人生の「残り時間」は頭の中に 脚本家・倉本聰さんが語る
2012年 11月 30日
頭の中に
脚本家・倉本聰さんが語る
産経新聞
11月29日(木)15時29分配信より一部
■「残り時間」は頭の中に
--前作の舞台「今日、悲別(かなしべつ)で」の
初演が平成2年。
「失われた20年」が始まったころ。
日本の衰退が止まりません
倉本
「想定」という言葉は、
想像して定めるということでしょう。
つまり「想定外」は
想定がしっかりしていないから起こる。
今の経済界や日本のリーダーは、
目先の利益を追うばかりで、
イメージする力(想像力)が
欠けている気がしますね。
例えば、
明治の元勲はもう少し人間の幅が広かったと思います。
--今回の舞台は、
地方の疲弊も大きなテーマになっています。
個人商店が立ち行かなくなり
“金太郎飴(あめ)”のような同じ光景ばかり
倉本
本当にそうですね。
大阪都構想もいいけれど、
ときどき、「藩の時代」に戻りたい気がしますよ。
北海道も一刻も早く“独立”した方がいい。
(観光地である)富良野だって
空洞化はひどいものですよ。
原因のひとつには、
どの街もJRの駅を中心とした
商店会などの勢力が強く、
車社会になった今も、
「駅中心の開発」という発想から
抜け出せないことがあります。
そんなところをいくら開発しても
街は活性化しませんよ。
--ところで“古巣”の
テレビについてはどうですか?
以前は、
あまりに「経済ベース」になっている
ことを批判されていましたが
倉本
うーん。
テレビはまったく見なくなりました。
だいたいみんな
経済原則に引きずられ過ぎていますよ。
テレビ局も新聞社も政治家もね。
・・・・(後略)