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by 幸田 晋

九電川内原発、なぜ再稼動一番手に?"談合破り"の裏に厳しい財務事情、全国で再値上げも

九電川内原発、
なぜ再稼動一番手に?
"談合破り"の
裏に厳しい
財務事情、
全国で再値上げも


Business Journal 4月9日(水)3時24分配信より一部

2011年の東京電力
福島第一原子力発電所事故を受け
停止中だった原発の再稼動としては

一番手に、
九州電力川内(せんだい)原発
(鹿児島県薩摩川内市)がなる。

原子力規制委員会は
川内原発1、2号機の審査を
優先して進めることを決め、
早ければ今夏中にも再稼動となる。


昨年7月に施行された
原発の安全性に関する新規制基準で、
地震や津波対策が強化され、
テロも含めた過酷事故への備えが義務付けられた。

現在、8電力会社の10原発17基が安全審査を申請している。

北海道電力泊原発(北海道)、関西電力の大飯原発(福井県)と高浜原発(同)、
四国電力伊方原発(愛媛県)、九州電力玄海原発(佐賀県)の
審査もほぼ同時期に始まったが、

川内原発が
その中から抜け出したのは
"談合破り"を決断したからだ。


●九電の"談合破り"

「ちょっと乱暴なところもあるが、エイヤっと大きくしました」。
九電幹部は
規制委の審査会合で、
川内原発の地震想定を大幅に引き上げる方針を表明した。

規制委の事務局である原子力規制庁の審査官は
「御社の哲学、思想が見えて安心した」と評価。
川内原発の優先審査入りが事実上決まった。


昨年7月に施行された新規制基準は
東電福島原発事故を踏まえ、
科学的に考えられる最大規模の地震、津波対策を求めたが、
想定を引き上げると追加の耐震工事が必要になるため、電力会社は引き上げを渋った。

そこで電力各社は、
電力中央研究所で想定の見直しを行い、
その数値を
規制委に報告することにした。
これがいわゆる
「地震想定談合」と呼ばれるものだ。


しかし、この想定値が規制委の了解を得られなければ、審査はストップする。

九電は規制委の意向に沿って最大の地震の揺れ(加速度)を540ガルから
620ガルへと引き上げたが、

その理由を同社幹部は
「すべて(規制委に)反論していたら再稼動が遅くなる」と説明しているが、
背景には
同社の厳しい財務体質が
あったとみられている。


●忍び寄る債務超過の危機

原発への依存度が高かった九電の
14年3月期連結決算における最終損失は、
1250億円の予想であり、
3期連続の赤字になる。

過去の利益の蓄積である
利益剰余金(単体)が、
3月末にゼロになる見通しだ。


火力発電用の代替燃料費がかさみ、九電は昨春、
企業向けで11.94%、家庭向けで同6.23%の値上げを実施したが、
値上げ後も大幅な赤字が続くのは、
原発の早期再稼動を見込み、値上げ幅を縮小したからだ。


・・・(中略)


安全審査で川内原発が玄海原発3、4号機に先行するのは、九電にとっても好都合だ。

地元手続きは、「やらせメール」問題が尾を引いている玄海原発より
川内原発のほうが円滑に進む公算が大きいからだ。

審査終了後の関門は、再稼動の前提となる地元の了解だ。

川内原発については鹿児島県の伊藤祐一郎知事が
「地元」の範囲について
「(立地自治体の)薩摩川内市と県(の判断)で十分」と繰り返し表明している。

周辺自治体の同意は必要なしという考え方で、
薩摩川内市の岩切秀雄市長も
「地元経済は疲弊している。活性化させる必要がある」と語り、
再稼動に強い期待をにじませている。

伊藤知事、岩切市長とも再稼動に前向きなことから、
迅速に手続きが進むとみられている。

規制委は、
さほど反対がない川内原発で実績をつくり、
他原発の審査を効率的に済ませ、
順次再稼動に持っていきたいともくろむが、


再稼動容認の自治体ばかりではない。

再稼動が大幅に遅れた場合、
東電、関電、四電は今秋の電力料金の再値上げが視野に入ってくる。


・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2014-04-09 06:48 | 九電労組