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by 幸田 晋

田原総一朗:ロシアだけが悪いのか?

田原総一朗:

ロシアだけが悪いのか?


nikkei BPnet 9月9日(火)23時14分配信より一部

ウクライナ東部で
ウクライナ政府と親ロシア派が武力衝突する問題について、
日本の主要新聞の報道を読んでいると、
「悪いのはロシア」という印象を受ける。

3月のロシアによるクリミア併合は
「ロシアがクリミア半島を自分のものにしてしまった」といったようにも読めるし、
今回のウクライナ東部の軍事衝突でも
「ロシアは強引に親ロシア派のいる地域を勢力下におこうとしている」と
書いているようにも見える。

■ロシア非難一辺倒の報道に違和感

ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力の代表が9月5日、
和平協議で停戦に合意した。

これを報じるときも、「対ロシア 根強い不信感」「ロシア、時間稼ぎ狙いか」といった見出しがつけられていた。

停戦合意後も砲弾による攻撃がやまず、
「砲撃、親ロシア派か」といった報道が行われている。

ウクライナ問題をめぐる報道は
米国経由の情報も多く、
ロシアの味方をするわけでは全くないが、
そうしたロシア非難一辺倒の報道を見ると、
少し違和感を覚える。


私は1965年、
当時のソビエト連邦へ行ったことがある。
モスクワで世界ドキュメンタリー会議が開催された折、
日本から私が選ばれ訪問することになったのだが、
ソ連の地方都市だったキエフもそのとき訪れてみた。
キエフは現在のウクライナの首都だが、
当時の佇まいのよさには感心した思い出がある。

■CIAなど米国が関与する動きも

その印象もあるのだろうか。
「ロシアが悪い」という報道ばかり接していると違和感を覚えるのだ。

その頃、ウクライナはソ連の一つの地域であった。
その後、東西冷戦が終わり、ソ連が崩壊してウクライナは独立したが、
黒海に面するウクライナがロシアにとって地政学的に重要だったこと、
またウクライナがエネルギー資源をロシアに多く依存していたことなどから、
ロシアとの結びつきは強かった。

2010年にロシア寄りの姿勢を示すヤヌコビッチ氏が大統領に就任したが、
欧州連合(EU)寄りの野党勢力の反発が強まり、
2014年初めにウクライナ国内が大規模な反政府デモで騒乱状態となって、
ヤヌコビッチ大統領は首都キエフを脱出。
同政権は今年2月に崩壊した。

たしかに親ロシア政権にも腐敗などさまざまな問題があったが、
その政権の崩壊後のプロセスを見ていると、
米中央情報局(CIA)などが相当動いているようだ。
今年4月、
ホワイトハウスのカーニー報道官は
CIAのブレナン長官が
ウクライナの首都キエフを訪れていたことを認めた。

ブレナン長官が
キエフ入りした目的はもちろん明らかではないが、
ヤヌコビッチ政権崩壊後の
ウクライナ暫定政権で米国の影響力を強めることが
狙いだったのだろうという見方もある。


■現実はそれほどすっきりしていない

さらに、別の力も働いているという。極右勢力である。

第二次世界大戦時、ヒトラー率いるドイツ軍はウクライナにも侵攻し、
キエフやクリミア半島を一時支配下においたことがある。

そのときの影響が残っているのか、ウクライナの親ロシア政権が崩壊するとき、
そして今も、ネオナチとも極右とも見なされる政党が大きな力を持っているという指摘がある。

日本のメディアは、
ウクライナがロシアを嫌いEUの一員になろうとしている、
その一方でロシアは親ロシア派を使ってウクライナ東部を支配下におこうとしている、
と報じることが多い。

だが、現実は
それほどすっきりとした形ではなさそうだ。
CIAやネオナチなどの力も働いて、
より複雑な状況になっているのである。



・・・(中略)


日本は戦後、
日米安全保障条約を結んだこともあり、
国際問題を米国経由で見ていることが多い。
それ自体は悪いことではないが、
しかし世界の動きが
めまぐるしく変化する時代にあって、
見方が一面的になっている
と感じることが少なくない。


ウクライナ問題では、
ロシアがよいわけではないが、
一方的に悪いわけでもない。


いろいろな情報を入手したうえで、
多様な視点で客観的に判断していく必要があるのではないだろうか。
by kuroki_kazuya | 2014-09-10 06:38 | 対米 従属 | Comments(0)