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by 幸田 晋

東電破たん処理がすべての一歩・良策

東電破たん処理が

すべての
一歩・良策


たんぽぽ舎です。【TMM:No2074】2014年1月25日(土)地震と原発事故情報
たんぽぽ舎です。【TMM:No2075】2014年1月27日(月)地震と原発事故情報
より転載



東電破たん処理がすべての一歩・良策(上)
| 東電、政府、銀行、財界一体の生き残り策を許すな!
 └──── 渡辺寿子(原発いらない千葉) 
 
○東電、政府再稼働に固執

政府経産省は昨年12月新しいエネルギー基本計画案を了承しました。
それは原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付ける原発推進のエネルギー計画です。

また安倍首相は
年頭記者会見で規制委の新規制基準をクリアした原発の再稼働を進める姿勢を明らかにしました。

一方東電は「総合特別事業計画」(再建計画)の見直し案を政府に提出し、容認されました。

東電は現在の計画では13年度は柏崎刈羽の再稼働を前提に9百億円の経常黒字を見込んでいました。

それが見事に破たんしたにもかかわらず、
東電は新しい再建計画案では14年7、8月に柏崎刈羽の6,7号機を再稼働させることに固執し、
それを軸に再建を進めようとしています。

さらに驚くべきことに審査を申請もしていない1、5号機の再稼働まで想定しているのです。

東電は利益を生む源泉は原発再稼働だと考えているのです。

そして原発再稼動が実現しない場合は電気料金のさらなる値上げもありうると、
消費者に脅しをかけています。東電、国、財界は一体となって再稼働路線を突き進んでいます。


○何でもアリの東電救済策

3.11後
12年7月実質国有化されましたが、

ここへきて政府は
東電への国費−税金の
際限なき投入を行おうとしています。


12月20日に政府が決めた東電支援策では

賠償や除染に関する資金の支援枠を
現行の5兆円から9兆円に増やす、

除染費用2兆5千億円と
放射性物質で汚染された土壌を
一定期間保管する「中間貯蔵施設」の
費用1兆1千億円は
国が全額負担するとしています。


さらに国が前面に出ることになった汚染水対策も
当初の470億円に220億円上乗せ、690億円を国が肩代わりすることにしました。

東電優遇施策は税金投入だけにとどまりません。

経産省は昨年10月電力会社の会計規則を見直し
原発を廃炉にする費用は特別損失として当該年度の決算に一括計上しなければならなかったのを、
複数年度に分けて処理できるようにしました。

またこの廃炉費用を電気料金の原価に含められるようにしました。

東電救済のために税金は際限なく投入され、
その上電気料金という形で私達国民の負担は増えるばかりです。


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東電破たん処理がすべての一歩・良策(下)
 │  東電、政府、銀行、財界一体の生き残り策を許すな!
 └──── 渡辺 寿子(原発いらない!千葉)

○東電破たんさせるとどうなるか

東電を破たん処理させるべきとの指摘は
3.11後間もなくからありましたが、
ここへきて反、脱原発派からだけでなく、
エコノミストなどの
一般経済誌も大々的に
取り上げるようになりました。


東電を破たん処理したらどうなるのか、
東電株主代表訴訟原告代表の堀江鉄雄さんの作成したレジュメから以下引用します(一部字句修正)。

(1) ステークホルダー(貸し付けている銀行など利害関係者)の責任をとらせることができる。

(2) 原子力事業の1/3が破たんする可能性を秘める。
   特に日本原燃、日本原電には出資、投資、債務保証しているので両者は資産基盤を失うことになる。

(3) 原子力事業は電力会社の共同出資、連帯保証にあるので他電力は東電の負債を引き受けなければな   らなくなる。

(4) 電力会社への信用不安となり、借換解消、貸付金引き上げ、株・社債投げ売り、金利上昇等引き起す。

(5)原子力事業は完全な重荷となり、まず核燃料サイクルからの撤退、再稼働どころか原子力事業からの撤  退、原子力体制崩壊の第一歩となる。

(6) メガバンク、メガファンドも投資リスクのある原子力関連事業からの撤退を余儀なくされる。特にメガバン   クは、貸付金・社債など巨額の出資をしていて多額の利益を得ていたが、その反動で負債も巨額にな     る。

(7) メーカー、ゼネコン等甘い汁を吸っていた関連会社も終焉を迎える。

(8) 原発の被害、損害、損失リスクが明確になり原発輸出は止まる。


つまり東電を破たん処理させると起きる事態と言うのは
私達原発廃止を願う者にとって望ましいことばかりなのです。

そしてそれは東電をはじめとする電力会社、金融界、産業界など財界、
それらに支えられている政府がなんとしても回避したい事態なわけです。

○東電破たん処理で私達は生き残る

 そこで彼らは必死になって再稼働させ東電を生き残らせようとしています。

東電は分社化などということも言い始めていますが、
分社化というのは利益を生まない廃炉部門だけを切り離し、国に面倒見させ、
利益を生むおいしいところだけ自分の所に残すという、責任逃れの、自分に都合の良い生き残り策です。

東電を破たん処理させるということは
事故の何の責任もとらない東電と
その利害関係者に
責任をとらせる大きな一歩です。


それは東電の経営陣に責任を取らせ、
株券は紙切れにして株主に責任をとらせ、
銀行には債権を放棄させるということです。


それによって危険な再稼働もなくなり、
東電でなく、私達が生き残る道、
原発廃止への道が
開けていく一歩となるでしょう。

by kuroki_kazuya | 2014-01-28 06:59 | 東電 出鱈目 資本