スキーにはまっています。


by 幸田 晋

第70回小出裕章ジャーナル

第70回
小出裕章ジャーナル


福島第一廃炉の現状について
「熟練した労働者がどんどん被ばくの限度に達してしまって
現場で働けなくなってしまうという状況に次々と追い込まれているのです」
~第70回小出裕章ジャーナル

ラジオ放送日
2014年4月9日〜16日

Web公開
4月10日


西谷文和:
小出さん、実はNHKが4月になりまして、
福島第一原発の廃炉に関わるドキュメンタリーを連続で放送しておるのですが、
事故から3年以上経って、
ようやく廃炉の難しさについてのドキュメンタリーを流して、
そこで訴えていたのが「作業員が確保できない」ということなんですが、
こんなもん前から分かってたですよね?

小出さん:
もちろんです。
チェルノブイリ原子力発電所の事故の場合には、
60万人~80万人と言われるような軍人、退役軍人、労働者、
一部には囚人もいたそうですけれども。


西谷:
60万~80万人。

小出さん:
はい。 
という人達が動員されて、なんとか事故を収束させようとしました。
チェルノブイリの時には、壊れたのはたった一つので原子炉でしたけれども、
福島では4つが同時に壊れて、今事故が進行してるわけで。

たくさんの労働者がもちろん必要になりますし、
たくさんの熟練した労働者が必要になるのですけれども、
そういう熟練した労働者の数というのはもともとしれていますし、
そういう人達がどんどん被ばくの限度に達してしまって、
現場で働けなくなってしまうという状況に次々と追い込まれているのです。

日本の法律だと
5年間に100ミリシーベルトという限度があってですね、

一年間は20ミリシーベルトで通常は規制しているのです。
で、もう次々と20ミリシーベルトを超える労働者が、
熟練工が出てしまってですね、
その人達が現場ではもう働けない状態に
なっているんですね。


もちろん一年間のうちに100ミリシーベルト浴びてしまうような人も
いるわけですけれども、
そうなると今度はもう5年間その人は
現場にはもう戻れないということになってしまいますので、
もうほとんど作業ができなくなるのだろうと思います。

西谷:
その将来を考えるとですね、更に問題なのは、
こういう一生懸命やってくれる作業員に対する
手当が非常に低くて、
原発作業をする人達が、
例えば除染の作業をしたりとか辞めていってる
というのも言われてましたが。

小出さん:
危険手当を東電が払っているのですけれども、
下請け、孫請けというような重層的な下請け構造があって、
8次9次10次というような所もあるということで、
つまりピンハネされてしまって、
結局労働者には回らない
という状態になってしまってるわけです。


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西谷:
チェルノブイリもウクライナは国を挙げて収束にあたって、
1日2千人の作業員がいるということなんですが、
手当を普通の給料の1.5倍にしたので、
3倍の応募者がいるということなんですね。
チェルノブイリ、スリーマイルと比べて
日本は全然なってませんね?


小出さん:
全くなっていないです。
ですから、東京電力ももう統率能力を失ってしまっていますし、
作業を丸投げしていくわけですね。
請け負った方も次々と丸投げしていって、
下請けがどんどん広がっていってしまう訳で、
このままの状態では、
ほんとにキチッとした 労働者の手当ができなくなると思います。

西谷:
あの、これはやっぱり先程も言いましたが、
返すもう先に東京電力を破綻させて、
と言うかいろいろ債務処理させて、
そして国がやるべきな所を国がやらなかった事に
大きな問題があるんじゃないでしょうか?

小出さん:
はい。
私はそう思っています。
もう東京電力など何回倒産しても
あがないきれないほどの
被害が実際に出ているわけですので、
東京電力はキチッと破産させる。

倒産させて、
もう国がやるしかないということを
ハッキリさせた上で国の責任で
やるべきだと私は思います


西谷:
おそらく、
その株主とか銀行がお金貸してたりするので、
そういう所に気兼ねしたのかなと思うんですが。

小出さん:
私もそう思います。
要するに、東京電力の大株主は大銀行なわけで、
そういう所に損害を回さないというのが
日本の政治のあり方なのだと思います。


西谷:
大銀行や東京電力から
献金をもらってる人達が決めているので、
そういうことになったわけですね。


小出さん:
そうですね。と思います。

西谷:
小出さん、
廃炉にNHKでは2兆円という風な数字を出しましたが、
2兆円で収まりますかね?

小出さん:
収まるはずがない。

西谷:
はずがないですか?


小出さん:
はい。
もう何十年もかかる廃炉の工程にですね。
まあ東京電力の工程表でも
40年かかると言ってるわけで、

私はそんなものではできないと思いますし、
これから増々厳しい仕事が次々と起きてくるわけで、
2兆円なんてことで済む道理がないと私は思います。


西谷:
今からでも遅くないですから、
東電を破綻させて
国がやるべきだということでしょうか?

小出さん:
はい。
もう一刻も早くそうすべきだと思います。

西谷:
分かりました。
今日は、小出先生と廃炉についてお聞きしました。
小出さん、ありがとうございました。

小出さん:
はい、ありがとうございました。
by kuroki_kazuya | 2014-05-19 06:16 | 核 原子力 | Comments(0)