スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「はだしのゲン」貸出禁止にモノ申す!

「はだしのゲン」
貸出禁止に
モノ申す!
 


東洋経済オンライン
8月18日(日)15時5分配信より一部

グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。
しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。
グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 

日本生まれの韓国人であり、
国際金融マンとして、
シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、
経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
 
なに、ついに「はだしのゲン」が禁止される時代が来たか・・・。

 
松江市教育委員会がなんと、
市内にある市立の全小中学校に対し、
あの伝説の名著「はだしのゲン」を
小学生に対して自由に閲覧できない
閉架の措置をとるよう
要請したことが注目を集めている。


これは「教育委員会、何やっとるねん! 」
ですむ問題ではなく、
その背景に根深い
現代社会の“言論の不自由”という問題点がある。

そこで本日も香港の高層ビルの一室から、
せっかくの日曜日で香港ディズニーに行くはずだったのに、
地球の平和を守るため急旋回して出撃しよう。

■ 「はだしのゲン」貸出禁止の背景にあるもの

 
皆様ご存じのとおり、「はだしのゲン」は
実際に原子爆弾を被爆した作者によって
書かれたもので戦争の真実を映し出しており、

当時を知るための資料としても価値が高い。
実際に戦争や原爆の悲惨さを伝える一級資料として、
日本のみならず世界20か国で翻訳されて
読まれ映画化もされてきた。


そこには戦争で焼け野原になり、
罪のない一般市民が殺されるという被害者としての側面と、
戦争の加害者としての両面が鮮明かつ本質的に描き出されている。

 
したがって
戦争の実態を捻じ曲げて教えたい
歴史修正主義の人々に対しては
目の上のタンコブとうことで、

“はだしのゲン”は
歴史を書き換えようとする勢力にとって、
極めて都合の悪い歴史の証拠でもあった。


教育委員会側は
“表現が過激だ”としているが、
何十年の間、何千万の人に読まれた

「はだしのゲン」で、
PTSDになった人でもいるのだろうか。


 
戦後70年の月日を経て、
戦争と歴史の記憶にどう抗うかを考えるときに、
教科書からもメディアからも歴史の実態を消そうという動きがある中で、
メディアや報道機関があまりに無力なのが残念だ。


■ 教科書が染まりゆく、安倍カラー

ちなみに一般の方々は関心もなく、
全然ご存じない話だと思うのだが、

歴史教科書が
安倍政権の政策で
次々と“静かな環境下”で書き換えられている。

“教書検定特別委員会”の結論などというと
中立的な印象があるものの、
実際には、

近代史の記述を“安倍カラー”に
変えるための人員選定がなされている。


表向きは“村山談話を踏襲する”と海外向けには話し、
外から見えにくい内政では着実に歴史の書き換えを進めるという、
安倍政権おなじみの(そして実に上手く行っている)やり方である。

 
教育界の政治思想からの独立は
日本ではもはや破たんしているわけだが、
この危険性は時間がかかり
かつ大人は学校に通わずわからないので、
教育への政治介入は
今後も簡単に見過ごされていくのだろう。







・・・・(中略)







■ 私たちひとりひとりに出来ること

これらの暴力的圧力から言論の自由が守られるよう、
法的整備に向けた世論喚起が急務であるが、

政治家が
自分たちの手足を縛るようなことを
自らするわけもなく、

かといって
今のジャーナリストやメディアに
政治圧力に抗う世論喚起などできそうにない。


結局のところ、
政治や学校に歴史教育を任せず、

市民一人ひとりが
自主的に
“政治や学校、社会的風潮が押し付ける歴史”
以外の史実を自主的に学び、

仮に図書館から「はだしのゲン」が消える日が来ても、
子供に史実を教える責任を痛感せよ、
というのが今回の現実的なメッセージだろうか。

 
今後も苦境と戦争の惨禍にめげず
未来を切り開いたゲンから、
子供たちが学び続けられることを願ってやまない。

ムーギー・キム

by kuroki_kazuya | 2013-08-19 06:47 | 歴史