スキーにはまっています。


by 幸田 晋

脱原発デモ ネットが結ぶ

脱原発デモ 
ネットが結ぶ

朝日
2011年10月10日03時00分より


脱原発デモが各地で続く。今まで社会運動に参加してこなかった「アマチュア市民」たちが、インターネットでゆるやかにつながる。組織を持たない人々の怒りを新たなメディアが束ね、路上へと押し出す風景は、米国や中東で起きている若者のデモと相似形だ。


■動員なし、届け出上回る600人行進

 ドンドン、ブブーッ、コンコン。9日夕方、東京・渋谷の公園通りを、太鼓やトランペット、フライパンなど、思い思いの「楽器」を奏でながら、デモ隊が練り歩いた。

 街宣カーの連呼も、シュプレヒコールもない。にぎやかな音を聞いてレストランから出てきた男性店員は「お祭りかと思ったら、デモなんですね」。

 先頭付近で、腰にドラムを下げて行進した河野亜紀さん(39)は普段、ウェブデザインの仕事をしている。4月にデモに初参加し、「こんなに楽しい世界があるんだ」とはまった。

 震災前、デモに対して、学校で苦手なマラソン大会に出るような「動員」のイメージを抱いていた。でも原発へのもやもやした不満を何とかしたい。ツイッターで知ったデモに足を運び、「みんな同じように怒ってたんだ」と分かった。

 IT企業で働く古賀真之介さん(32)は、妊娠中の妻と参加した。「子どもと妻のことを思うと、危険な原発はすぐにも廃止してほしい」。予備校生の下西あす夏さん(19)は「デモは逮捕されそうで怖い」と思っていたが、「自分にできることを」と参加した。友人の多くは無反応だが、ツイッターでデモのことをつぶやき続けている。


 この日、デモを呼びかけた井手実さん(31)は、今回初めて主催側になり、警察への届け出など手続きをした。内装業の傍ら趣味でパンクバンドを組む。常に線量計を持ち歩くなど、脱原発の思いは本物だが、これまで社会運動を担ってきた労組や団体を「プロ市民」とすると、「自分たちはアマチュア」と感じる。

 組織も動員もなく、告知はネットや口コミに頼る。参加者100人と届け出たが、ふたを開けると600人が集まった。予告ホームページの一つには、米ニューヨークの路上で人々が楽器を打ち鳴らすネットの映像がリンクされている。

 硬質な社会問題でも、お祭りのように楽しむノリ。東京で脱原発デモの先駆けとなった4月のデモは、高円寺のリサイクル店「素人の乱」が主催した。店長の松本哉(はじめ)さん(36)は就職氷河期に大学を出たロスジェネ世代だ。放置自転車の撤去に抗議する「オレの自転車を返せデモ」といった遊び心を入れた活動を仲間と続けてきた蓄積が生きた。企業や組合など従来型の組織からはみ出した存在だからこそ、自由なスタイルでデモができる。



 松本さんは、韓国やフランスなどに出かけ、連携を模索する。脱原発デモの映像をネットに流すと、台湾から同じようなデモをしたいと反応があった。米国でのデモも、学生や失業者がネットでつながり、ゲリラ的に活動している点に共感を抱いている。

(西本秀)
by kuroki_kazuya | 2011-10-10 05:05 | 学ぶ | Comments(0)