九電トップ、ダブル辞任へ やらせ問題の幕引き急ぐ
2012年 01月 12日
九電トップ、
ダブル辞任へ
やらせ問題の幕引き急ぐ
朝日新聞デジタル
2012年1月12日03時00分より一部
九州電力は
12日の臨時取締役会で、
真部利応(まなべ・としお)社長(66)と
松尾新吾会長(73)の退任を決める。
トップ2人が
そろって辞任することで
経営刷新に取り組む姿勢をより強調し、
「やらせメール」問題を決着させたい考えだ。
後任の社長に瓜生(うりう)道明副社長(62)、
会長に貫(ぬき)正義副社長(66)が就くが、
失った信頼を取り戻すのは簡単ではない。
「やらせ問題で国民の信頼を損なったのは間違いない。人事も含めた再発防止や信頼回復の活動がどう受け止められるかだ」
枝野幸男経済産業相は11日夕、外遊先のバンコクで記者団に九電人事について問われ、九電の自主的な取り組みを見守っていく姿勢を改めて示した。
真部氏は
昨年末の記者会見で
今年度中に辞める意向を表明したが、
九州経済連合会長を務める松尾氏は
財界人事が混乱するのを避けるため、
6月の任期満了まで続投する考えだった。
だが、九電の実権は
会長である松尾氏が握る。
枝野氏は九電のガバナンス(企業統治)を
繰り返し厳しく批判。
「経営の中心は会長と認識している」とも述べて、
トップ2人の経営責任は免れないとの認識を示していた。
松尾氏の続投に批判が集まれば、
幕引きは難しくなる。
昨年12月に原発がすべて停止した九電は、
火力用の燃料費の負担増が1日あたり10億円を超える。
電力の4割を原発に頼るだけに
原発の運転再開が遅れるほど業績は悪くなる。
これ以上、枝野氏と駆け引きを続ける余裕はなかった。
ダブル辞任で経営刷新のかたちを示し、
新しい経営陣が信頼回復の取り組みを重ねて
原発の早期再開に理解を得る――。
九電はそんな再生シナリオを描く。
経産省も、やらせ問題が収束すれば、
原発事故を起こした東京電力や
橋下徹大阪市長が運転再開に反対する関西電力と比べて、
九電の「地元同意」のハードルは高くはないと見る。
技術系の瓜生氏は火力発電部門の経験が長く、
太陽光や風力といった新エネルギーの導入も担当する。
当面の経営課題に対応するには適任だが、
11月の電気事業連合会での記者会見では、
佐賀県の古川康知事の発言が
「やらせに決定的な影響を与えた」とした
第三者委員会の見解に
「どうしても腹の底、腑(ふ)に落ちない」と反論した。
半年間にわたる経営陣の迷走は、
原発がある佐賀県や地元住民らに
強い不信感を残した。
やらせ問題の原因究明を
うやむやに終わらせる方針を
瓜生氏が改めない限り、
信頼回復は厳しい道のりになる。
(大畑滋生)
・・・・
ダブル辞任へ
やらせ問題の幕引き急ぐ
朝日新聞デジタル
2012年1月12日03時00分より一部
九州電力は
12日の臨時取締役会で、
真部利応(まなべ・としお)社長(66)と
松尾新吾会長(73)の退任を決める。
トップ2人が
そろって辞任することで
経営刷新に取り組む姿勢をより強調し、
「やらせメール」問題を決着させたい考えだ。
後任の社長に瓜生(うりう)道明副社長(62)、
会長に貫(ぬき)正義副社長(66)が就くが、
失った信頼を取り戻すのは簡単ではない。
「やらせ問題で国民の信頼を損なったのは間違いない。人事も含めた再発防止や信頼回復の活動がどう受け止められるかだ」
枝野幸男経済産業相は11日夕、外遊先のバンコクで記者団に九電人事について問われ、九電の自主的な取り組みを見守っていく姿勢を改めて示した。
真部氏は
昨年末の記者会見で
今年度中に辞める意向を表明したが、
九州経済連合会長を務める松尾氏は
財界人事が混乱するのを避けるため、
6月の任期満了まで続投する考えだった。
だが、九電の実権は
会長である松尾氏が握る。
枝野氏は九電のガバナンス(企業統治)を
繰り返し厳しく批判。
「経営の中心は会長と認識している」とも述べて、
トップ2人の経営責任は免れないとの認識を示していた。
松尾氏の続投に批判が集まれば、
幕引きは難しくなる。
昨年12月に原発がすべて停止した九電は、
火力用の燃料費の負担増が1日あたり10億円を超える。
電力の4割を原発に頼るだけに
原発の運転再開が遅れるほど業績は悪くなる。
これ以上、枝野氏と駆け引きを続ける余裕はなかった。
ダブル辞任で経営刷新のかたちを示し、
新しい経営陣が信頼回復の取り組みを重ねて
原発の早期再開に理解を得る――。
九電はそんな再生シナリオを描く。
経産省も、やらせ問題が収束すれば、
原発事故を起こした東京電力や
橋下徹大阪市長が運転再開に反対する関西電力と比べて、
九電の「地元同意」のハードルは高くはないと見る。
技術系の瓜生氏は火力発電部門の経験が長く、
太陽光や風力といった新エネルギーの導入も担当する。
当面の経営課題に対応するには適任だが、
11月の電気事業連合会での記者会見では、
佐賀県の古川康知事の発言が
「やらせに決定的な影響を与えた」とした
第三者委員会の見解に
「どうしても腹の底、腑(ふ)に落ちない」と反論した。
半年間にわたる経営陣の迷走は、
原発がある佐賀県や地元住民らに
強い不信感を残した。
やらせ問題の原因究明を
うやむやに終わらせる方針を
瓜生氏が改めない限り、
信頼回復は厳しい道のりになる。
(大畑滋生)
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by kuroki_kazuya
| 2012-01-12 04:53
| 九電労組