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by 幸田 晋

原発優遇策をねだる、電力業界の本末転倒

原発優遇策をねだる、
電力業界の本末転倒


「原発版FIT」など
経産省も具体案を検討


中村 稔 :東洋経済 編集局記者

東洋経済 2014年10月02日より一部

「競争環境下で原子力発電を
これまで通り民間が担っていくには、
予見性を持って事業に取り組める環境整備が大事。

費用が確実に回収されることが大事だ。
そのための官の支援を是非ともお願いしたい」。

9月19日の定例記者会見で、
電気事業連合会の
八木誠会長(関西電力社長)はそう訴えた。



・・・(中略)


一方、経済産業省はすでに、
総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会において
新たな原発支援案の議論を始めている。

8月21日に開かれた第5回の原子力小委では、
「競争環境下における原子力事業の在り方」が議論された。

この会議では、英国において導入が決まった
「差額決済契約(CfD=Contract for Difference)」と
呼ばれる原子力支援制度が、
英国エネルギー・気候変動省の担当者から
かなりの時間を割いて説明された。

CfD(FIT-CfDとも呼ぶ)という制度は、
電気の値段を固定価格で一定期間、
保証するという点で、

日本でも再生可能エネルギーを対象に導入されている
固定価格買取制度(FIT=Feed in Tariff)に似ている。

英国では、
これを再エネ発電だけでなく、
原子力発電にも導入することが昨年決まった。


具体的な仕組みは、
廃炉や使用済み燃料の処分費用も含めた
原子力のコスト回収に必要な電気料金水準として
「基準価格」を決め、
その基準価格が
マーケット価格を元に算定される「市場価格」を上回っている場合、
その差額を全需要家から回収し、
原発事業者に対して補填する。


・・・(途中略)


原子力小委の委員を務める
吉岡斉・九州大学教授(専門は科学史、科学社会学)は
委員会へ意見書を提出。

英国が現在計画中にあるCfDについて、
「このアイデアの核心にあるのは、
再エネと同様の優遇策を、

原発に対する従来からの優遇策に加える形で、
原発に提供するというアイデアである」とし、

世界的に電力自由化を推進している観点から
「まったく正当性を持たない」と批判する。


そして吉岡氏は、
「(英国が原発の電気を)電力市場の相場の2倍の価格で買い取ろうとしていることは、
原発の経済性が歴史的に反証されたことを意味」し、
「日本を含め、世界のいかなる国も見習うべきではない」と主張する。


また、電力・エネルギー政策が専門の
高橋洋・富士通総研経済研究所主任研究員は、
「初期投資を確実に回収できる保証がなければ、
原発はハイコストで事業会社として
手を出せないというのは今や国際的な認識。

日本でも”原発はコストが安い”という議論は
もうやめるべきだ。


原発の真のコストを示さず、
エネルギーミックス(電源構成)など大きな方向性を出さないうちに、
支援策だけ議論するのはおかしい」と指摘する。



・・・(途中略)


再処理事業に限らず、
原発に対する新たな支援策に唐突感を禁じ得ないのは、
原発のあり方そのものという
根元的問題の明確化が先送りされたままだからだ。

「原発依存度をできるだけ下げる」という
自民党政権の方針は、

2020~2030年代に原発ゼロを目指すということではないようだが、
どの程度まで下げるのかはまったく示されていない。
それなのに、原発支援策が議論されている。

「原発の運転コストは低廉」と
エネルギー基本計画に書いたすぐ後に、
原発の高コストを補う
赤字穴埋め策を議論のたたき台に乗せる。
そうした矛盾は、
エネルギー政策への不信感を一段と高める。


原発のコストやリスク、原発依存度に関する真正面からの議論が必要だ。
by kuroki_kazuya | 2014-10-03 06:53 | 核 原子力 | Comments(0)