<上野さん講演会問題>山梨市の「騒動」その本質は…
2014年 04月 03日
<上野さん講演会問題>
山梨市の「騒動」
その本質は…
毎日新聞 4月2日(水)20時52分配信より一部
山梨市が企画した
社会学者、上野千鶴子さんの講演会を巡り、
望月清賢市長が中止方針を決め、
その後市民の反発などで
一転して開催に至った問題。
講演会は3月18日に予定通り行われ、
丸く収まったかに見える。
ただ、
そもそもこの「騒動」の本質は何か。
民主主義の根幹を成す
「表現の自由」に対する
市側の認識の薄さがある。
◇「市民の意見」はメールなど10件
事の発端は今月、市側が一方的に上野さんに中止を伝えたことにある。
市介護保険課は昨年10月、
著書「おひとりさまの老後」などで知られる上野さんに
在宅介護をテーマに講演を依頼。
しかし、2月に初当選した望月市長が中止を決定。
3月12日に文書で上野さんに正式に伝え、地元紙報道で発覚した。
市長名の文書では
「市民からさまざまな意見があり、当日の運営に支障をきたす恐れがある」と記述。
望月市長は取材に、
少年の性を巡る上野さんの過去の新聞コラムなどについて
「表現が強すぎる。公費開催はふさわしくない」と説明した。
これに対し、上野さんは
同15日のブログで、
(1)講師の考えに賛同できない少数の「市民」のクレームで中止すべきでない
(2)運営面で具体的な脅迫などはなく過剰な自主規制だ
(3)「過去の発言」は依頼時から分かっていたこと
--などと指摘した。
また、中止の根拠にした「市民の意見」は、
メールなどで10件程度に過ぎなかったことも判明した。
◇識者は「表現の自由を侵害」
山梨学院大法科大学院の梓沢和幸教授(弁護士)は
「誰かの考えや表現が気に入らないと発言の場を奪うのは、
公権力が最もやってはいけない行為」と指摘。
根拠は集会、言論など
「一切の表現の自由」を保障した憲法21条だ。
梓沢教授は「意見には常に対立する勢力がある。
それを恐れて講演会を中止すれば自由は失われる」とする。
集会の自由を巡っては近年も、
日本教職員組合による全国集会の会場使用を拒んだ
プリンスホテル(東京)の違法性を認め、
損害賠償を命じる判決があった
(2009年東京地裁、2010年東京高裁)。
ホテル側は「右翼活動で客らに迷惑がかかる」と主張した。
山梨市の「運営に支障が出る」と似た弁明だが、
ホテル側の主張を退けた東京地裁は
「集会はさまざまな意見や情報に接し、
自己の思想や人格を形成、発展させ、交流する場」とし、
「参加者には固有の利益があり、法律的に保護されなければならない」
と指摘した。
・・・(後略)
山梨市の「騒動」
その本質は…
毎日新聞 4月2日(水)20時52分配信より一部
山梨市が企画した
社会学者、上野千鶴子さんの講演会を巡り、
望月清賢市長が中止方針を決め、
その後市民の反発などで
一転して開催に至った問題。
講演会は3月18日に予定通り行われ、
丸く収まったかに見える。
ただ、
そもそもこの「騒動」の本質は何か。
民主主義の根幹を成す
「表現の自由」に対する
市側の認識の薄さがある。
◇「市民の意見」はメールなど10件
事の発端は今月、市側が一方的に上野さんに中止を伝えたことにある。
市介護保険課は昨年10月、
著書「おひとりさまの老後」などで知られる上野さんに
在宅介護をテーマに講演を依頼。
しかし、2月に初当選した望月市長が中止を決定。
3月12日に文書で上野さんに正式に伝え、地元紙報道で発覚した。
市長名の文書では
「市民からさまざまな意見があり、当日の運営に支障をきたす恐れがある」と記述。
望月市長は取材に、
少年の性を巡る上野さんの過去の新聞コラムなどについて
「表現が強すぎる。公費開催はふさわしくない」と説明した。
これに対し、上野さんは
同15日のブログで、
(1)講師の考えに賛同できない少数の「市民」のクレームで中止すべきでない
(2)運営面で具体的な脅迫などはなく過剰な自主規制だ
(3)「過去の発言」は依頼時から分かっていたこと
--などと指摘した。
また、中止の根拠にした「市民の意見」は、
メールなどで10件程度に過ぎなかったことも判明した。
◇識者は「表現の自由を侵害」
山梨学院大法科大学院の梓沢和幸教授(弁護士)は
「誰かの考えや表現が気に入らないと発言の場を奪うのは、
公権力が最もやってはいけない行為」と指摘。
根拠は集会、言論など
「一切の表現の自由」を保障した憲法21条だ。
梓沢教授は「意見には常に対立する勢力がある。
それを恐れて講演会を中止すれば自由は失われる」とする。
集会の自由を巡っては近年も、
日本教職員組合による全国集会の会場使用を拒んだ
プリンスホテル(東京)の違法性を認め、
損害賠償を命じる判決があった
(2009年東京地裁、2010年東京高裁)。
ホテル側は「右翼活動で客らに迷惑がかかる」と主張した。
山梨市の「運営に支障が出る」と似た弁明だが、
ホテル側の主張を退けた東京地裁は
「集会はさまざまな意見や情報に接し、
自己の思想や人格を形成、発展させ、交流する場」とし、
「参加者には固有の利益があり、法律的に保護されなければならない」
と指摘した。
・・・(後略)
by kuroki_kazuya
| 2014-04-03 06:36
| 反動