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by 幸田 晋

【通信傍受】こんな拡大は許されるか

【通信傍受】
こんな拡大は許されるか


高知新聞 社説 2014年05月02日08時08分より一部

取り調べ可視化の在り方を議論している法制審議会の特別部会で、
見過ごせない問題が扱われている。
 
通信傍受の対象となる犯罪の種類の拡大で、
現在の4種を大幅に緩める案が浮上している。

 
通信傍受の対象を限定し、運用も厳格化したのは、
根拠となる通信傍受法が、
憲法の保障する「通信の秘密」を侵しかねないからだ。

 
国民生活に関わる問題だけに、議論の行方を注視する必要がある。
 
1999年成立の通信傍受法は、法案段階から賛否の論議を呼んだ。


・・・(途中略)


こうした懸念を考慮し、通信傍受法は一定、抑制した内容となった。
 
その一つは傍受対象で、傍受できるのは組織犯罪に限った。
具体的には薬物犯罪、銃器犯罪、組織的殺人、集団密航の4種とする。
 
もう一つは運用の厳格化だ。
傍受の際は通信事業者(電話会社の職員)が立ち会い、
傍受した通信はすべて媒体に記録し、その都度、裁判官に提出すると定めた。
 
捜査側からは法の使い勝手に対する不満もあったが、
憲法との整合性、国民の懸念を考え、ぎりぎりの線で折り合った内容とも言える。

それから15年、
特別部会に示された法務省の法改正試案は、
もろもろの懸念を忘れたかのようだ。
 
試案は
捜査当局が電話、電子メールを傍受できる対象を広げ、
組織性が疑われる殺人、放火、詐欺、窃盗などを新たに追加する。
 
運用面では
通信事業者の立ち会いは不要、としている。



・・・(中略)


元職員の告発で明るみに出た
米国家安全保障局(NSA)の通信傍受疑惑は、
他の国々にも広がっている。


傍受の対象は国家首脳ばかりではない。大量の個人情報も狙われている。
 
通信傍受をいったん認めると、
歯止めをかけるのは容易ではない。


今、世界が直面しているのはその現実だ。
 
法制審議会の論議も、通信傍受の負の側面と無関係ではないはずだ。
by kuroki_kazuya | 2014-05-03 06:15 | オンブズマン | Comments(0)