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by 幸田 晋

さよなら原発・佐賀連絡所、の、 玄海原発3・4号機の安全対策について九電に質問

さよなら原発・佐賀連絡所
佐賀県を中心とした脱原発運動諸団体の連絡所です.

玄海原発3・4号機の
安全対策について
九電に質問


今日(11月21日),九電佐賀支店を通じて提出した,
玄海原発3・4号機の安全対策についての質問書の全文を公開します.
今日のNHK佐賀ローカルで報道されました.

2013年11月21日

九州電力株式会社
代表取締役社長 瓜生 道明 様


さよなら原発!佐賀連絡会
代表 豊島 耕一

玄海原発3・4号機の安全対策についての質問書
 
玄海原子力発電所の重大事故が起これば、佐賀県民だけでなく、近隣地域の住民は福島県民と同様の深刻な被害を受けます。ですから貴社九州電力は、原子力に関しては①県民を被ばくさせないこと、②環境を放射能で汚染させないことを県民に約束してもらわなければなりません。しかし、玄海原発3・4号機は『原発安全神話』の時代に設計・建設されていますから、重大事故に対応できない可能性は高いと思われます。
そのため、もしどうしても原発を再稼動させる考えであれば、少なくとも①原発の設備や機械が、破損や故障で重大事故を決して起こさないこと、②すべての機器が常に動かせるように大電源が確保されていること、③冷却水を確保するための海水ポンプを含むすべての機器が、故障したり破壊されたりして給水不能にならないこと等が必要です。

そこで、九州電力の「絶対(過酷)事故を起こさない対策」(8月8日、佐賀県議会原子力安全対策等特別委員会山元副社長発言)について、どのように準備されているのかを質問します。12月2日までに文書で回答してください。
口頭による回答だけでは曖昧さが残る場合もあり、またその内容を後に検討することにも困難を生じます。また県民には難聴者もいます。NHKや県には文書で回答されていますので、同様の対応をして頂くよう重ねてお願いします。

1 現場で作業する人たちの安全について
重大事故時に現場で作業する人たちの被ばく防止対策はどうなっていますか。また、重大事故対策に従事する職員は、事故に迅速に対応するためにも将来の健康管理が確実に行えるためにも協力会社や下請けの社員ではなく、九州電力の正社員とすることが必要ではないでしょうか。

2 海を汚染しないための対策について
① 核燃料を冷却した汚染水が発生する可能性があるので、あらかじめ放射性物質の除去装置やタンク等を設置しておく必要はありませんか。

② シルトフェンス(海中カーテン、福島では破損している)だけでなく、あらかじめ地下に遮水壁を設けるなど海の放射能汚染を防ぐ対策を用意するべきではないでしょうか。汚染水は地下から海へ流出する可能性があるからです。

③ 玄海原発が重大事故を起こした時、地下水が問題を生じる恐れはありますか。もしあれば、どのような対策を行っていますか。

3 緊急時対策所やベント設備について
① 規制委員会は、緊急時対策所(免震重要棟)やベント設備を5年間猶予していますが、重大事故を絶対に拡大させないためには、再稼動時に緊急時対策所や十分な耐震性を備えたベント設備は必要ではありませんか。

② 玄海原発のフィルター付きベント設備(完全には放射能を取り除けない)では、重大事故時の放射性物質の放出量は最大いくらですか。核種ごとの見積もりの詳細を示してください。また、それに対応する甲状腺等価線量はいくらになると試算されていますか。
  (注) 東電のフィルター付きベント設備からの放射性物質放出量は、100兆ベクレルと東電は見積もっています。これによる甲状腺等価線量は新潟県の試算によると260ミリシーベルトになり、『少なくとも健康に影響がある値という可能性がある』と泉田新潟県知事は述べています。

③ ベント設備が破損すれば、②の1000倍の放射能が放出されることになりますが、パイプを含むベント設備の耐震性はどうなっていますか
 (注)  2007年の中越沖地震のとき、柏崎刈羽原発の変圧器があった地盤が最大1.5メートル沈下し原子炉建屋につながっていたパイプがはずれて変圧器から出火し火災が発生しました。玄海原発で同じような地盤沈下が起こればベント設備と原子炉建屋をつなぐパイプがはずれたり破断したりして、そこから大量の放射性物質がもれでる危険性があります。

④ 180㎡(109畳)の代替緊急時対策所では、重大事故、過酷事故に対処するには狭すぎませんか。ここで最大何人が作業できますか。

⑤ 緊急時対策所と代替緊急時対策所の違いは何ですか。

⑥ 特定安全施設(第2制御室)は、いつ建設(完工)しますか。

4 安全対策の費用について
私たちが支払う電気料金に直接関係しますので、玄海原発3・4号機の安全対策にかかる金額の明細を2011年度から2018年度まで年度毎に明らかにしてください。

5 事故の情報について
① 事故情報や放射能のモニタリング結果は、県内の市町にどのようにして伝達されますか。

② これらの情報は県民一人ひとりには一刻も早く知らせる必要がありますが、どのようにして確実に事故情報を伝達しますか。

③ 原発敷地内のモニタリングポストは、どのような種類で何台ですか。計測範囲はどうなっていますか。配置場所も示してください。全電源を喪失した場合でも計測は可能ですか。

6 実行可能な避難の体制と再稼働について
① 原子力事業者が安全を保証するのは当然です。原子力災害対策指針の第一の(1)にも、原子力事業者が原子力災害対策について大きな責務を有していることを認識する必要があると記されています。東京電力は14日、新潟県の防災計画を支援するため専門チームを設置したと発表しています。九州電力は率先して救急車両や船舶等住民の避難を確実にする体制の準備、事故時の渋滞を減らすための道路改良工事等を行う必要があるのではないでしょうか。
(注) NRC(米国規制委員会)は原発の許認可権を持つ州政府に緊急時の避難計画を義務付けているため、州政府の許可条件として電力会社が避難計画を作成し提出しなければなりません。ニューヨーク州シュアハム原発は実行可能な避難計画を提出できなかったために廃炉になっています。

② 再稼働すれば重大事故が起こる可能性がありますが、実行可能な避難体制がすべての市町で整わなくても、再稼動はあり得るのでしょうか。

③ 再稼働に際しては、重大事故が起これば放射能に汚染される恐れのある少なくとも60キロ圏(福島第一原発から飯舘村や伊達市までの距離)内の市町長の同意が必要なのではないでしょうか。

④ 再稼働について、県民との意見交換会を県内各地で開催する必要はありませんか。重大事故が起これば、県民の生活に直接影響します。九州電力は県民の疑問に直接答える義務があると考えますが、九州電力の考えを明らかにしてください。

7 重大事故の賠償について
 万が一、玄海原発で重大事故が起こり被害が発生した場合、どのように損害賠償する計画ですか。

8 原発の設置、運転の許可について
旧立地指針では、「重大事故の発生を仮定しても周辺の住民に放射線障害を与えないこと」とされていました。住民に1年間に1mSv以上の被ばくを強いる可能性と人が生活できない土地が発生する可能性のある原発は、設置も運転も認められないのではないでしょうか。

9 サイバーセキュリティとテロ対策について
① 原発の稼働がコンピュータウィルスにより妨害されるサイバーテロが海外で発生していますが、九州電力はどのように対策されていますか。

② 大型航空機が原子力発電所に墜落した場合、格納容器や、事故の拡大防止に重要な原子炉補助建屋、原子炉周辺建屋が破壊される可能性がありますか。なければその理由も示してください。

③ 格納容器直接接触(シェルアタック)は対象外とされていますが、武力攻撃対策やテロ対策はどうなっていますか。

10 使用済み核燃料の処分について
原発を推進してきた小泉元首相も日本には使用済み燃料を処分する場所はないとして 即時原発ゼロを主張しています。
① 再稼働すれば10万年も人類から隔離しなければならない使用済み核燃料がさらに発生することになりますが、この大変な危険物を発生させている責任は、九州電力にあると考えておられますか。それとも責任は全部国が負うべきものとお考えでしょうか。

② 九州電力は使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)の地層処分は可能と主張されていますが、日本国内で可能とされるのであれば、その具体的な地名を1例挙げてください。

11 原子炉の緊急停止に失敗した場合の、「資料—6」に関してお尋ねします。
① 核分裂反応について
イ、 多様化自動作動設備で、確実に核分裂反応が止まる(抑制される)ことをわかりやすく示してください。
(注)多様化自動作動設備で、「タービントリップにより1次系から2次系への除熱を過度的に悪化させ、一次冷却材温度を上昇させることで減速材温度係数の負の反応度帰還効果により原子炉出力を低下させる」とあります。
ロ、 この場合、「減速材温度係数の負の反応度帰還効果」がどの程度働くのかを定量的に、かつわかりやすく説明してください。
ハ、 イの場合、もし核分裂反応が止まらなければ1次冷却材がなくなって、炉心損傷や原子炉容器の損傷から大事故に至る可能性があるのではないでしょうか。

② 原子炉出力の低下について
イ、 玄海3・4号機が熱出力342万kW運転時に、二次系の給水流量が0パーセントの状態となったあとの、二次系の除熱量変化(第3図)、1次系の圧力上昇、温度上昇の相関関係を説明して下さい。特に原子炉圧力が急上昇しない根拠を説明してください。
ロ、 2次系圧力は6MPaから約9MPaへ上昇することになっていますが(第5図)、2次系配管の最高使用圧力と限界圧力はいくらですか。
ハ、 第8図『1次系圧力の推移』で最高値が19.3MPa、第13図『1次冷却材温度の推移』で最高値が約350℃です。これは1次冷却水配管と加圧器の最高使用圧力(改良型PWRの場合、17.6MPa)および1次冷却材配管の最高使用温度(同、343℃)を超えていますが、安全がどうして保障されるのですか。
ニ、 加圧器逃がし弁や安全弁が開固着した場合、事故はどう進展しますか。
ホ、 主給水ポンプを止めて原子炉は止めず、多様化自動作動設備による主蒸気隔離、補助給水ポンプの自動起動で、どう事故が推移するかを実験された例がありますか。あれば、経過を説明してください。

③ 商業機密で白抜きにされている部分(たとえば6-7の右上の圧力値)は、規制委員会に対しては当然すべて明示しておられますか。
④ 補助給水ポンプや充てんポンプも故障した場合は、事故はどのように収束するのですか。

12 燃料の溶融について
① 九電の規制基準適合申請の重大事故シナリオ(配管大破断LOCA+ECCS注入失敗+格納容器スプレイ注入失敗、資料―13)では、格納容器スプレイが開始されて事故は収束することになっていますが、原子炉の燃料が溶融し、メルトダウン、メルトスルーする事態が想定されています。旧安全設計指針では、燃料が損傷するような事態は許されていませんでした。絶対に燃料が損傷しない対策が必要ではありませんか。

② 150気圧の一次冷却水が格納容器に噴き出し続けても格納容器の最高使用圧力約4気圧(約0.4MPa)あるいは限界圧力約8気圧(約0.8MPa)を超えない根拠を明らかにしてください。なお、原子炉(圧力)容器内の圧力変化を図と式で示してください。
(注)九電は、格納容器スプレイが稼働できるのは事故から52分後と予想されています(資料13-2)。

③ 核燃料溶融時にジルカロイー水反応で水素が発生し、破断した一次冷却材配管から格納容器に漏れ、水素爆発で格納容器スプレイ装置が損傷する可能性がありませんか。なければ、根拠を示してください。

④ メルトスルーする場合どのように落下するかわからないので、一度に大規模に落下する場合は水蒸気爆発する可能性があるのではないですか。ないのであれば根拠を示してください。なお、8月15日付けの資料1− 1のページ「I−3」には、「水蒸気爆発が発生する可能性は、これまで実機において想定される溶融物を用いた実験結果から、大規模な水蒸気爆発に至る可能性は極めて小さいと判断している。」とあり、実験に言及しています。この実験は、いつ、どこで行われた、どのようなものか、概要を教えて下さい。

⑤ 同じページには、「MAAPによる計算結果では、原子炉圧力容器外の溶融燃料− 冷却材相互作用による水蒸気発生に伴う 急激な圧力上昇(圧力スパイク)は発生しない」とあります。しかし国会事故調の報告書では、このMAAPによる福島事故の東電による解析を「原子炉圧力容器及び格納容器の両者に共通して見られる圧力変化のパルス的挙動は無視され」ていると批判しています。そもそも、急激な圧力上昇のような時間的に速い変化は、このシミュレーションコードでは扱えないのではないですか。

⑥ 溶融燃料(デブリ)がコンクリートを溶かして格納容器の床が破損し、放射能が漏れる可能性があるのではないですか。ないのであれば根拠を示してください。また、コンクリート床面に接する溶融燃料の温度変化を図と式で示してください。

⑦ メルトスルーする可能性があるのであれば『コアキャッチャー』を格納容器の底に設置する必要があるのではないですか。
   (注) ヨーロッパの加圧水型炉は、二重の原子炉格納容器の底に、溶けた核燃料を受け止める『コアキャッチャー』が組み込まれ、メルトダウンを起こした際には核燃料がコアキャッチャーを通して冷却プールへと導かれるようになっています。

13 外部電源が喪失しないようにする対策について
イ、変電所、送電鉄塔、送電線等が地震、森林火災、台風、竜巻等にどの程度まで耐えられるのかをそれぞれに説明してください。
 また、送電鉄塔が地震時に竹木場断層等の活断層の影響で倒壊する可能性についても説明してください。
ロ、以上についてどのように対策されているか説明してください。

14 非常用電源について
① 3、4号機の定常運転(定格出力状態)で使用される電力は、何万キロワットでしょうか。

② 外部電源を喪失しても冷却が継続されるように原発の内部で十分に給電できる、少なくとも5万kWぐらいの大容量の発電機(設備)が必要なのではないですか。

③ 交流電源が喪失しない対策として、冷却水がなくても駆動できる空冷式発電機の採用、ガスタービン発電機の採用で多様化すること、設置に時間と困難を伴う可搬式の設備でなく恒設の施設とすること等が必要ではないでしょうか。

④ 燃料タンクは複数化されていますか。

⑤ 非常用発電機や海水ポンプの耐震性はどのように強化されていますか。
(注) 福島第一原発事故で、国会事故調査委員会は1号機の非常用発電機が、またある専門家は原子炉補機冷却系海水ポンプが、津波以前に地震で壊れた可能性に言及しています。

⑥ 2011年6月2日原子力安全・保安院の「福島第一原発における原子力災害を踏まえた緊急安全対策の対応状況等について(玄海原子力発電所関係分)」に「更に1台の非常用発電機が必要」「高台に空冷式ディーゼル発電装置(約4,000KVA2台)を設置(今後1~2年程度で実施)」とありますが、どう対応されたのでしょうか。

15 海水ポンプの被水対策について
  原発の緊急炉心冷却装置等の重要な設備を冷却するのに必要な海水ポンプを被水から保護するために、米国のディアブロ・キャニオン原発では、高さ13.5メートルのシュノーケルを築いているそうですが、玄海原発では、どのように被水対策をされていますか。それはどのような状況まで防護できますか。
  防波堤の高さは何メートルですか。

16 復水器の循環水ポンプの防護について
① 復水器の循環水ポンプの防護(被水、地震、破壊行為)はどのように行われていますか。また、それはどのような状況を設定して対策されているのですか。

② 津波での引き波の対策はどう考えられていますか。

③ 海藻や浮遊物で取水口が詰まる可能性が考えられますが、どのように対策されていますか。取水口の深さは何メートルですか。

17 強化扉について
津波対策用の強化扉や潜水艦に用いる水密ドアと、玄海原発の建屋入り口扉や搬入口の浸水防止処置との機能的違いは何ですか。強化扉や水密ドアが不可欠ではありませんか。

18 格納容器について
① 格納容器に水素爆発を確実に防ぐために窒素ガスを充填する必要はありませんか。
(注)燃料の半分が溶融した同じ加圧水型のスリーマイル島原発の事故では、格納容器内で3回水素爆発したと報告されています。ただし格納容器は定期航空路の下にあったために当時世界一頑丈といわれた構造で建設され、破壊は免れました。

② 新規制基準施行で重大事故時の放射能放出についてセシウム137だけが100テラ(兆)ベクレル以下と規制され、その他の核種(放射性物質)については何の規制もされていません。これは絶対に認められられないと私たちは考えますが、九電はどのような見解ですか。

③ 放射性物質を環境に放出することは確実に避けなければならないので、強い放射線を出しフィルターでは捕捉されない大量の希ガス(資料13、事故発生直後の希ガス類の炉心内蓄積量、約3900京ベクレル)等を閉じ込めるために、第二格納容器のようなものが必要ではないですか。

④ 格納容器に設置される静的触媒式水素再結合装置は何台で、対応できる事故の規模はどのくらいですか。

19 使用済み核燃料プールについて
使用済み燃料損傷による放射性物質の飛散の可能性があるので、使用済み核燃料プールを格納する必要はないでしょうか。

20 建屋について
  玄海3・4号機には、格納容器を覆う建屋はありませんが、航空機等の衝突に備えて第3世代原子炉に設置されている頑丈なシールド建屋等が必要ではないでしょうか。

21 仮設設備について
① 電源、ケーブル、ポンプ、ホース(配管)、中間受水槽等は仮設や可搬設備でなく、恒設の設備にすべきではないでしょうか
  (注) 福島第一原発の事故では、ポンプ車や仮設ホースの接続に長時間を要したこと、2号機の仮設電源ケーブルの敷設は完了したが1号機の爆発で破損し使用できなくなったこと等で事故は拡大しています。

② 玄海3号機タービン動補助給水ポンプ給水用の仮設ホースの長さは八田浦貯水池からは1160メートルです。事故の進展度合によっては大量の冷却水が早急に必要になるかもしれませんし、自然現象や災害の状況(強い地震で地面が隆起して車両が通行不能等)を考えると八田浦貯水池からの給水設備は恒設の設備にする必要がありませんか。

③ 整地用のホイールローダーの台数と、その能力を教えてください。

22 計装系の強化について
  事故時の過酷な状況でも、原子炉の水位が確実に測定、把握できる計器や設備が用意されていますか。それは、どのようなものですか。
 (注) 福島原発事故、スリーマイル原発事故では、原子炉の水位を正しく把握できなかったため対策を誤り事故は拡大しています。

23 地震時における制御棒の挿入について
地震による燃料集合体の変形が、制御棒挿入に支障が出る地震動(加速度)はいくらですか。

24 タービン動補助給水ポンプについて
① 台数について
イ、 このポンプは、全電源喪失時に蒸気発生器に水を送って一次冷却水を冷やし原子炉を安定化させる重要な設備ですが、3・4号機には各1台しか設置されていないのはなぜですか。
全電源喪失時に1台しかないタービン動補助給水ポンプが使えなければ事故は拡大するので、複数化する必要があるのではないですか。
(注)神田誠(三菱重工業)著「原子力教科書・原子力プラント工学」オーム社発行54ページには電動が2台、タービン動が2台設置されるとあります。
ロ、主給水配管破断事故の場合、少なくとも補助給水ポンプが3台駆動する必要がありませんか。

② 溢水対策について
イ、 タービン動補助給水ポンプは、3号機は海抜マイナス9、7メートル、4号機は海抜マイナス2メートルの高さですが、取水口や配管洞道(女川原発の例)等から浸水する可能性はありませんか。安全なように地上の階に設置すべきではありませんか。
ロ、 タービン動補助給水ポンプの上階に蓄電池設備、さらにその上階に非常用ディーゼル発電機と1,200㎥の復水タンクがあります。また、使用済み燃料ピット(プール)もタービン動補助給水ポンプの上階に建屋が隣接して設置されています。復水タンクや使用済み燃料ピットから溢水すれば、タービン動補助給水ポンプや蓄電池設備、非常用ディーゼル発電機が使用不能になりませんか。

③ タービン動補助給水ポンプの駆動源の蒸気は、どこから供給され、また、何時間供給できますか。その間に原子炉を高温停止状態にできるのですか。

④ タービン動補助給水ポンプ1台から4ループ(台)の蒸気発生器に冷却水を送る構造を説明してください。

25 加圧器について
① 制御棒が入らないような重大事故の場合、加圧器は原子炉の最高使用圧力を超えないように制御する重大な役割を担いますが、3・4号機に各1台しかありません。事故時に安全弁や逃がし弁が閉固着した場合、原子炉の圧力は上昇し続けることになるので、少なくとも2台にする必要がありませんか。

② 同じく全電源喪失時に制御棒が入らないような重大事故で弁が①とは逆に開固着した場合、どうなるのですか。

③ 事故時に加圧器逃がし弁が故障した場合、修理のために格納容器に入る必要がありますか。

④ 加圧器逃がし弁から放出される放射性蒸気について、加圧器逃がしタンクで冷却できる量はいくらですか。また、このタンクで除去できる放射能の種類と量、そして除去率はいくらですか。

26 ERSS(緊急時対策支援システム)について
  福島第一原発では、ERSSが電源喪失により機能せず、事故の進展予測と放出源情報の予測計算ができなかったことが、適切な住民の防護対策が採られなかった一因と報告されていますが、玄海原発では、ERSSへデータを送る緊急時運転パラメータ伝送システム(SPDS)を重大事故時に確実に運用できますか。その根拠も示してください。

27 過酷事故進展予想解析ツールについて
  国会事故調は、原子炉事故の対応には「リアルタイムで更新できる『過酷事故進展予想解析ツール』の活用が有効だったはずだが、東電には整っていなかった」と述べていますが、九州電力には同様の『過酷事故進展予想解析ツール』が用意されていますか。


連絡先 杉野 ちせ子 
携帯 (省略)
by kuroki_kazuya | 2013-11-24 06:05 | 九電労組