着手19年、廃炉道半ば ドイツ
2014年 08月 06日
廃炉道半ば
ドイツ
河北新報 2014年08月05日火曜日より一部
旧グライフスバルト原発。
原子炉建屋は
当時のまま残っている。
事故を起こした福島第1原発と異なり、
汚染度が低いため解体する必要がない
=7月10日、独メクレンブルク・フォアポンメルン州
廃炉に伴い発生した放射性廃棄物の保管方法について説明するオールデンブルグ氏
・・・(中略)
<旧グライフスバルト原発/廃棄物180万トン 解体費4000億円超>
首都ベルリンの北に位置する
メクレンブルク・フォアポンメルン州。
バルト海沿岸の港町にある
旧グライフスバルト原発の
敷地に入ると、
ごみの山が表れた。
ドラム缶や配線、さびた金属類が野ざらしのまま置かれている。
廃炉で生まれた大量の廃棄物だ。
1990年に停止し、
95年に解体作業が始まった。
当時1~4号機が操業しており、
5、6号機は操業直前、
7、8号機は建設中だった。
これまでに掛かった解体費用は
4000億円を超える。
進行状況は8割強で、
19年経過した今も
廃炉作業は終わっていない。
・・・(途中略)
解体に伴って発生した廃棄物は
180万トンに上る。
うち56万トンは
放射性物質が付着しており、
敷地内にある中間貯蔵施設に、
汚染レベル別に
八つの「ホール」に分けて保管している。
「第7ホール」に並んでいたのは、
1~4号機で使用されていた
原子炉容器と蒸気発生器30体。
放射線量が高いものは
2メートルの距離で
毎時50マイクロシーベルト。
作業員の被ばくを防ぐため、
解体作業に着手できず、
放射線の自然減衰を待っているという。
最も高線量で、
視察が許されなかったのは「第8ホール」。
使用済み核燃料5000体が
容器(キャスク)に乾式保管されており、
全ての取り出しには12年を費やした。
国内最大の原発解体に携わった
同社の廃炉技術力は
欧州トップと評され、
ロシアやウクライナの原発の廃炉も受託している。
「われわれのこの20年は財産だ」とオールデンブルグ氏は胸を張る。
こうも付け加えた。
「フクシマは私たちの原発とは全く違う。
われわれにも想像できない
厳しい道が待っている」
・・・(後略)