNN)
10月4日(火)19時57分配信より
野田政権に新たな火種です。
政府が交渉参加の是非について結論を急ぐ
TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡り、
民主党内から強い反対論が噴出しました。
4日、野田政権に新たな火種が・・・。
「私たちがやるべきことはたった一つ。
こんなムチャクチャなことをやらせないということ」
(原口一博元総務相)
気勢を上げたのが、
TPP=環太平洋パートナーシップ協定への参加に慎重な議員たち。
およそ50人の出席からは、
すべての品目の関税障壁をなくすことを原則とする
TPPへの参加に、
否定的な意見が相次ぎました。
「国民生活に直結する問題ですから、後でこんなになっちゃったということの絶対ないように、そこは責任とれるのかと」(民主党 ・梶原康弘衆院議員)
「(TPPは)貿易の障壁を減らすのではなく、国の制度の障壁を減らしていく、日本をアメリカの内部に取り入れる、そこにTPPの最大の眼目がある」(民主党・首藤信彦衆院議員)
「これは貿易の自由化の話でも何でもありません。公正なルールの話でもない」(民主党・原口一博元総務相)
党内のTPP反対派が動き出したのは、野田総理が意見集約を急いでいるからです。TPPを巡り、野田総理は日米首脳会談で早期に結論を出す考えを示しました。さらにここに来て、政府は11月上旬に開催されるAPEC首脳会議をひとつの区切りとしたのです。
「当面、今から言うと、ひとつの節目が11月のAPEC 」(藤村修官房長官)
しかし、4日は、閣内の鹿野農水大臣までも異論を示しました。
「日にちを限られた中で限定をして、本当にしっかりした議論ができるのかと」(鹿野道彦農水相)
民主党を二分するTPP参加問題ですが、党の執行部は近く、TPP推進派の前原政調会長のもとにプロジェクトチームを設置して意見をとりまとめる考えです。
そして、その座長に内定したのが、あの人です。
「人っ子一人いないまさに死の町」(鉢呂前経産相〔9月9日当時〕)
福島第一原発周辺の被災地を「死の町」などと表現し、辞任に追い込まれた鉢呂前経済産業大臣。しかし、鉢呂氏は農協に勤務した経験もあり、TPP参加には慎重です。わずか9日間の経済産業大臣の在任中ですら交渉参加に消極的な考えを示していました。
「一番大きいのは農業の再生。関税がゼロになると大きな影響があるのはそのとおり」(鉢呂吉雄経産相〔9月4日当時〕)
なぜ、慎重派の鉢呂氏を座長にするのでしょうか。人選にあたった前原氏は・・・。
「(鉢呂氏は)優秀かつ年季を積んだ方、農業問題にも精通されている。党としてこの経済連携(TPP)について議論をリードしていただいて」(民主党・前原誠司政調会長)
民主党幹部は、前原氏の真意をこう説明します。
「党内をとりまとめるテクニックとして、バリバリのTPP推進派は得策ではない。慎重派でも乗れる人でないと」
鉢呂氏は、割れる党内の意見をまとめられるでしょうか。