【談話】田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について
2014年 06月 02日
【談話】
田中知氏の
原子力規制委員会委員への
任命案について
政府が原子力規制委員会の委員に
田中知・東京大学大学院教授を
任命する案を提示したことをうけて、
原発ゼロの会は
5月30日、
役員名で以下の談話を発表しました。
_________________________________________________
2014年5月30日
田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について(談話)
原発ゼロの会役員
政府は去る5月27日、
田中知氏(東京大学大学院工学系研究科教授)を
原子力規制委員会委員に任命することについて衆参両議院に同意を求めた。
しかしながら、
「利用と規制の分離」
「公正中立」
「原子力ムラとの決別」
「国民の信頼」
などを謳った原子力規制委員会設置法の趣旨が
十分に尊重されるべきところ、
本件任命案は
欠格要件に抵触する可能性があるほか、
国会の同意を求めるに至る
政府の手続きにも瑕疵があると考え、
以下問題点を指摘するとともに、
撤回と再検討を求めるものである。
◇平成24年に政府が示した欠格要件について
1.平成24年の原子力規制委員会発足人事の際、
政府は「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」
(同7月3日・内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室)を公表し、
法定事項に加えて
「就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者」
又は
「就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定額以上の報酬等を受領していた者」 を 欠格要件とした(「役員、従業者等」について無報酬の者を除外する等の限定はなされていない)。
2.上記の「原子力事業者等」の定義について、
政府は参議院議院運営委員長に提出した文書(平成24年8月24日付)において、
「電力会社に加え、電力会社の子会社等経済的に強いつながりが認められるもの」とし、
規制委員長・委員候補向け調査票に例示したものとして「原産協会(=日本原子力産業協会)」を明記した。
◇田中知氏の欠格要件抵触可能性について
3.政府は、原子力規制委員会委員の発足人事の際には
上記欠格要件に係る調査情報を開示していたが、
今回の人事案については開示されていない。
しかし、田中知氏の原子力規制委員会核燃料安全審査専門会委員の
就任に当たっての自己申告では、
日本原子力産業協会役員(平成23年~24年)、
エネルギー総合工学研究所役員(平成26年4月22日現在現職)等の
経歴があることが明らかにされている(規制委HPで公表)。
また、「1年度あたり50万円以上の報酬等の受領」として
東電記念財団(平成23年度)、
寄附の受領として
日立GEニュークリア・エナジー(平成23年度・60万円)、
太平洋コンサルタント(同・50万円)が記載されている。
4.田中氏の日本原子力産業協会役員就任歴は上記欠格要件に抵触することが明白である。
エネルギー総合工学研究所役員就任歴及び東電記念財団からの報酬受領も抵触の疑義がある。
◇欠格要件の変更に関する政府の説明責任について
5.しかし、5月28日の参議院原子力問題特別委員会で、
井上信治環境副大臣は上記欠格要件を適用せず人選したと答弁した。
また、同委で原子力規制庁は、
東電記念財団は電力事業者に相当せず、
また、報酬(謝金)は正当なものであるという不透明な解釈を示した。
6.上記欠格要件には法令又は閣議決定の裏付けはないが、
質問主意書への政府答弁書
(質問者・服部良一衆議院議員、平成24年9月14日)において、
参院での規制委設置法案の審議等を踏まえて作成したことを明記している。
閣議決定された答弁書の立場を継承しないのであれば、
人事案提示前に説明責任を果たすべきである。
7.上記欠格要件は国会審議を踏まえて作成されたものであり、
2年前の同意人事に係る手続きに際して
衆参議運委理事会等において説明がなされたものである。
よって、形式的な継承はともかくとして、
その内容・趣旨を変更するには相当の理由が求められると考えるが、
政府より合理的な説明はなされていない。
以上
原発ゼロの会
共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民主党)
世話人:長谷川岳(自民党)、鈴木 望(日本維新の会)、山内康一(みんなの党)
笠井 亮(日本共産党)、真山勇一(結いの党)、玉城デニー(生活の党)
照屋寛徳(社民党)、阿部知子(無所属)
顧問: 加藤修一(公明党)、逢坂誠二(民主党) 事務局長:阿部知子(無所属)
* 原発ゼロの会には、
9党・無所属の衆参国会議員66名が参加しています。
田中知氏の
原子力規制委員会委員への
任命案について
政府が原子力規制委員会の委員に
田中知・東京大学大学院教授を
任命する案を提示したことをうけて、
原発ゼロの会は
5月30日、
役員名で以下の談話を発表しました。
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2014年5月30日
田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について(談話)
原発ゼロの会役員
政府は去る5月27日、
田中知氏(東京大学大学院工学系研究科教授)を
原子力規制委員会委員に任命することについて衆参両議院に同意を求めた。
しかしながら、
「利用と規制の分離」
「公正中立」
「原子力ムラとの決別」
「国民の信頼」
などを謳った原子力規制委員会設置法の趣旨が
十分に尊重されるべきところ、
本件任命案は
欠格要件に抵触する可能性があるほか、
国会の同意を求めるに至る
政府の手続きにも瑕疵があると考え、
以下問題点を指摘するとともに、
撤回と再検討を求めるものである。
◇平成24年に政府が示した欠格要件について
1.平成24年の原子力規制委員会発足人事の際、
政府は「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」
(同7月3日・内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室)を公表し、
法定事項に加えて
「就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者」
又は
「就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定額以上の報酬等を受領していた者」 を 欠格要件とした(「役員、従業者等」について無報酬の者を除外する等の限定はなされていない)。
2.上記の「原子力事業者等」の定義について、
政府は参議院議院運営委員長に提出した文書(平成24年8月24日付)において、
「電力会社に加え、電力会社の子会社等経済的に強いつながりが認められるもの」とし、
規制委員長・委員候補向け調査票に例示したものとして「原産協会(=日本原子力産業協会)」を明記した。
◇田中知氏の欠格要件抵触可能性について
3.政府は、原子力規制委員会委員の発足人事の際には
上記欠格要件に係る調査情報を開示していたが、
今回の人事案については開示されていない。
しかし、田中知氏の原子力規制委員会核燃料安全審査専門会委員の
就任に当たっての自己申告では、
日本原子力産業協会役員(平成23年~24年)、
エネルギー総合工学研究所役員(平成26年4月22日現在現職)等の
経歴があることが明らかにされている(規制委HPで公表)。
また、「1年度あたり50万円以上の報酬等の受領」として
東電記念財団(平成23年度)、
寄附の受領として
日立GEニュークリア・エナジー(平成23年度・60万円)、
太平洋コンサルタント(同・50万円)が記載されている。
4.田中氏の日本原子力産業協会役員就任歴は上記欠格要件に抵触することが明白である。
エネルギー総合工学研究所役員就任歴及び東電記念財団からの報酬受領も抵触の疑義がある。
◇欠格要件の変更に関する政府の説明責任について
5.しかし、5月28日の参議院原子力問題特別委員会で、
井上信治環境副大臣は上記欠格要件を適用せず人選したと答弁した。
また、同委で原子力規制庁は、
東電記念財団は電力事業者に相当せず、
また、報酬(謝金)は正当なものであるという不透明な解釈を示した。
6.上記欠格要件には法令又は閣議決定の裏付けはないが、
質問主意書への政府答弁書
(質問者・服部良一衆議院議員、平成24年9月14日)において、
参院での規制委設置法案の審議等を踏まえて作成したことを明記している。
閣議決定された答弁書の立場を継承しないのであれば、
人事案提示前に説明責任を果たすべきである。
7.上記欠格要件は国会審議を踏まえて作成されたものであり、
2年前の同意人事に係る手続きに際して
衆参議運委理事会等において説明がなされたものである。
よって、形式的な継承はともかくとして、
その内容・趣旨を変更するには相当の理由が求められると考えるが、
政府より合理的な説明はなされていない。
以上
原発ゼロの会
共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民主党)
世話人:長谷川岳(自民党)、鈴木 望(日本維新の会)、山内康一(みんなの党)
笠井 亮(日本共産党)、真山勇一(結いの党)、玉城デニー(生活の党)
照屋寛徳(社民党)、阿部知子(無所属)
顧問: 加藤修一(公明党)、逢坂誠二(民主党) 事務局長:阿部知子(無所属)
* 原発ゼロの会には、
9党・無所属の衆参国会議員66名が参加しています。
by kuroki_kazuya
| 2014-06-02 06:45
| 核 原子力