【宿題】電力会社の発表にどこにインチキとごまかしがあるか指摘してください
2014年 05月 05日
みなさま、時間のあるときに
是非、
ブログ「広島2人デモ」 2014年05月04日(日)05時06分
へ、お出で頂き、確認ください。
ーーーーーーー
【宿題】
電力会社の発表に
どこにインチキとごまかしが
あるか指摘してください
ブログ「広島2人デモ」 2014年05月04日(日)05時06分より一部
哲野からじゃけえさんに宿題が出されました。
【宿題】電力会社の発表にどこにインチキとごまかしがあるか指摘してください
メールでのやりとりでしたが、解説は共有すべきと思いましたので掲載いたします。
▼最初の宿題提出メール
(有価証券報告書の見方など解説があります
じゃけえさま
今日の2人デモのスピーチを聞いて驚きました。
よく短時間に20頁のチラシを読み込んで
大局理解していただきました。
理解していたと思っても人前でしゃべると
よく理解できていないというのは誰しも経験のあることです。
大筋理解していなければあれだけはしゃべれません。
ところで今日質問のでていた有価証券報告書のことです。
上場会社は割と厳格な決まりを守らないと株式上場できません。
それに年に1回日本の会計基準を守って
財務省と証券取引委員会に決算報告を提出しなければなりません。
これでウソをつくと上場取り消しなど
厳しい制裁や時には商法違反で刑事事件になって責任者は刑務所にはいることにもなりかねません。
つまりはウソをつけない、ということです。
調べ方は
グーグル検索で
「会社名 有価証券報告書」と検索するとすぐ出てきます。
① ちなみに中国電力をみましょう。
② グーグルで「中国電力 有価証券報告書」と検索して下さい。
するとズラリと出てきます。中で【株主プロ】のサイトを選んでください。
株式投資家が利用するサイトで、わかりやすく配列して上に閲覧者が見やすいように加工してあり、一番良くできています。
(みんなカネが絡むと真剣です)
③ 直近の通期報告は第89期決算報告書です。
平成24年度(2012年度)報告です。2013年度は、決算から3ヶ月以内に報告が義務づけられていいますので、2014年3月末に決算して、2014年6月までに報告しなければなりません。
それから株主総会という段取りです。
下記にPDFのURLを貼り付けておきます。
http://www.kabupro.jp/edp/20130627/S000DKQE.pdf
④ はじめはとっつきにくいですが、見慣れてくると自然と理解できるようになります。
辛抱して読むようにしてください。というのは、私はもう66歳です。
驚くべきことに広島の市民運動に参加している人たちの中に有価証券報告書を読める人がほとんどいないのです。
これでは全くメクラのまま反原発運動をしているようなもので最初から負けが見えています。
新聞やテレビのウソ、電力会社や経産省のウソも見抜けません。
私以外に3-4人は有価証券報告書をちゃんと読める人
(といっても専門家レベルでなくてもシロウトレベルで十分です)
をつくっておきたいのです。私が死んでも、後に人が残ります。
⑤ 必ずダウンロードして自分のパソコンに保存してから使うようにしてください。
Web画面からでは時間がかかりすぎ能率がおちます。
開いたら「しおり」を左のサイド画面に表示させてください。閲覧効率が全然違います。
⑥ 最初に見るのは、「1.主要な経営指標等の推移」です。
過去5期の売上げ、利益、従業員数まで基本指標が一度に概観できます。
5期分眺めていると、その企業の推移がわかります。
中国電力の場合は、85期(2009年3月期)に大きな異変を起こし、回復基調にあったのに87期にまた異変が起こり、今度はそれから回復できていないことがわかります。
(その事件とは一体なにか?)
特に恐ろしいばかりの純資産額の減り方です。
毎年数百億円レベルで減っています。
⑦ その後は何が起こったのか、と個別のデータを見に行きますが、長くなりますし、キリがありませんので割愛します。
ただ推理小説を読むように謎解きの面白さはあります。
⑧ 報告書にそってポイントだけをあげます。
(1) 第2-1 事業概要
(2) 第2-2 生産・販売の状況
(3) 第3-1 設備の状況
電源(発電設備)に500億円つかっているのと同時に
この年「原子燃料」を146億円も買い込んでいることがわかります。
(4) 第4-1 株式等の状況
ここで上位10社の大株主がわかります。
(5) 第5 経理の状況
連結貸借対照表と損益計算書が眺められます。
貸借対照表では、原子力発電設備が786億円あること、
核燃料1681億円もあること、
使用済燃料再処理積立金が648億円あること、しかも
この積立金は前年に比べて75億円減少していること、
これを見て、はて一体なぜ?と首をひねったりして
俄然謎解きは面白くなります。
また固定資産総額2兆6000億円に対して
建設仮勘定が5640億円と巨額にのぼること
はて建設中の大物はいったいなんじゃろな?となります。
連結損益計算書では実は大したことはわかりません。
ずーっと頁を飛んで、91頁からはじまる損益計算書とそれに続く「営業費用明細書」になると話は俄然面白くなります。96頁でおわる明細書を見ると、
水力発電:250億円
汽力発電:4000億円(火力発電)
原子力発電:653億円
地帯間購入電力料:49億円
他社購入電力料:1970億円
などとわかります。
火力発電で4000億円ですが、費用項目では燃料油費1300億円、ガス費1060億円、石炭費750億円とこの3項目で3110億円と
75%も燃料費でしめています。
まだ石油・重油を使っているのです。こんな高い燃料で採算が取れるわけがない。
ガス費も発電容量(197万kW)に比べてデカすぎる、もっと安いはずだ、と調べていくと
例のASIA-HUBにぶつかるわけですが、これは後の話。
石炭も大きすぎる。容量は258万kWしかないのに100%動かしたって750億円もかかるわけがない。
石炭がこんなに高ければ、電源開発だって大赤字の筈だ、と調べていくと
三菱商事と独占の納入契約を結んで言い値で買っている、これで火力発電の採算がとれる筈がない…、と色々なことがわかっていくわけです。
大体原子力発電費653億円とはなんじゃろな?
原発では1kWhもこの時期発電してないはずだが?
面妖な…と項目を見てみると、給与手当て48億円、修繕費170億円、減価償却費104億円、使用済核燃料再処理費82億円、委託費70億円など、動かしても動かさなくても、のしかかる費用項目がならびます。
核燃料費は42億円でしかありません。
この核燃料費も減損費がほぼ100%占めます。
減損費とはいったいなんじゃろな?と調べていくと、核燃料のうち核分裂した部分だけを燃料として計上し、のこった部分はプルトニム239を含むからとして資産計上している。
なるほど、このやり方で行くと原発はえらく安い発電手段みたいにみえるわな、となります。
地帯間購入電力は他の電力会社から購入する電力です。
恐らくは岡山県の西端では関西電力から買った方が送電ロスが少なくてすむ地域があるのと、大口顧客で一括契約をしていて、その顧客が他の電力会社から供給をうけた分の振り替えが発生するのだと思います。
これは様々な理由でゼロにはなりません。
どちらにせよ大した数字ではありません。
それより大した数字は他社購入電力1970億円です。
他社とは一体どこなのかといえば、電源開発など非電力会社のことです。
今日のチラシで5頁表2「9電力会社以外が運営する日本の火力発電所(10万kW以上)」を思い出してください。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/index.cgi?mode=image&upfile=288-3.jpg
この表でいえば、13番電源開発竹原火力(130万kW。現在60万kWを新設中です。もうすぐ完成します)は全量中国電力向け。
7番倉敷共同火力(62万kW)は半分中国電力向け、
8番福山共同火力(84万kW)も半分中国電力向け。
これだけで約200万kWあります。
そのほかに10万kW級の供給発電事業者がいくつかありますが、ここから受ける電力は恐らく合計40万kW。
中国電力の自社火力発電容量は全部合わせても770万kWです。
高コストの自社火力を停止して、こうした低コストの他社火力を買った方が経営効率がいいのです。
それが前述の「他社購入電力1970億円」の理由です。
このように
電力会社の有価証券報告書を調べていくと
いろいろ面白いことがわかります。
一生懸命勉強してください。
・・・(後略)
是非、
ブログ「広島2人デモ」 2014年05月04日(日)05時06分
へ、お出で頂き、確認ください。
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【宿題】
電力会社の発表に
どこにインチキとごまかしが
あるか指摘してください
ブログ「広島2人デモ」 2014年05月04日(日)05時06分より一部
哲野からじゃけえさんに宿題が出されました。
【宿題】電力会社の発表にどこにインチキとごまかしがあるか指摘してください
メールでのやりとりでしたが、解説は共有すべきと思いましたので掲載いたします。
▼最初の宿題提出メール
(有価証券報告書の見方など解説があります
じゃけえさま
今日の2人デモのスピーチを聞いて驚きました。
よく短時間に20頁のチラシを読み込んで
大局理解していただきました。
理解していたと思っても人前でしゃべると
よく理解できていないというのは誰しも経験のあることです。
大筋理解していなければあれだけはしゃべれません。
ところで今日質問のでていた有価証券報告書のことです。
上場会社は割と厳格な決まりを守らないと株式上場できません。
それに年に1回日本の会計基準を守って
財務省と証券取引委員会に決算報告を提出しなければなりません。
これでウソをつくと上場取り消しなど
厳しい制裁や時には商法違反で刑事事件になって責任者は刑務所にはいることにもなりかねません。
つまりはウソをつけない、ということです。
調べ方は
グーグル検索で
「会社名 有価証券報告書」と検索するとすぐ出てきます。
① ちなみに中国電力をみましょう。
② グーグルで「中国電力 有価証券報告書」と検索して下さい。
するとズラリと出てきます。中で【株主プロ】のサイトを選んでください。
株式投資家が利用するサイトで、わかりやすく配列して上に閲覧者が見やすいように加工してあり、一番良くできています。
(みんなカネが絡むと真剣です)
③ 直近の通期報告は第89期決算報告書です。
平成24年度(2012年度)報告です。2013年度は、決算から3ヶ月以内に報告が義務づけられていいますので、2014年3月末に決算して、2014年6月までに報告しなければなりません。
それから株主総会という段取りです。
下記にPDFのURLを貼り付けておきます。
http://www.kabupro.jp/edp/20130627/S000DKQE.pdf
④ はじめはとっつきにくいですが、見慣れてくると自然と理解できるようになります。
辛抱して読むようにしてください。というのは、私はもう66歳です。
驚くべきことに広島の市民運動に参加している人たちの中に有価証券報告書を読める人がほとんどいないのです。
これでは全くメクラのまま反原発運動をしているようなもので最初から負けが見えています。
新聞やテレビのウソ、電力会社や経産省のウソも見抜けません。
私以外に3-4人は有価証券報告書をちゃんと読める人
(といっても専門家レベルでなくてもシロウトレベルで十分です)
をつくっておきたいのです。私が死んでも、後に人が残ります。
⑤ 必ずダウンロードして自分のパソコンに保存してから使うようにしてください。
Web画面からでは時間がかかりすぎ能率がおちます。
開いたら「しおり」を左のサイド画面に表示させてください。閲覧効率が全然違います。
⑥ 最初に見るのは、「1.主要な経営指標等の推移」です。
過去5期の売上げ、利益、従業員数まで基本指標が一度に概観できます。
5期分眺めていると、その企業の推移がわかります。
中国電力の場合は、85期(2009年3月期)に大きな異変を起こし、回復基調にあったのに87期にまた異変が起こり、今度はそれから回復できていないことがわかります。
(その事件とは一体なにか?)
特に恐ろしいばかりの純資産額の減り方です。
毎年数百億円レベルで減っています。
⑦ その後は何が起こったのか、と個別のデータを見に行きますが、長くなりますし、キリがありませんので割愛します。
ただ推理小説を読むように謎解きの面白さはあります。
⑧ 報告書にそってポイントだけをあげます。
(1) 第2-1 事業概要
(2) 第2-2 生産・販売の状況
(3) 第3-1 設備の状況
電源(発電設備)に500億円つかっているのと同時に
この年「原子燃料」を146億円も買い込んでいることがわかります。
(4) 第4-1 株式等の状況
ここで上位10社の大株主がわかります。
(5) 第5 経理の状況
連結貸借対照表と損益計算書が眺められます。
貸借対照表では、原子力発電設備が786億円あること、
核燃料1681億円もあること、
使用済燃料再処理積立金が648億円あること、しかも
この積立金は前年に比べて75億円減少していること、
これを見て、はて一体なぜ?と首をひねったりして
俄然謎解きは面白くなります。
また固定資産総額2兆6000億円に対して
建設仮勘定が5640億円と巨額にのぼること
はて建設中の大物はいったいなんじゃろな?となります。
連結損益計算書では実は大したことはわかりません。
ずーっと頁を飛んで、91頁からはじまる損益計算書とそれに続く「営業費用明細書」になると話は俄然面白くなります。96頁でおわる明細書を見ると、
水力発電:250億円
汽力発電:4000億円(火力発電)
原子力発電:653億円
地帯間購入電力料:49億円
他社購入電力料:1970億円
などとわかります。
火力発電で4000億円ですが、費用項目では燃料油費1300億円、ガス費1060億円、石炭費750億円とこの3項目で3110億円と
75%も燃料費でしめています。
まだ石油・重油を使っているのです。こんな高い燃料で採算が取れるわけがない。
ガス費も発電容量(197万kW)に比べてデカすぎる、もっと安いはずだ、と調べていくと
例のASIA-HUBにぶつかるわけですが、これは後の話。
石炭も大きすぎる。容量は258万kWしかないのに100%動かしたって750億円もかかるわけがない。
石炭がこんなに高ければ、電源開発だって大赤字の筈だ、と調べていくと
三菱商事と独占の納入契約を結んで言い値で買っている、これで火力発電の採算がとれる筈がない…、と色々なことがわかっていくわけです。
大体原子力発電費653億円とはなんじゃろな?
原発では1kWhもこの時期発電してないはずだが?
面妖な…と項目を見てみると、給与手当て48億円、修繕費170億円、減価償却費104億円、使用済核燃料再処理費82億円、委託費70億円など、動かしても動かさなくても、のしかかる費用項目がならびます。
核燃料費は42億円でしかありません。
この核燃料費も減損費がほぼ100%占めます。
減損費とはいったいなんじゃろな?と調べていくと、核燃料のうち核分裂した部分だけを燃料として計上し、のこった部分はプルトニム239を含むからとして資産計上している。
なるほど、このやり方で行くと原発はえらく安い発電手段みたいにみえるわな、となります。
地帯間購入電力は他の電力会社から購入する電力です。
恐らくは岡山県の西端では関西電力から買った方が送電ロスが少なくてすむ地域があるのと、大口顧客で一括契約をしていて、その顧客が他の電力会社から供給をうけた分の振り替えが発生するのだと思います。
これは様々な理由でゼロにはなりません。
どちらにせよ大した数字ではありません。
それより大した数字は他社購入電力1970億円です。
他社とは一体どこなのかといえば、電源開発など非電力会社のことです。
今日のチラシで5頁表2「9電力会社以外が運営する日本の火力発電所(10万kW以上)」を思い出してください。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/index.cgi?mode=image&upfile=288-3.jpg
この表でいえば、13番電源開発竹原火力(130万kW。現在60万kWを新設中です。もうすぐ完成します)は全量中国電力向け。
7番倉敷共同火力(62万kW)は半分中国電力向け、
8番福山共同火力(84万kW)も半分中国電力向け。
これだけで約200万kWあります。
そのほかに10万kW級の供給発電事業者がいくつかありますが、ここから受ける電力は恐らく合計40万kW。
中国電力の自社火力発電容量は全部合わせても770万kWです。
高コストの自社火力を停止して、こうした低コストの他社火力を買った方が経営効率がいいのです。
それが前述の「他社購入電力1970億円」の理由です。
このように
電力会社の有価証券報告書を調べていくと
いろいろ面白いことがわかります。
一生懸命勉強してください。
・・・(後略)
by kuroki_kazuya
| 2014-05-05 06:58
| 九電労組