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by 幸田 晋

<東電国有化>2兆円規模の国民負担が生じる懸念も

<東電国有化>

2兆円規模の国民負担が
生じる懸念も


毎日新聞
8月1日(水)0時6分配信より一部

政府は31日、
原子力損害賠償支援機構を通じて

東京電力に1兆円の公的資金を投入し、

50.11%の議決権を取得して
実質国有化を完了した。

東電の経営破綻を回避し、

福島第1原発事故の賠償や、
電力安定供給に支障がないようにすることが目的だ。


政府はリストラなどで黒字転換させた後、
1兆円の公的資本を回収する方針だが、
再建が暗礁に乗り上げた場合、
機構が立て替えている1兆円余りの賠償資金すら回収できず、
2兆円規模の国民負担が生じる懸念もある。


【宮島寛】


「いずれは純粋な民間企業の形に戻ってもらう」。枝野幸男経済産業相は31日の会見で公的管理は「一時的」と強調。しかし、公的資本の回収は「相当長期にわたる」と述べ、

具体的な言及を避けた。


 東電の総合特別事業計画では、電気料金値上げや13年4月からの柏崎刈羽原発再稼働が再建の前提。14年3月期に1067億円の単独最終(当期)黒字に転換し、機構から交付された1兆1168億円の賠償資金返済を始めるとしている。14年3月期の最終黒字にこだわるのは、同期が赤字決算に終われば3期連続赤字となり、取引先金融機関から新規取引の中止を迫られ、資金繰り不安を招く懸念があるためだ。

 
また、公的資本について計画は「早期の回収を目指す」とあるだけで、「賠償資金の返済すら綱渡り。公的資本の返済計画まで立てようがなかった」(機構幹部)のが実態だ。

 計画では、家庭向け電気料金を平均10.28%値上げするとしていたが、値上げ幅は8.46%に圧縮され、時期も2カ月遅れて9月からになった。当初計画から年間840億円程度の収益圧迫が予想される。

 柏崎刈羽原発7基の再稼働も実現できるかどうかは不透明だ。原発1基で年850億円程度の収益を左右するため、再稼働しなかった時の影響は深刻だ。

 
さらに、廃炉や除染の費用が、兆円単位で膨れ上がる可能性があり、綱渡りの資金繰りが続く。「実質国有化は時間稼ぎ。近い将来、賠償責任の一部を国が引き継ぐなど枠組みの見直しが必要だ」(機構幹部)との指摘さえある。枝野経産相も31日、「東電を今後どうしていくかについては、さまざまな選択肢があり得る」と含みを持たせた。

 ◇公的資金回収には厳しい道筋

 過去に公的資金の投入を受け、経営破綻を回避した企業では、日本航空が9月にも再上場を予定し、政府が投入した3500億円の回収が見込まれている。2兆円が投入されたりそなホールディングス(投入時はりそな銀行)も半分以上を返済した。ただ、出資後3年足らずで損失が生じる見通しとなったエルピーダメモリなどの例もある。





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90年代に公的資金を投入された金融機関では、兆円単位の損失が確定し、税金で穴埋めされたケースもある。

直近でも、経営難に陥った半導体大手のエルピーダは09年8月に300億円が投入されたものの、今年2月に経営破綻。

今後、最大280億円程度の国民負担が生じる可能性がある。東電は電気料金の値上げや税金などに支えられて経営を継続するが、賠償や除染費用などの増大で公的資金の回収の見通しはたたない。


【小倉祥徳】
by kuroki_kazuya | 2012-08-01 04:56 | 九電労組