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by 幸田 晋

総括原価方式見直し、業界にも波及 東電、迫られる抜本改革

総括原価方式見直し、
業界にも波及 

東電、
迫られる抜本改革

産経新聞
10月4日(火)7時55分配信より


東京電力の資産や経営を調べる政府の第三者委員会「経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士)の最終報告は、東電が最大で8兆6千億円の資金不足に陥る危険を指摘した。立て直しには電気料金値上げが不可欠だが世論の反発は強い。

報告書は東電の経営を“丸裸”にするとともに、
電気料金を決める「総括原価方式」の見直しにも言及。
電力業界全体に波及する形で抜本改革を迫った


 ◆資金不足最大8.6兆円

「料金改定の審査を10年間も受けたことがない
実態を考えれば、
東電には大いにがんばってもらいたい」


下河辺氏は会見で語気を強めた。

電力自由化で料金値下げが
「認可」から「届け出」となった後、
過去数回の値下げでは、
経済産業省による原価適正性審査はない。

地域独占で守られた東電に下河辺氏の不満は大きい。

確かに原価には、
オール電化推進事業や特定団体への寄付金なども含む。


報告書は直近10年間の原価について、
届け出と実績の間に5926億円の乖離(かいり)があると指摘。

「電気の安定供給に真に必要な費用に限定」するよう見直しを求めた。

これは電気事業制度の中で、
他の9電力会社に共通したテーマでもある。



 一方、下河辺氏らの視線の先には抜本的な経営改革もある。報告を受けて東電の特別事業計画策定に着手する原子力損害賠償支援機構は3日、実行部隊となる運営委員会の委員長に下河辺氏を選んだ。

 調査委の査定では、柏崎刈羽原発が稼働せず、値上げもできなければ約8兆6千億円の資金不足が発生。「著しい料金値上げを実施しない限り、事業計画の策定を行うことは極めて困難」だ。しかも福島第1原発1~4号機の廃炉費用の試算は、東電が見積もった6117億円より4700億円多い1兆817億円。東電が支援機構に対して新株を発行する可能性に触れ、公的管理の強化を促したのもこのためだ。

 東電は15%程度の料金値上げを模索しているが、報告書はその必要性に踏み込まず、下河辺氏は「(特別事業計画策定に向け)東電がどうアプローチしてくるかで議論される」と含みを持たせた。徹底的な経営合理化がなければ、料金改定への国民理解は得られないとクギを刺した形だ。

 ◆リストラいばらの道

 ただ、報告書が提示したリストラ達成は東電にとっていばらの道だ。東電から具体的提示がないとして調査委が独自策定した年金削減案は退職者を対象にしたものも含み、OBの賛同も必要となる。

 「産業経済を支えるエネルギーの根幹を担う電力会社として自社のリストラ、全ての効率化に邁進(まいしん)してほしい」。下河辺氏が投げかけた課題に東電はどう応えるのか。西沢俊夫社長は3日、「経営の抜本的な効率化、合理化を進めるとともに、被害者への迅速な賠償の実施に努める」との談話を発表したが、同時に、電力の安定供給と自由競争についての議論を先取りした改革の実行が求められている。(吉村英輝)
by kuroki_kazuya | 2011-10-05 04:00 | 労働