マイナンバー導入で、国民の生活はどう変わる?
2013年 05月 21日
国民の生活は
どう変わる?
エコノミックニュース
5月19日(日)20時1分配信より一部
落語の演目のひとつに「ぜんざい公社」というものがある。
これはある男が、たった一杯の甘いぜんざいを食すために、大量の書類に捺印させられたり、窓口をたらい回しにされたりする、公共機関の手続きの煩わしさを皮肉った噺だが、これが笑いになるのは、実際に「あるある」として、多くの人が似たような経験をし、辟易した覚えがあるからだろう。
ついに5月9日、
すべての国民に番号を割り振る
「共通番号制度」導入のための
法案が衆議院本会議で
自民・公明両党と、
民主党、日本維新の会、みんなの党などの
賛成多数で可決され、
参議院に送られた。
政府は
2016年から
制度の運用を目指している。
共通番号制度、いわゆるマイナンバー制度とは、国民一人ひとりに番号をふり、住所や生年月日、医療費などといった個人情報を1つの番号で管理するシステムのことで、年金や失業保険などの給付申請や受け取り、納税や確定申告などの際、その番号を利用することで書類の添付が不要になるなど、手続きを大幅に簡略化するものだ。
しかし、
この制度が導入されることで実際に私たちの生活は、
具体的にどのように変わるのだろうか。
まずプラス面としては、
何よりも申請や手続きの簡略化が挙げられる。
・・・・(中略)
一方、
マイナンバー制度の導入は
リスクが大き過ぎると懸念する声も多い。
個人情報の漏洩や第三者による悪用、プライバシー保護の観点での問題が指摘される中、これに対する政府の対応や対策は充分とは言い切れない。第三者機関によるチェックや罰則、膨大なデータに対応できる体制など、累積する問題や課題が山積みなのが現状だ。
実際、
すでに同様の制度を導入している
海外諸国では問題が多発している。
たとえば、この制度が広く普及している
アメリカでは
詐欺被害が続発して大きな問題になっているが、
未だに抜本的な改善策を見出せていない。
また、
イギリスでも、
制度を導入しているものの、
個人情報の管理や倫理上の観点から、
廃止を検討しているという。
実際問題として、何か新しいこと、便利なことを導入しようとすると、何かしらの問題が起こるのは当然のこと。メリットとともに新しいリスクが生まれるのも世の常だ。
確かに、マイナンバー制度は便利な制度である。しかし、使い勝手の良いシステムとして定着させるためには、情報管理を徹底する施策も同時に進めていく必要があるだろう。
(編集担当:藤原伊織)